タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「万博」。5年に一度、時代の技術・芸術を世界に向かって発信する機会として開かれる万国博覧会、通称「万博」。2025年には、『EXPO 2025 大阪・関西万博』が開催されることが決まっており、開催に向けて、さまざまなニュースが報じられています。
では、いまを生きる10代は、万博にどれぐらい興味を持っているのでしょうか。5人のティーンに、万博について知っていることやどう考えているのか、聞いてみました。
1. 山下彩夏さん「異文化交流、最先端のテクノロジーに触れられるのが楽しみです」
「詳しく知っているわけではないのですが、万博にはとても興味があるので、行ってみたいと思います。世界中からたくさんの人やものが集まることで、その街に活気が生まれると思うからです。海外の人と交流する機会もなかなかないので、異文化交流という側面でも楽しそうだと思います。
また、わたしはいま、大学でAIについて勉強しているので、テクノロジーの分野に興味があります。その点でも、国内外の最先端の技術などを見てみたいです!」
2. 井木凛桜さん「キャラクターのことしか知らなかったけど、進学先と近いので行ってみたい」
「万博については、個性的なマスコットキャラクターくらいしか知りません。具体的にどのようなイベントになるのか、どんな人が来るのか、何を目的としているのかなど、詳しいことは正直わからないです。でも進学先が大阪ということもあり、行ってみたいとは思っています」
3. わかやまちはなさん「未来社会ショーケースの展示に興味をもっています」
「マスコットキャラクターの『ミャクミャク』が、SNS上で『いのちのかがやきくん』と呼ばれていたことしか知りませんでした。ホームページなどを見てみると、いろいろな展示があることがわかって、興味をもちました。特に『未来社会ショーケース』というところが、希望に満ちあふれているように感じて、ぜひ行ってみたいと感じました!
わたしは人混みの中にいると体調を崩してしまいやすいので、大阪に住む叔母の家に泊まらせてもらって、何日かにわけて、いろいろなパビリオンなどを見るのもいいなと思いました」
4. 髙原大雅さん「ニュースは見ています。なぜ『万博』という形にこだわるのかはわからない」
「万博のことは、パビリオンの建設が遅れまくっていて、どうなってしまうんだろう、という状況であることや、落合陽一さんの考案したパビリオンの詳細が発表になった、といったニュースは小耳にはさみました。あと、日本のパビリオンの木造のリングのようなものの建設が半分くらい進んでいる様子も見ました。
個人的には、わざわざ万博をやらなくても、各業界のイベントに行けば最先端のアツい技術には触れられると思っているので、そこまで頑張って万博というのをつくり上げる意味はつかめていません。開催に向けて頑張っているたちのことは心から応援していますが、まだその本質を理解できていないというのが正直なところです。
とはいえ、歴史の教科書などでも、過去の万博の盛り上がりは興味深く見てきたので、せっかくなら行ってみたいとは思っています」
5. 太田雅啓さん「まわりに出展する人が多く、自分でも関わることになるかもしれないのでチェックしています」
「大学の研究室など、まわりに大阪万博に出展する人が何人もいるので、いろいろと事情を聞いています。自分も一部は関わることになるかもしれません。開催されることは喜ばしいことだと思っていますが、東京オリンピックの開会式のように、直前に問題が起きてしまうなど、中途半端にならないことを祈ります」
ニュースやSNSで頻繁に取り上げられていることもあって、意外にも10代の万博に対する関心度は高いということがわかりました。とはいえ、「詳しいことは意外と知らない」という声も多く、中身についての情報が不足しているといえそうです。開催まで500日を切った大阪・関西万博。多くの人に遺恨を残したり、分断を生んだりするイベントならず、実りあるものになりますように……。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya