
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回は、10代が「いま、気になっているニュース」について。事件や災害、国際問題からエンタメまで、日々さまざまな報道がされていく中で、10代はどんなニュースに強い関心をもっているのでしょうか。5人のティーンが、最近気になったニュースを教えてくれました。
1. 佐藤綾音さん「国民の命を守るための対策が必要だと思いました」

17歳。悩みを抱える中高生をひとりでも減らしたいという思いから、メンタルケアを行う学生団体『empathieエンパティー』を立ちあげて活動中。
「インドの選挙活動中に、熱波による熱中症で、多くの方が亡くなったニュースが気になりました。インドでは3〜5月が最も暑く、この時期の熱波が危険だと言われ、亡くなる方も出ています。そんな中、選挙のために多くの方が外に出て集まらなければいけないことに、国民の健康を配慮できていないのではないかと感じました。
政治に参加することは大切ですが、守られるはずの命が危険にさらされるのはおかしい。時期を動かすなどの対策が必要だと思います」
2. 黒澤諒さん「官製のマッチングサイトなら安全?管理されることには抵抗を感じます」

17歳。ジェンダーステレオタイプのアップデートをめざし、メイクや美容の発信などをおこなう『re-make』プロジェクトを立ち上げ、現在は法人化を目指して活動中。
「東京都がマッチングアプリを作成しようとしているニュースは気になりました。確かに行政が作ったものなら、安心・安全かもしれないですが、自分の趣味や理想の相手を管理されることに、抵抗感を抱く人も多い気がします。マッチングアプリというのは、少なからず危険な側面があると思うし、非営利で運用されるとすれば、ただのオンライン結婚相談所に過ぎないのではないかと感じます」
3.あべいあるなさん「アメリカに行きたいけど『円安ドル高』が気になっています」

17歳。地元・山梨県富士吉田市の活性化に取り組むNPO法人に所属して、地域のためにさまざまな取り組みをおこなう。
「円安のニュースがいちばん気になっています。アメリカに行きたいと思っていて、円安ドル高になってしまうとなかなか行きづらい部分もあります。この異常とも思える円安がいつ解消されるのかついて、関心をもってニュースを見ています」
4. 山澤充希さん「円安によって日本のものが軽視されている気がして、切なくなります」

17歳。高校でのプロジェクト活動をきっかけに「江戸東京野菜」という東京の伝統野菜に出会い、その周知や普及に向けて活動中。
「2月に香港へ行って、 日本円の安さに衝撃を受けました。日本で生活していても、物価が上がっていると感じることはよくありましたが、香港では自販機の飲み物が1本700円もして、驚きました。
また、テレビでアメリカから旅行客が、日本の観光地について紹介している動画を見たとき、日本で販売されているものが安いからと軽視されているような気がしていて、少し切なくなります」
5. 加藤実希さん「4年に1度のオリンピックが身近な存在に感じていて楽しみです」

19歳。学生団体ORYVESに所属し、AO入試についての座談会などさまざまなイベントを開催。大学ではスポーツメンタルトレーニングについて学ぶ。
「パリオリンピックについてのニュースが気になっています。次々に代表選手が内定してきており、4年に一度しか味わうことのできないオリンピックに、ドキドキワクワクしてます。わたし自身、スポーツ関連の学部に行っていることも理由にあるかと思いますが、将来、自分の友達があの舞台に立っているかも!と思うと身近な感じがしてとても不思議な感覚です」
歴史的な円安から国際政治まで、日本だけでなく海外を含めた幅広いニュースに目を向けているようです。10代ならではのニュースの捉え方があり、世界で起きていることを自分たちのこととして向き合っていることを感じます。
Photo:Eri Miura、Nanako Araie
Text:Serina Hirano