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「江戸東京野菜」の存在を通して東京の伝統や歴史を広めたい。農業を盛り上げる商品開発にチャレンジする高校生【山澤充希・17歳】

「江戸東京野菜」の存在を通して東京の伝統や歴史を広めたい。農業を盛り上げる商品開発にチャレンジする高校生【山澤充希・17歳】

気になる10代名鑑」の667人目は、山澤充希みつきさん(17。高校でのプロジェクト活動をきっかけに「江戸東京野菜」という東京の伝統野菜に出会い、その周知や普及に向けて活動しています。これまでの活動を通して、農業の厳しさを味わってきたと話すみっきーさんに、活動をはじめたきっかけや今後の展望について根掘り葉掘り聞いてみました。

山澤充希を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れて取り組んでいることを教えてください。

「東京の伝統野菜ブランドとして認定されている『江戸東京野菜』を使って、商品の開発や販売をしています。

僕が通っている聖学院高等学校のグローバルイノベーションクラスでは、『イマージョン・STEAM・プロジェクト』が独自科目として設定されていて。高校2年生のときに、学校のプロジェクト活動として、『Soullume Project』という名前でスタートしました。

高校卒業後も活動を続けていこうと考えていて、今年の2月、個人事業主としての登録もしました。また、渋谷のインキュベーション施設『SHIBUYA QWS』でもプロジェクト活動として採択していただいたので、もっと盛り上げていければと思っています」

Soullume Project on Instagram: "2024年2月25日、SHIBUYA QWSで4回目のプロジェクト発表会を行いました。2年間行ってきた活動の集大成として、ピッチ発表のみならず、完成した商品「入魂ドレッシング」の販売を行いました。1回目の発表会の時から、だいぶ成長したなと改めて実感しました。購入してくださった方、ありがとうございました!"
17 likes, 0 comments - soullume_project on April 19, 2024: "…
https://www.instagram.com/p/C58HqUxLs3J/

Q2. どんなアクションをしていますか?

「東京都北区で生まれた『滝野川人参』を使って、ドレッシングをつくっています。商品はすでにできあがっているので、いまはアンテナショップで販売するための準備に取り組んでいます。

江戸東京野菜は、江戸時代から栽培が始まった東京の伝統野菜の呼称で、約50種類もあるんです。しかし、都市開発が進んでいくにつれて、農地が減ってしまったり、栽培が複雑なことから作り手になる人も減ってしまったりで、生産量が年々少なくなっているのが現状です。

そんなふうに、消滅の危機に瀕している江戸東京野菜について、もっと多くの人に知ってもらいたいと思って、商品開発にチャレンジしています」

Q3. 活動を始めたきっかけは?

「特に、何か大きな出来事があったわけではないのですが、高校1年生のときに、多くの時間を過ごしてきた地元の地域について、『意外と知らないことが多いかも』と思うようになって。聖学院は中高一貫ということもあり、せっかく地元で学生生活を過ごすなら、知らないなんてもったいないし、知ったほうが楽しくなるんじゃないかと思ったんです。

いろいろと調べていくうちに、江戸東京野菜の存在を知りました。正直、東京の野菜があるなんて考えたこともなかったので、驚きました。それから、実際に生産されている農家の方とお話をする機会をいただいて、江戸東京野菜に対する想いを聞いたり、このままだと消滅してしまうかもしれないと聞いたとき、心を動かされて。

『なんとかして東京の大事な伝統を後世に残していたい』という思うようになり、このプロジェクトを立ち上げました」

Q4. 活動する中で、つらかったことは?

「取り扱っているものが、農作物ということもあり、計画どおりに進めることの難しさを感じました。どれだけ準備をしていても、天候の影響で思うようにいかなくなってしまうことも。

去年は猛暑の影響で、たくさんの人参が傷んでしまい、予定していた数の人参を仕入れることができませんでした。本当は300本ドレッシングを製造する予定だったのですが、129本しか製造できなくて。しかも、この知らせを聞いた翌日に、学校のテストがあって、メンタル崩壊の危機でした(笑)。

ただ、『1本もできないよりはましだ』と自分に言い聞かせ、家族や先生、友達に支えられながら、なんとか乗り越えることができました」

Soullume Project on Instagram: "2024年1月12日と13日、渋谷スクランブルスクエアの7階でCROSSTAGEという名の実証実験を行いました。このイベントでは、一般の方に「???×思い出→住んだことのある地域への愛、あなたならこの???にどのようなワードを入れますか?」という問いを元に、地元愛とはなんなのかを調査しました。"
30 likes, 0 comments - soullume_project on January 24, 2024:…
https://www.instagram.com/p/C2eh_GZr8H4/

Q5. 活動を通して、実現させたい未来や社会ビジョンがあれば、教えてください。

「僕たちの商品を通して、地元への愛着が育まれたらいいなと思っています。地元って、それぞれにたったひとつしかないものだけど、地域の歴史や、地域で生まれたものについて、若者が知るきっかけはあまりない。だから、僕たちのドレッシングを入り口に、地域について考えるきっかけを届けていきたいと思っています。

ひとりひとりが地域について考えることは、新しい形の地域活性化や地域貢献につながると信じています。東京はすごいスピードで開発されているけど、その裏で失われている伝統文化がある。僕自身も、この活動を通して、興味をもったプロダクトづくりやまちづくり、まちのコミュニティ形成について、これから学んでいきたいと思っています」

山澤充希のプロフィール

年齢:17歳
出身地:東京都豊島区
所属:聖学院高等学校グローバルイノベーションクラス(GIC)2期生、個人事業Soullume、Soullume Project
趣味:サッカーをすること、サッカー観戦

山澤充希のSNS

★WEB

Soullume Project web site
Soullume Projectについて
https://soullumeprojectgic.my.canva.site/

★Instagram

Soullume Project on Instagram: "こんにちは。聖学院高校の山澤充希です。 このアカウントは、私自身が起業して設立した個人事業Soullumeの活動についてアップしていきます。フォローよろしくお願いいたします。"
9 likes, 0 comments - soullume_project on August 24, 2023: "…
https://www.instagram.com/p/CwWtMQxSd9q/

Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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