
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「♯自然界隈」。「♯自然界隈」とは、山や川など、自然豊かな場所に出かけて、デトックスしている様子を、この「♯自然界隈」というハッシュタグをつけて投稿をするというムーブメントのことで、一部のZ世代の間で流行しているといわれています。では実際に『♯自然界隈』は、10代に響いているのでしょうか。10代にとって自然とはどういう存在なのか、自然に対する思いについて、5人のティーンたちに伺いました。
1. 加藤実希さん「日本の良さが感じられる自然と触れ合いたいです」

19歳。学生団体ORYVESに所属し、AO入試についての座談会などさまざまなイベントを開催。大学ではスポーツメンタルトレーニングについて学ぶ。
「『♯自然界隈』の投稿は見たことないですが、自然と触れ合うことは、最近好きになりました。海や洞窟をめぐって、自然に触れる機会を作っています。
これからやってみたいことは、自然いっぱいの四国を一周してみたいです。せっかく日本に生まれてきたからこそ、日本の良さが感じられる自然に、たくさん触れ合いたいと思っています」
2. あべいあるなさん「自然のある地元にみんなを呼びたいと思っています」

17歳。地元・山梨県富士吉田市の活性化に取り組むNPO法人に所属して、地域のためにさまざまな取り組みをおこなう。
「地元である山梨県の富士吉田市が自然にあふれているので、いつも自然の中にいます。これからの活動としても、自然をテーマにして、普段は都会で暮らしている方々を地元に呼んで、たいと思っています。自然がある場所でみんなで遊んだり、過ごしたりしたいです」
3. 佐藤綾音さん「自然と触れ合う姿は素敵です。川の水が流れる音に触れたいです」

17歳。悩みを抱える中高生をひとりでも減らしたいという思いから、メンタルケアを行う学生団体『empathieエンパティー』を立ちあげて活動中。
「『#自然界隈』を見たことはありません。日常生活の中で自然を感じるのは、登校中に大きな木を見上げるときです。疲れているときは、疲れているときには、自然の中に行きたいなとぁと感じたり、自然あふれる風景を想像したりすることはあります。久しぶりに、川の近くに行って、水の流れる音を聞いたり、触ってみたりしたいですね」
4. 山澤充希さん「日本だけではなく、他の国の自然にも触れていきたいです」

17歳。高校でのプロジェクト活動をきっかけに「江戸東京野菜」という東京の伝統野菜に出会い、その周知や普及に向けて活動中。
「最近テレビ番組で『#自然界隈』が流行っているという情報を耳にしました。昔と比べると、最近は自然に触れられていないなと思いますし、むしろ都会に染まってしまっています。少し時間に余裕が生まれたら、日本国内のみならず、他の国の自然にも触れに行きたいなと思っています」
5. 黒澤諒さん「自然は、人が本能的にリラックスできる働きがあると思います」

17歳。ジェンダーステレオタイプのアップデートをめざし、メイクや美容の発信などをおこなう『re-make』プロジェクトを立ち上げ、現在は法人化を目指して活動中。
「普段閲覧しているコンテンツのせいかもしれませんが、自然に関するものをSNSで見かけることはあまり多くないです。最近は家に帰る時間もけっこう遅いので、自然と触れ合う機会は少なくなっています。
でも、自然には、人が本能的にリラックスできるような働きもあると思うので、何か行き詰まったことや思い悩むことができたら、静かな緑に囲まれた中で過ごしてみてもいいかもって思います」
『#自然界隈』というハッシュタグが生まれるくらい、10代の間でも、自然と触れ合いたい、緑のある空間で過ごしたいという感覚があるよう。また、自然豊かな場所で過ごしている人は、その地域の魅力として自然を感じているということもわかります。毎日を忙しく過ごしていると、年齢に関係なく、自然と触れ合うことでリラックスしたいと思ったり、その時間をみんなで共有したいと思うのかもしれないですね。
Photo:Eri Miura、Nanako Araie
Text:Serina Hirano