タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「レトロな写真・動画」について。いま、改めてオールドデジカメの人気が上がっていたり、あえて古いiPhoneなどで写真や動画を撮るのが流行しています。スマホで高画質な写真が撮れるこの時代に、なぜレトロな写真や動画に惹かれるのでしょうか。そこで、写真についてのこだわりや、レトロな写真をどう感じているかなど、10代にとってのレトロ写真の受け止めを、5人のティーンたちに聞いてみました。
1. 加藤実希さん「写ルンですを愛用。現像することで初めてわかるエモさがいいです」
「『写ルンです』を使っています。レトロでかわいい写真が撮れるのももちろんですが、印刷してみないとどんな写真をなのかわからないっていう点が、エモくていいなと思います。便利になりすぎた現代だからこそ、見える世界なのかもしれません。」
2. あべいあるなさん「フィルムカメラで撮影すると、昔の風景が蘇ってくる気がします」
「一眼レフのフィルムカメラを使っています。祖母が使っていたという、50年前くらいのクラシックなフィルムカメラを購入して、使い始めました。地元での活動をしているので、地域の写真を取ることが多いです。フィルムカメラを使うと、昔の風景が蘇ってくる感じがします。」
3. 佐藤綾音さん「いいと思ったものをそのまま撮りたいという気持ちがあります」
「オールドデジカメとかフィルムカメラはもっていないけど、レトロなものが好まれている理由は、海外の製品に憧れるのと同じで、身近にあるものとは違う質感に、憧れを抱いてるからだと思います。
わたしの場合、写真を撮るときは、いいなと思ったものを、なるべくそのまま撮りたいという気持ちがあるので、加工も明るさを実際のものに近づけることだけです」
4. 山澤充希さん「10年以上前の一眼レフカメラで撮ったレトロな写真は懐かしさを覚えます」
「10年以上前の一眼レフカメラを使っています。このカメラを使って撮った写真を、パソコンの編集ソフトで編集して、そこからSNSやプロジェクトのホームページにアップロードしています。
レトロな写真って、見たときに懐かしさを感じますよね。僕自身も、小学生時代に流行っていた音楽を聴いたりするのと同じ気持ちで、小学校のときの写真などを見ることがあって。どこか懐かしいような感覚は好きなので、レトロな写真は好きですね」
5. 黒澤諒さん「チェキを買いました。データでは得られない味のある写真が撮れます」
「1か月ほど前、1万円くらいする『チェキ』を買いました。画質や写真の精度でいったら、普段使っているスマホで十分だし、画質もいいですが、チェキはその場で現像されて、時間が経つと鮮明に見えてくるところに、データでは得られない味を感じるんです。 インスタ映えではなく、実際に自分の手の中にその瞬間があるのが、特別感につながるんだと思います」
10代はスマホを使いながらも、レトロな写真に惹かれ、実際に一眼レフカメラやチェキなどを使用していました。写真そのものだけでなく、写真を撮る時間や、現像されている過程など、時間を楽しんでいるという声も。写真に求めることは、利便性やクオリティだけではないということが、リアルな声からもわかりますね。
Photo:Eri Miura、Nanako Araie
Text:Serina Hirano