タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「最近気になるニュース」について。エンタメ、ジェンダー、災害、事件……、日々さまざまな報道がされていくなかで、10代はどんなニュースに強い関心を持っているのでしょうか。4人のティーンが、最近気になったニュースを教えてくれました。
1. 原 龍大さん「作品づくりをするうえで当時の震災の映像を何度も見ました」
「1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災から、今年でちょうど100年経ったというニュースです。いろんなチャンネルで、特集が組まれていたように思います。普段、美大で日本画を学んでいるのですが、ちょうど最近つくった作品が、災害をテーマに描いたものだったので、関東大震災が起こった当時の映像を何度も観て、そのイメージを作品に落とし込むようにしていました」
2. しおはるさん「今回の問題を機に、社会全体で性被害を考えるきっかけになってほしい」
「気になるのは、連日報道されている、ジャニーズ事務所の性加害問題です。でも正直なところ、性被害にあっているのは、それだけに限ったことではないと思っていて……。今回報道されているケースは、男性から男性による性被害ですが、実際はきっと、男性から女性にもあるし、その逆も然りで。しかも、性被害については訴えられず、泣き寝入りしてしまうケースも多いと聞きます。今回の報道を通じて、社会全体で性的にトラウマを負うことのリスクについて、もっと考えるきっかけになればいいなと思いました」
3. 亀田サンゴさん「関西発の『泊まれる演劇』が気になります」
「最近気になったのは、京都にあるホテルが、演劇の要素を取り入れたサービスを宿泊者に提供しているというニュースです。宿泊者限定のストーリーを見せつつ、宿泊者自身が登場人物となって物語を進めていくというものなのですが、エンターテインメントのトレンドが、受動的に作品を見ることや一方的に享受するのではなくて、体験できたり、インタラクティブなコミュニケーションが生まれたりすることを重んじている変化を感じます。特に若い世代は、一方的ではないところに魅力を感じているんじゃないかと思っていて。
個人的にも、これからは双方向のコミュニケーションが生まれるようなエンターテインメントが、次のトレンドをつくっていくんじゃないかなとワクワクしています」
4. 望月春希さん「ギャルカルチャー再来!令和の時代のギャルはマインド重視みたいです」
「気になっているのは『ギャル文化が再来している』のトピックです! いつだって時代を超えて、”カワイイ”を楽しみたいですよね。ニュースによると、ギャルカルチャーが流行っているけど、昔とは少し違っていて。令和の時代のギャルに大事なものはマインド。だから、見た目やファッションはギャルに見える若者たちが『自分はギャルではない』と主張することもあるんだとか。
ギャルを形づくるものは見た目だけではなくて考え方もそうだし、きっともっと何かあるんじゃないかなって、自分でも考えてみたくなりました」
日々明るい話題からちょっと立ち止まって考えてみる必要がある問題まで、さまざまなニュースがあふれています。自分と直接関わりがないことでも、他人事にせず、自分ごととして捉え、向き合っている10代の姿が見受けられました。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya