「気になる10代名鑑」の395人目は、清水こゆりさん(18)。教育に興味を持ち、地元である山口県の小学校に出向いて教育現場の実態の把握に努めるなど、精力的に知見を広げています。そんな清水さんの、活動する中で感じたことや、今後の展望を深堀りました。
清水こゆりを知るための5つの質問
Q1. いま取り組んでいる活動について教えてください。
「いい教育とは何かを追究するために、さまざまな観点から教育について勉強をしています。例えば、キャリア教育や金融教育のイベントを運営したり、大学や企業が主催している教育イベントに参加したり、無料塾を運営している人に話を聞いたり、地元の小学校に1週間ほどお邪魔したり……。
特定の団体に所属するのではなく、好奇心に従っていろいろな人と関わり、知見を広げようとしています」
夢のない高校生に向けたイベントで色々とお話させてもらいます。まだ語れることなんて少ない私だからこそ伝わるものがあるといいな〜
ってことで興味あるよって言ってくれる方はDMしてください🙇 https://t.co/9jnHpYFtB7 pic.twitter.com/pJrARL5AWi
— こゆり (@koyuri_01) January 31, 2023
Q2. 勉強する中で感じたことは?
「最近では、教員の働き方を改善することが、いい教育をするための最初のステップだと考えるようになりました。文科省がどれだけ教育改革をしようとしても、結局のところ、教育現場にいる先生への理解と協力が不可欠です。ただ現状だと、それが得られないシステムになっていると思いました。
例えば、小学校の教員の給料が出るのは、8時10分からなんです。生徒たちは7時40分から登校するので、生徒の安全のために監督しようと思えば、毎日30分の残業が発生します。でも、給特法によって、残業代は月給の4%と一律で定められているので、どれだけ働いても給料は上がらないんですよね。他にも、部活の付き添いやモンスターペアレンツへの対応など、負担が大きいのはやっぱり大きな問題だと思いました。
ただ、地元である山口県の小規模な小学校では、教員の人数の少なさを活かした独自の解決方法で、問題だと感じていた部分に対応していたんです。これが大規模校だとどうなるのかな、と考えるきっかけになりました。今後も、さまざまな現場の現状把握に努めたいと思っています」
Q3. 活動を始めるときのファーストアクションは?
「高校1年生のとき、姉の紹介で、ユニリーバのオンラインインターンシップに参加しました。ちょうどコロナが流行しはじめたタイミングで、暇だからという理由で参加したのですが、夢を持ったすごい高校生がたくさんいて。そこから、もっと広い世界を見たいと思うようになり、TwitterやFacebookを漁って、参加できるイベントには参加して、徐々に人脈が広がっていきました。
大学受験後は、元々ずっと行ってみたいと思っていた地元の小学校に、大学の入学前レポートの執筆を理由にお邪魔しました。先生たちがすごく寛容で、許可は案外さらっと出してもらえました!」
レポート終わらんんんんんん
— こゆり (@koyuri_01) February 20, 2023
Q4. 活動をする中で、悩みがあれば教えてください。
「たくさんの人と関わる中で、都市と地方の教育格差のようなものを感じました。都市部にいる人たちと話していると、まわりの人が学生団体に入っているとか、団体の事務所が近くにあるというのが当たり前なんです。わたしたちは『学生団体って何?』みたいなところから始まっているのに……。
とはいえ、都市部の人たちと同じ土俵に立とうとしなくていいと思っていて。活動をするうえでの格差や、地方の教育の現状を知ることができたのは、都市出身だったらできなかったことだろうし。地方出身ならではの視点を大事にしながら、やっていこうと思っています」
Q5. 今後の展望は?
「教育経済学を学んでみたくて、進学する大学を決めました。先生ではない立場で教育に関われないかと思って調べて、見つけた分野です。あと、広告やマーケティングの考え方も勉強してみたいですね。こちらの伝えたいものに興味がない人を振り向かせるための考え方が、教育にも活かせる気がしています。
ただ正直、将来のことは何も決まっていません。教育については、これまでも、これからも勉強を深めたいですが、教育系以外の道を選ぶ可能性もあると思っています。これからも視野を狭めず、好奇心を弱めず、さまざまなことに挑戦して、ワクワクするままに進んでいきたいです!」
清水こゆりのプロフィール
年齢:18歳
出身地:山口県下関市
所属:慶應義塾大学
趣味:読書
清水こゆりのSNS
こっちを課外活動用のアカウントで、@koyuri_01を大学用のアカウントにしますね〜決まり。
— こゆり (@koyuri_02) May 15, 2023
課題終わり〜偉い〜
— こゆり (@koyuri_01) April 2, 2023
Photo:Eri Miura
Text:Ayaka Shinada