2021年に行われた衆院選での全体投票率は55.93%。それに対して、10代の投票率は43.01%でした。「若者の政治参加」「投票率アップ」が叫ばれる中、Steenzでは、「まずはこの全体平均へのビハインドをなくそう」という目標を掲げて、「12.92ポイントの壁」を超えるためのシリーズ記事を発信しています!
そこで、さまざまなテーマについて、ティーンたちの声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」のスペシャル版として、今回の参院選、「選挙に行く」と決めている4名の10代に、選挙に行く理由について、聞いてみました。
聞いてみると、ひとりひとり、その理由は違いました。自分に考えが近い人の意見を読んだり、その差を感じたり、自分なりに理由を考えてみたりして、投票にいく動機付けをしてみるのはどうでしょうか。
1. Cocoaさん「自分の生活を他人のものにしないために、投票に行きます」
「政治って、実際は、“知らないおじさんたち”がやってるものかもしれない。でも、私たちは選挙で、“知らないけど、自分たちの未来の方向性を創る人”を決められる。
投票しなければ、自分の声はないことにされる。けど、行けば少なくとも数字としてカウントされる。自分の生活を他人のものにしないため、私は投票に行きます。
つい先日、アメリカで『ロー対ウェイド判決』に関して、最高裁が判決を覆し、州が中絶の禁止をできるようになりました。この判決は、ドナルド・J・トランプ前大統領が任命した、保守派の判事の影響が大きいと言われています。そしてそれに対して、バイデン大統領は、次の選挙で中絶容認派に投票するように国民に呼びかけました。
この件だけを見ても、自分が投票した一票によって、自分の生活が豊かになるか、それとも脅かされるかが、本当に変わるんだと思いました」
2. 柴田花菜さん「選挙は、自分たちがこれから生きる社会を選択すること。だから私は投票に行きます」
「私は傍観者としてではなく、当事者として政治に向き合いたい。不平不満ばかりを言っていても、何も変わらないと思っていて。
SNSを見てると、不平不満ばかり言って、何もしない人もいるけど、文句を言うくらいなら、行動しないとダメなんじゃないかって思っていて。私は政治のことは詳しくは分からないけど、政策に対しての不満はある。なぜ同性婚を認めないのか、なぜもっと国民に寄り添うために予算を使わないのか。いろいろ考えるところがあります。
だから選挙に行くことは、自分がこれから生きる社会を選択することだと思っています。これからの社会を作るのは、今ここにいる私たちだから」
3. 梶浦健汰さん「社会に無関心に生きていくことを防ぐため、そして絶望しないため。そのために僕は投票に行きます」
「若者とその他の世代の割合を見てみると、たとえ若者の投票率が数パーセント上がっても、正直なところあまり効果はないと思っています。だから個人的には、若者が過ごしやすい社会を作るために投票に行くというわけではなくて。
僕が選挙に行くのは、自分自身が社会に無関心に生きていくことを防ぐため。小さな力でもいいから、何かしらで社会を少しでも動かしたいという欲望が強くあるんです。
別に投票に行くのは、特に社会を良くすることを目的にしなくてもいいと思う。面倒くさいと思うなら、行かなくてもいいと思う。ただ、実際に投票してみると、自分と社会とのつながりを実感できるから、おすすめしたいです」
4. 中村眞大さん「投票は、一揆や米騒動の時代と違って、合法的に社会を変えられる制度。だから私は投票に行きます」
「昔は、民衆が社会を変える方法なんて、ほとんどなくて。あっても百姓一揆とか米騒動とかいう反乱くらい。でもその時代と違って、今は選挙で合法的に社会を変えられる。貧富や年齢の差に関わらず、誰でも無料でチケットをもらえる。
もしも自分が投票した人が選挙に落ちたとしても、その一票は次に立候補するための糧になるはず。だから僕は投票に行います。
「できれば推しを見つけよう。いなけりゃマシを見つけよう」という言葉があって。最高にしっくりくる候補者がいなくても、なるべくマシな誰かに投票することが大事だと思っています!
選挙に行かないことは、知らない誰かが選んだ“推し”に自分の人生を委ねるようなものですから」
ひとりひとり、その動機は異なるけど、大切なのは「投票に行くこと」「10代の投票率を押し上げること」だとSteenzでは考えています。みなさんも、選挙に行く理由を改めて自分に問いて、Twitterなどでつぶやいてみてはどうでしょうか。「#10代が選挙に行く理由」で発信してくれたら、Steenzとしてもチェックさせていただきます。
Photo:Eri Miura