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校則問題をテーマにしたドキュメンタリーで社会にインパクトを与えた映像作家【中村眞大・19歳】

校則問題をテーマにしたドキュメンタリーで社会にインパクトを与えた映像作家【中村眞大・19歳】

「気になる10代名鑑」92人目は、中村眞大まさひろさん(19)。高校卒業間際に、都立高校の校則のリアルを取り上げたドキュメンタリー映画『北園現代史 ~自由の裏に隠された衝撃の実態~』を監督として製作。瞬く間に日本中に広がり、社会にインパクトを与える問題提起となりました。そんな中村さんの現在の活動や、思っていることを聞いてみました。

■中村眞大を知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「東京都出身の19歳です。元々ドキュメンタリーに興味があって、高校時代には映像研究部に所属して、『水曜日のダウンタウン』のパロディを作ってました。

在学中に目にした、北園高校の自由が脅かされるような指導などに直面して、自分に何ができるかわからないけど撮り溜めておいたんです。その映像をまとめて、ドキュメンタリー映画『北園現代史 ~自由の裏に隠された衝撃の実態~』を製作しました」

 

 

Q2. 現在取り組んでいる活動について教えてください。

「映画を製作してから高校を卒業し、いまは変革のための総合雑誌『情況』で、校則問題に関する記事を寄稿したり、全国の『学校の自由を守りたい生徒』や『理不尽な校則を変えたい生徒』のためのイベントを企画したりしています。

今年3月には、3回に渡って『全国校則座談会』を開催しました。校則問題の当事者である若者たちによる座談会や、映画が公開されてから1年後のいま、何がどう変わったのかを話し合う場をつくりました」

 

Q3. 何を大切に活動していますか?

「校則問題は『社会問題』で、小難しいものと捉えられがちですけど、本来は、世代を問わず誰でも意見を持ちやすいもの。敷居を高くせずに、気軽に楽しく物事を考えてもらえるようにすることを大切にしてます。

監督した『北園現代史』でも、素人役者による再現ドラマやユニークなイラストを取り入れて、笑いや脱力のポイントを入れることで、肩の力を抜いてもらえるように工夫しました。校則問題解決のために、僕たちがいろいろやっていく過程を、エンターテインメントとして楽しく見守り続けてもらえるように心がけています

Q4. 趣味はありますか?

「僕、いろんなことに興味を持ちやすいタイプで。相撲や落語、選挙観戦、昆虫食などなど、いろんなことに興味があります。強いて言えば、ドキュメンタリーを観ることでしょうか。見ると疲れるのですが、時間があればいくらでも観てみたいです」

Q5. 幸せや生きがいを感じる瞬間はどんなとき?

「旅行をしているとき。人があまりいないところに行くのが好きです。茨城県ひたちなか市にある阿字ヶ浦海岸は、景色がキレイで、海の見える露天風呂があって本当にいいところでした! ひとり旅で行ったところだと、山陰のほうが良かったです」

Q6. 生きるうえでのポリシーがあれば教えてください。

一見変わった人や自分の『敵』と思われる立場の人に対しても、まずは、その考えを知ろうとすることです。できたら直接お話しして、意見が合うところは同意して、合わないところには違うんだなって思う。そのプロセスが、人を理解するうえで大切なことだと思います」

Q7. 社会が「こう変わればいいな」と思うことは?

他者に寛容である社会になってほしいです。『みんなに優しく』『人権を大切に』と言う人に対して、『きれいごとを言うな』『うさんくさい』と冷笑するような風潮があるなって感じていて。そういう声は、なくなってほしいです」

Q8. 最近、新しく始めた挑戦はある?

「大学が遠いので、通学時間に本を読むようにしました。スマホを触る時間は最低限だけにして、そのぶん、本を読んでいろいろ学びたくて。ただ、1年生の必修の単位を落としてしまったので、まずは大学の勉強を優先しなきゃいけなくなりそうです(笑)」

Q9. 今後の展望を教えてください。

「大学で教育について学んで、ゆくゆくは教員免許を取ろうとは思ってるんですけど、テレビなどのメディアにも興味があります。いろんな経験を通して、のんびり考えたいです。いまは個人でヒューマンドキュメンタリーをつくってみたいなって思います。

校則問題の活動については、イベントの企画や当事者同士を繋げることを中心に、活動を続けていきたいです」

Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。

おかしいなって思うことがあったら、どんどん声を上げてほしいです。必ず応援してくれる大人や仲間がいるはず。おかしいという感覚を押し殺して自分を騙して生きていくいのはつらいし、SNSで日々愚痴ったり、『敵』を罵ったりしているだけでは、分断を招くだけで、何も生まれないと思います。

声を上げられなくても、同じことを考えている人のSNSをフォローするだけでも構いません。あなたのちょっとした行動が何かを変えるきっかけになるかもしれないし、何も変わらなくても、どこかの誰かの心に響くかもしれません。ぜひ、ほんの少しでも一歩踏み出してみてください。同じ10代の若者として、応援しています」

■中村眞大の今日のファッション

コート・シャツ・パンツ/古着 シューズ/Dr. Martens

古着を着ることが多くて、原宿や上野でよく買います。高円寺も気になるけど、ちょっと敷居が高くてなかなか行けなくて(笑)。たくさん買うというよりは、たくさん着られる物を、ちゃんと選んで買うタイプです」

■中村眞大のSNS

★Twitter

 

★中村眞大さんが監督を務めたドキュメンタリー作品『北園現代史』

 

 

Photo:Eri Miura
Text:Tomoka Uendo
Edit:Takeshi Koh

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Steenz編集部

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