「気になる10代名鑑」の858人目は、今永拓輝さん(18)。高校生の挑戦や成長をサポートする団体を設立しソーシャルイシュー、アクセラレーションプログラムの開催などに取り組んでいます。個人が得意な分野で力を発揮して、成長スピードを高めていけるような環境をつくりたいと語る今永さんに、活動のテーマや、活動に対する思い、将来の展望をうかがいました。
今永拓輝を知る5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「高校生を対象とした教育系NPO法人『Locaneer』の代表を務めています。
特に力を入れているのは、アクセラレーションプログラムの開催です。アクセラレーションプログラムというと、一般的には、企業や経営者を対象にした、短い期間で事業を成長させるプログラムのこと。アクセラレータと呼ばれる、考えをサポートしてくれる人と話しながらアイディアをブラッシュアップしていきます。Locaneerでは、起業家の方などをアクセラレータとして迎え、ビジネスや社会課題に興味がある高校生に向けて、短期間で成長できるプログラムを開催しています」
Q2. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「学生のやりたいと感じることや、興味のあることを言語化できるように、サポートしています。
開催しているアクセラレーションプログラムは、約4か月で完了する仕組みになっていて、起業家や、社会課題に向き合う方など、幅広い分野で活躍する方々に登壇いただいています。高校生がテーマに合わせてインプットをしながら、やりたいことを深掘りしていけるよう、登壇者のアサインや、仕組みづくりをおこなっています。
最初のプログラムは、今年の10月からスタートしました。はじめたばかりのプロジェクトですが、15人もの高校生が参加してくれています」
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Q3. 活動を始めたきっかけは?
「1年前に、アメリカへ留学したことがきっかけです。
アメリカには、若い人たちが挑戦しやすい環境が整っていたように思います。それに、失敗してもいいからやってみよう、というマインドセットを、多くの人がもっていました。でも日本では、失敗は許されない、良くないものとするところがあって。そのせいで、若者の挑戦や成長が阻まれているんじゃないか、と考えるようになったんです。
そこで、アメリカで得たものや見てきたことを日本でも取り入れて、日本の若い人たちの成長や挑戦を後押ししたいと思い、団体を立ち上げました。
アメリカでは、いろんな人たちと接していく中で、こんな世界もあるんだと、価値観を広げることができました。高校生向けのアクセラレーションプログラムは、そうした経験から思いついたものです。高校生のうちに、普段関わる機会がないような方々の話を聞くことで、その後の挑戦につながるような、新たな気づきや発見が得られるんじゃないかなと思っています」
Q4. 活動にあたってのファーストアクションは?
「まずは、気になる団体のプログラムを受けに行きました。当時は、ビジネスや教育系に興味があったので、いろいろな活動やプログラムに応募して、実際に参加者の方と話すことを意識していました。実は、留学から帰ってきたときには、何をしたらいいのか全くわからなくて。たくさんの人と話すことで、自分のやりたいことや考えていることが明確化されていって、最終的には少しずつですがまとまっていきました。
こうした経験も生かしながら、人が短期間で成長できる機会や、考えを言語化できる仕組み、面白いものに出会える環境をつくっていきたいです」
Q5. 将来の展望は?
「観光と教育を掛け合わせて、新たな気づきを得られる体験を提供したいと思っています。留学を経験して、旅がもたらす価値観の変化はとても大きいと感じて。いまはまだ、試行錯誤している段階ですが、個人が得意な分野で力を発揮でき、成長できるスピードを高めていける環境を実現したいです。
他の人には理解できない生き方かもしれないけど、新しいことに挑戦するパイオニア的な存在として、自分自身も成長していきたいと思っています」
今永拓輝のプロフィール
年齢:18歳
出身地:兵庫県神戸市
所属:NPО法人Locaneer、NPО法人Leap for アンバサダー
趣味:旅行
特技:日本中の地名と場所がすぐにわかること
大切にしている言葉:「Stay Hungry Stay Foolish」スティーブ・ジョブズ
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Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano