Teenage Realities

授業中にスマホ使ってる?学習用タブレットや活用している支援ツールなど、デジタル化する授業について聞いてみた【10代リアルVOICE】

授業中にスマホ使ってる?学習用タブレットや活用している支援ツールなど、デジタル化する授業について聞いてみた【10代リアルVOICE】

タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ10代リアルVOICE

今回のテーマは「授業中のデバイス」について。スマホの普及率の上昇にともない、多くの学校で「授業中のスマホ禁止」がルールとして設けられる一方で、「自由に使いたい」などのさまざまな意見もあり、ひとつの大きなトピックとなっています。一方で、学習用端末の導入などで、授業にもデジタルデバイスが入り込んでいる昨今。先生の需要のやり方や、板書といった、これまでの教育スタイルにも、変化があるようです。

そこで今回は、リアルな10代が、デジタルデバイスがある環境下で、どのように授業を受けているのか、ツールをどう活用しているのかを、5人のティーンに聞いてみました。あわせて、理想的な授業のスタイルについても、質問してみました。

1. 髙橋由衣さん「スマホを使うことで、勉強の効率が上がります」

16歳。公民館を活用して、子ども食堂や学びの場といった、コミュニケーションが生まれる場所をつくれるよう活動中。

「授業中でも、スマホやタブレット端末を活用しています。スマホは、わからない単語をすぐに調べたり、気になったことを検索したりして、授業を理解するのに役立っています。

みんなでディスカッションをしたり、意見交換をしたりすることもあって、そういうときにはタブレットを使います。出てきた意見をまとめて、みんなで共有したり、あとあら見返したりするのに、タブレットがあるとすごく便利です。

あとは授業の復習をするときも、スマホを使ってクイズ形式にしていることがあります。スマホやタブレットを使うことで、効率的に勉強が進められていると感じています」

公民館で子ども食堂や学び合いのイベントを開催。地域のつながりを生む場所づくりに奔走する高校生【高橋由衣・16歳】
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2. 江澤哲哉さん「学校でiPadを導入しています。みんなで編集ができるシステムを使っています」

16歳。いまよりもいい状態の地球を次世代にバトンタッチしたいという思いで地球温暖化や気候変動といった環境課題に取り組む学生団体『Fridays For Future Yokohama』の一員として活動中。

「授業中にスマホを使うことはありませんが、iPadは使っています。iPadの中に入っている『スクールタクト』というシステムを使っていて、クラス全員がひとつのスライドに書き込むことができるんです。

他にも、みんなで画像の編集ができたり、動画の視聴ができたりするので、授業にだいぶ役立っていますね。画像の貼り付けをしたり、文章をコピペができたりするので、学んだことをまとめるときには欠かせないです」

目標は『リジェネラティブデザイナー』になること。自然との調和をめざして活動を続ける高校生アクティビティスト【江澤哲哉・16歳】
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3. 瀬川悟さん「AIを使いこなせる人材になる必要があると思います」

18歳。「生まれ育った地域に恩返しがしたい」という思いで、地元・愛媛県西条市にて開催しているマルシェの実行委員長として活動中。

「授業中でも、スマホをよく使います。高等専門学校に通学していることもあって、学校自体が積極的に生成AIを活用していこうという方向性なんです。情報工学を専攻していることもあって、プログラムを書くときにも、ChatGPTなどのツールを使うこともあります。

ぼく自身、いまよりももっとAIが発展していく未来を見据えていて、AIを使いこなせる人材になる必要があると感じています。なので、スマホなどのデバイス機器を授業で使用することは、これからの学びにとって重要なことだと思っています

笑顔と活気があふれるマルシェを開催!地域の魅力を再発見するイベントプランナー【瀬川悟・18歳】
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4. スティーン・カレンさん「授業中のスマホは学校とプライベートが混在しそう」

17歳。中学生のときにアフリカの現状を知ったことがきっかけでアフリカの支援活動を志し、タンザニアのストリートチルドレンを支援するためのNGOを立ち上げて活動中。

「自分のスマホは使わず、学校で指定されたタブレットを使っています。授業中にスマホを使うと、学校とプライベートが混在しちゃう気がして。あとはタブレットのほうが、画面が大きくて記入がしやすいので、授業を受けるときにには便利です。

ただ、タブレットは大きいので、スマホのほうが持ち運びには楽だと思うし、どちらも一長一短なので、授業でもスマホが使えたほうがいいという気持ちも理解できます」

タンザニアでストリートチルドレンへの支援をする17歳。国際的な途上国支援団体を立ち上げるのが夢【スティーン・カレン・17歳】
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5. 金谷来音さん「スマホは身近な存在なので、文章をつくりやすいです」

17歳。人間の生死や儚さを表現することをテーマに、歌や絵、短歌、朗読など、幅広い創作に取り組んでいる。

「授業の振り返りなどをするときに、スマホを使っています。ノートに書くよりも、スマホで文字を打つほうが楽だなと感じたり、普段から手元にあるものなので、スキマの時間などをつかって、効率的に作業しやすいです。

家に帰ってからも、スマホを使って復習をしたりします。必要なときにすぐに取りかかれて、しかも継続しやすいところが、スマホ学習のいい点だと思っています」

音楽や絵画、短歌、朗読まで、手法にこだわらず表現。人間の生死や儚さをテーマに創作するクリエイター【来音・17歳】
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授業中はスマホは禁止されているかと思いきや、時代はどんどん進んで、スマホを活用しながら授業を受けているという10代も多くいました。また、タブレット端末を使って、共同編集ができるツールや振り返りノートの作成など、効率的な学習につなげていることがわかりました。ツールを使いこなすのが普通のことだからこそ、AIに理解を深めるなど、差別化をめざしているというのも、現代の10代ならではの感覚なのかもしれません。

Photo:Eri MiuraNanako Araie
Text:Serina Hirano

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Serina Hirano

エディター/ライター

1994年生まれ、東京都出身。現代を懸命に生きている若者を応援するため、フリーランスとして活動。カフェ店員をしながら医療に関する記事を執筆し、2024年よりライター兼エディターとしてsteenzに携わる。各業界に対して様々な側面から活動している。

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