タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「洋服のコーディネート」について。かつては、雑誌を見たり、ショップの販売員さんを参考にしたりなどが主流ですが、SNSをはじめ、多くのツールを駆使している10代は、いったい何を参考に、洋服を決めているのでしょうか。洋服を選ぶときに参考にしている情報源からコーディネートの決め手まで、根ほり葉ほり聞いてみました。
1. 佐藤綾音さん「雑誌を参考にしながら、自分が好きな服を着ています」
「『non-no』という雑誌の誌面をみながら、着たい組み合わせのコーディネートや色を参考にすることがあります。でも、まるごと参考にするということはあまりなくて、自分の着たいものをいちばんに考えて、コーディネートを決めています。
自分に似合うかどうか、着ていて心地いいか、着回せるかを大切にしているので、流行はあまり気にしていません。流行に関わらず、こんな服が欲しいなぁとなったときには、好きなブランドのサイトを見たり、実際にお店を回ったりして、納得のいくものをじっくり探すようにしています」
2. 加藤実希さん「好きなアパレル店員さんをフォローしています」
「Instagramで、好きな系統のアパレル店員さんのアカウントをフォローしています。店員さんの投稿で、かわいいと思ったコーディネートをひとまず保存して、あとから見返すようにしています。
ただ、実際にそのアイテムをそのまま買うことはほとんどなくて、“見る専”みたいな感じです」
3. あべいあるなさん「何かを参考にして服を決めることはありません」
「服装について、何かを参考にして服を決めることはあまりなくて、基本的にいいなと思う洋服があったら、その都度買っている感じです。でもそうすると、着る服がいつも固定化されてしまっているなぁと感じることも多いので、有名なインフルエンサーさんとか、たまには雑誌とかを参考にしてみたいと思うこともあります。
いろんな人のコーディネートを参考にして、いつもとは違った服を着てみたいなって最近は思っています」
4. 黒澤諒さん「自分の役割をまっとうするために洋服を決めています」
「学生ということもあって、休日以外はコーディネートを考えることがあまりないです。でも、制限された服装の中で、どう着こなすかを意識しています。例えば、少し大きめなセーターを着るようにしていたり、ジャケットを着るときには袖からセーターがでるような、いわゆる『萌え袖』っぽく着ています。
それは、僕が昔から異性からも同性からも『かわいい』って言ってもらうことが多いからですね。人から言われるっていうことは、他人から見た自分はそういうふうにて映っているわけで、それに沿って過ごしていれば、自分の役割がまっとうできるって考えているんです。
服装を考えるときには、そのときに自分がどう在るべきなのか、生存戦略として最適なのか、自分はその場でどう振る舞いたいかによって決めています」
インフルエンサーや雑誌を参考にして洋服のコーディネートを決めている10代がいる一方で、それほど情報収集をせずに、自分が着たい服をチョイスしたり、TPOに合わせて自分の役割を表現するためにコーディネートを決めている10代もいるようでした。多様性の中で生きているぶん、自分の軸をしっかりもって、服装も決めているのかもしれないですね。
Photo:Eri Miura、Nanako Araie
Text:Serina Hirano