「気になる10代名鑑」の668人目は、佐藤綾音さん(17)。悩みを抱える中高生をひとりでも減らしたいという思いから、メンタルケアを行う学生団体『empathie』を立ちあげて活動をしています。活動を通して知り合ったたくさんの人に支えられて、成長できていると語る佐藤さんに、活動を始めたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
佐藤綾音を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を注いでいる活動は?
「中高生のメンタルケアをする学生団体『empathie』の活動に力を入れています。この団体は高校1年生のときに、自分で立ちあげました。悩みを抱え込む中高生を、ひとりでも減らすことを活動の目標にしています。
具体的には、メンタルヘルスについて知る勉強会を開いたり、モヤモヤを共有できる機会をつくっています。勉強会では、各自1冊から3冊くらいの本を読んで、資料にまとめてプレゼンするんです。人は知らないものに対して、“こわい”という感情をもって、距離をとってしまうと思うんです。だから少しずつ、みんなで勉強することで、“こわい”という気持ちを取り除けたらなと思っています。
浅く広くでいいと思うので、気軽にいろいろなことを知ることができるような場にしたいと思っていて。この活動の他にも、自分がわくわくすることにはなんでも参加するようにしています」
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Q2. そのテーマで活動を始めたきっかけは?
「高校1年生のときに参加した『高校生社会課題探究ゼミ』というイベントが大きなきっかけです。
このイベントは、グループごとに社会課題を解決するプランを考えるという内容で。ちょうど自殺に対する報道が多い時期だったのと、わたし自身、完璧主義だったり、首席入学のプレッシャーで悩んでいたりしたことがあったんです。同じグループのメンバーも、悩みを抱え込んだ経験がある人ばかりで、メンタルヘルスを解決策とすることに決まって。
このイベントを通して、自分たちが欲しかった“共感”や“全肯定”を得られるような居場所を大切にしたい、と思うようになったんです。スクールカウンセラーや精神科医といったプロの方がつくるような居場所だけじゃなく、ハードルの低い居場所があってもいいんじゃないかなと思って、団体を立ち上げることにしました」
Q3. 印象的だった出会いはありますか?
「気仙沼の魅力を発信している遠藤光大さんとの出会いが印象に残っています。探究学習やマイプロジェクトを実行する高校生が集まる『マイプロジェクトアワード 宮城県Summit』で初めて会って。お互い、団体の代表を務めていたこともあり、すごく話しやすくて、運営をするのに気をつけていることや悩みなどをよく話しています。すごく面白くて、憧れの存在だし、同志だと思っています。
あとは、『新しく活動を始めるためにアドバイスをしてほしい』とDMを送ってくれた人がいたことも印象に残っていて。これまで成長してこれたのは、まわりの人のおかげだと思ってます。多くの人が支えてくれたり、教えてくれたりしたおかげで、いまがあるので。わたしも同じように、活動を始めようとしている人の役に立てたら嬉しいなと思っています」
Q4. 好きなことや楽しいと思う時間はありますか?
「行事やイベントに参加することが好きです! 高校では、体育祭実行委員会に入っています。体育祭の前はとても忙しくて、昼ごはんを食べる時間もなかったりするんですけど……。でも、イベント愛がすごく強いので、どんなにハードでも頑張れちゃいます。
あとは、自己分析をすることも好きです。自分のことが大好きなので(笑)、自分のことをもっと知りたいと思っていて。長所や短所について、自分が思っていることをノートにまとめたり、まわりの人の意見を聞くことで、本当の自分について分析しています。もっと素敵な自分になれたら嬉しいです」
Q5. 今後の展望は?
「新しいものをつくり続ける人でいたいなと、漠然と思っています。アイディアを出したり、考えたりすることが大好きなので、商品でもイベントでも、クリエイティブなことをしていきたい。いまはデザインに関わる仕事に関われたらなと思っていて。マーケティング視点から考えるデザインや、ものの使いやすさという観点にも興味があります。
また、自分の世界をどんどん広げていきたくて。いろいろな国に行って、人に出会って、本を読んで……。さまざまな考え方や広い視野を身に着けて、多方面から物事を考えられる人になりたいです!」
佐藤綾音のプロフィール
年齢:17歳
出身地:宮城県仙台市
所属:学生団体empathie(エンパティ―)、若者団体IAC仙台エリア、ここじゅ
趣味:本を読む、音楽を聴く、ノートを使う
特技:絵を描く、写真を撮る、デザインする
大切にしている言葉:やらない後悔よりやる後悔、bestよりbetter
佐藤綾音のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Chikiri Kudo