タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、ティーンたちの声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは、「ニュースとの向き合い方」。ウクライナでの戦争や世界の分断、先の見えないコロナの状況、それによって歪む社会……。心が痛んでしまうようなニュースが、どうしても目に飛び込んでしまう現代社会。いまを生きる10代は、そんなニュースとどう向き合っているのでしょうか。
1. 日野原楓さん「一旦離れる。気になるときは、理解できるまで調べる」
「ケータイやテレビを消したり、別のページに飛んだりして、一旦そのニュースから離れることが、応急処置になると思います。
でもやっぱり、一度ニュースを見ると、その内容が気になって、頭から離れないことも……。そのときはニュースの内容を、自分の中で理解できるまで調べるようにしています。
感情移入をして落ち込んでしまったときには、自分なりに改善策を考えたり、趣味の音楽を聞いたり、友人に『心が沈む報道があったんだ』と素直に伝えて話を聞いてもらったりして、自分なりにストレス発散をするようにしています」
2. 片山知香さん「ネガティブなニュースの中にある、ポジティブな側面を探すようにする」
「心が落ち込むようなニュースを見ると、どうしてもネガティブな気持ちになるので、その事実を違った側面から考えるようにしています。
例えば、学校での体罰があったというニュースなら、『生徒を思う気持ちが行きすぎて、手を出してしまったのかな』と考えたり、今起きているウクライナとロシアの戦争についても、ロシアの兵士が無差別に殺されていくウクライナ人を守ろうとしたという記事を読んで、ロシア兵全員がウクライナを潰そうと考えているわけではないと知ったり。
暗い気持ちになってしまうニュースでも、できる限り、ポジティブに受け取れるような側面を探そうと努力するようにしています」
3. 中村眞大さん「新聞で読むことで、事実とじっくり向き合うことができる」
「正直、嫌なニュースばかりで、自分自身、気持ちが沈むことも多いです。意識していることは、新聞でニュースを読むこと。悲惨なニュースであっても、SNSで目にするのと、新聞で目にするのでは、精神的負担が違う気がします。
少しでも被害者に非があると、まるですべてその人が悪いかのように徹底的に叩く人たちやマスコミ批判のリプライ、こじつけの陰謀論や探偵気取りの無茶苦茶な推理などが、インターネット上には多くあふれています。でも新聞の場合、そういった人の声に左右されず、ひとつのニュースにじっくり向き合える余裕が生まれる気がします」
4. さやかさん「当事者意識をもち、ときには友達とも話してみる」
「正しい言い方かはわからないけど、まずは『自分は当事者ではない』という事実を、ちゃんと認識するようにしています。そのうえで、もしも当事者だったらどうするか、どのように感じるか、このニュースを見て何を思うのかなど、いろいろ考えてみます。
無理して明るい方に持っていく必要もないし、かといって、感情移入しすぎて、自分に日常生活に支障をきたすのも、ちょっと違うかなって。もしそうなりそうだったら、情報を一旦遮断するのも手だと思います。あとは、同年代の友達とそのニュースについて話してみることで、少し気持ちが軽くなる気がします」
5. 三原真葉さん「距離感をもってニュースと向き合う」
「あえて遠ざけようとは思わないです。知らないほうが怖いと思うから。だからこそ、心にゆとりをもって、距離感を大事にして、ニュースを知ることが大切な気がします。
心にゆとりをもつためには、規則正しい生活を送ったり、自分の信頼している人と会話したり、大好きな音楽を聴いたり、そういう普段の生活で自分の支えになっているものが大事なんじゃないかなって感じます」
パーソナルなツールであるスマートフォンから、あらゆるニュースが飛び込んでくる時代。世の中で起こっていることを知ることももちろん大切ですが、自分のメンタルヘルスも同じように大切。5人のティーンの向き合い方を参考にしてみてください。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh