タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、ティーンたちの声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「2030年の地球」。SDGsは「2030年までに達成すべき17の目標」ですが、紛争や気候変動、ジェンダーギャップ……まだまだ課題が山積みです。ティーンたちは、未来の地球の、何に注目しているのでしょうか。そこで5名の10代代表に、「2030年の地球について、いちばん気になることは何ですか?」と聞いてみました。
1. ねんねんさん「戦争がなく、理不尽な死がなく、涙を流していない世界に」
「戦争が起こっている最近、特に平和について考えるようになりました。今から8年後の2030年には、本当に戦争がなく、理不尽な死がなく、涙を流していない世界になってほしい。環境問題についてももちろんですが、人が生きたいと思える世界を作っていく必要があると思います」
2. 則巻あられさん「ジェンダー問わず、温泉やトイレを心地よく使う方法って?」
「純粋に、温泉やトイレなどの男女区分がどうなるのか、気になります。今、世間では男女の格差を埋めようという運動が起こっていて、本来の男女平等のために多くの人が尽力しています。でも、温泉やトイレはどうしても悩ましいことがある。トランスジェンダーの男性が、女性トイレを使って通報されてしまったケースなどを鑑みると、どうしても男女を分ける必要があるのでは……と思ってしまったり。
でも、トランスジェンダーの方もそうでない方も、誰もが温泉やトイレを心地よく使う権利があります。この問題がどう解決していくのか、気になります」
3. 海音さん「2030年までにちゃんと地球と一緒にハッピーに生きられる社会に」
「いま、クライメートクロック(気候変動が後戻りできなくなるポイントと言われる「1.5℃の気温上昇」を防ぐために、世界の人々が残された時間をカウントダウンする時計)が、残り7年半を示しています。2030年までに、地球と一緒に人間がハッピーに生きられる世界に変わっていてほしいです。
あと日本でももっと、オープンに政治について話せるようになっていてほしいです」
4. もえぴいさん「絶滅危惧種の動物たちは、どうしてるんだろう」
「世界中の動物たちは元気にしているのか。すごく気になります。今、実際に私たちが関わっている動物はほんのごくわずかだと思うし、自分が知らない動物もたくさんいると思います。絶滅危惧種に指定されてる子もいるし、そういう子たちがちゃんと生きられているのかな……。
人間の住みやすさを求めた結果が、自然を壊すことに繋がっているし、今さら『もっと自然を大事に!』と訴えても、ここまで発展してしまっていると、難しいところはたくさんあると思います。でも、小さいことを意識するだけで、その積み重ねで、これからの地球がよくなればと思います」
5. みゆみゆさん「テクノロジーの進化で、つらい思いをする人が増えないか」
「2030年にはテクノロジーがさらに進化して、いろんな変化があると思う。それに合わせていかないと、ついていけなくなるだろうなぁと思います。すでに親世代が、子どもたちについていけていないと感じているので、これ以上、つらい思いをする人たちが増えないか心配です。
それに、2030年にはなくなっている仕事もあれば、新しくできてきている仕事もあると思う。そういうことを見据えて生きていかないとって感じます。今日、ロボットが接客をするレストランに行ったせいで、たまたまそう思うのかもしれません」
2030年まであと8年。地球は多くの課題を抱えていますが、今回アンケートを行ったティーンも、ひとりひとりが、自分の関心のある角度から問題意識を持って、良い未来に向けてできることを模索していました。
日々を生きるのも大変な時代ですが、『Steenz』でも、少し先の未来について考える機会をつくっていけたらと思います。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh