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学校も家庭がしんどい子はどうしたらいいの?子どもたちの第三の居場所づくりに奮闘する大学生【相笠美優・19歳】

学校も家庭がしんどい子はどうしたらいいの?子どもたちの第三の居場所づくりに奮闘する大学生【相笠美優・19歳】

気になる10代名鑑」の1012人目は、相笠美優さん(19)。子どもたちが生きやすい社会を実現するべく、中高生のための居場所づくりをおこなう団体を設立しました。中学時代の先生のいじめに真剣に向き合う姿に影響されて活動を始めたという相笠さんに、実現したいビジョンや将来の展望について聞いてみました。

相笠美優を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

中高生の居場所づくりをする学生団体『ゆるりば』を立ち上げ、学校や家でもない第三の居場所づくりに挑戦中です。

いまは8月からの始動に向けて、他団体に参加して運営のノウハウを学びながら、Instagramでの発信にも力を入れています。

中高生がふらっと立ち寄れて、家のように安心して過ごせる居場所づくりを目指しています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

中学で生徒どうしのいがみあいやいじめを目の当たりにして、学校が居場所だと感じられなくなりました。その実態を何度訴えかけても、見て見ぬふりをする先生も多くて。

でも、中学3年生のときの担任の先生が、いじめを決して許さないという気持ちを正面から伝えてくれたんです。先生自身いじめを受けた経験を打ち明けてくれたり、放課後教室に最後まで残って生徒が相談しやすい環境づくりをしたり、いじめをなくすために真剣に向き合ってくれる姿に影響を受けました。先生との出会いが、わたしの活動の原点ですね」

Q3. 活動する中で、印象的だった出会いは?

「他団体の活動でのやんちゃな男の子との出会いです。

初対面のわたしにも懐いてくれてコミュニティのなかに迎えいれてくれたのが、とても嬉しかったんです。でも、他の子と話すわたしを見て寂しげな表情をしていて。活動後『彼は親から十分な愛情を受けていない』と聞いて、他の子と違い、赤の他人のわたしにも愛を求めなくてはいけない現実に切なくなりました。

その現実を目の当たりにして、子どもたちの行動や表情の背景まで気を配れる関係性の大切さに気付かされました」

 

 

Q4. 活動を通して、実現したいビジョンは?

「学校や家庭でしんどい思いをしても、第三の居場所を糧に『明日も頑張ろう』と思える環境づくりを通して、子どもたちが生きやすい社会を実現させたいです。

あとは、いまの全体主義的な教育のシステムや先生たちの余裕のなさがいじめや不登校の問題を生んでいるのかもしれないと思っていて。

たとえ子どもたちが頑張って学校に行ったとしても、学校自体が変わらなければその子の勇気が打ち砕かれてしまうし、忙しい先生たちには子どもたちのSOSが届かないかもしれません。そういった社会の根本を変えていきたいと思っています」

Q5. 将来の展望は?

「8月に始動する『ゆるりば』の活動を通して、子どもたちに第三の居場所を提供したいです。活動開始にあたって、中高生向けに流しそうめんやかき氷を食べながら映画鑑賞をするイベントを開催するので、いまはそのための準備に奮闘中です。

大学では社会学や教育学など幅広く学んで、子どもたちが生きやすい環境を実現するために、不登校やいじめを助長している社会の根本にアプローチしていこうと考えています。」

 

相笠美優のプロフィール

年齢:19歳
出身地:福島県いわき市
所属:青山学院大学 コミュニティ人間科学部、青山学院大学学生団体「ゆるりば」代表
趣味:バレーボール観戦
特技:探究活動
大切にしている言葉:「ほんとうに他人の人柄がわかるのは、その人と大喧嘩したときだということです。そのときこそ、そしてそのときはじめて、その人の真の人柄が判断できるんです。」(アンネ・フランク)

相笠美優のSNS

★Instagram

Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa

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