Teen's Snapshots

「このままでいいのか?」進学校を飛び出した僕が“新しい高校”をつくる理由【曽田 柑・17歳】

「このままでいいのか?」進学校を飛び出した僕が“新しい高校”をつくる理由【曽田 柑・17歳】

「気になる10代名鑑」の964人目は、曽田 柑さん(17)。進学校の空気に違和感を抱いたことをきっかけに、教育改革に情熱を燃やしています。当事者として教育の力で日本を動かそうとする曽田さんに、活動への思いや成し遂げたい未来について話を聞きました。

曽田 さんを知る5つの質問

Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?

高い志を持つ生徒が自由に学べる、新しい高校を構想中です。

どんな高校を考えているかというと、少人数で密なコミュニティを形成し、豊かな情報や仲間に出会える場所です。

僕が以前通っていた都立西高校には、模擬試験で全国上位に名を連ねたり、英語を当たり前に話せたりするような、能力に秀でた生徒がいました。そういった高い能力を持った10代が、大学入試ばかりを絶対視するのではなく、幅広い視野で自分の取り組みたい課題に取り組めるような環境を作りたいと思います

Q2.活動を始めたきっかけは?

アメリカの西海岸のカルチャーを身をもって体感したことが、活動の原点です。

中学は首席で卒業してしまうくらい、本当に突然勉強にハマったんです。そこからもっと面白いひとに出会いたくて、西高の名で知られる都立西高校に進学したんですが……。でも思っていたのとは違う学びが待っていました。もちろん面白い学びもあったけれど、学校も生徒も、あくまで僕から見たらの話ですが、大学受験の方向に向いているようで……。

転機は、高1の夏にアメリカの西海岸に叔父と訪れたことでした。GoogleやAppleの本社を巡り、自由で風通しのよい、失敗を前向きに受け入れる文化に衝撃を受けて。スタンフォード大学の中庭に『絶対にここに戻ってくる』と誓ったあの瞬間が全ての始まりでした。

帰国後は、そのまま学外の活動にのめり込んでいきました。西海岸で感じた『人間らしい学び』や『自由な選択』を日本の教育でも実現したいという強く思うようになって。学外の活動に真剣に向き合うほど、西高の環境にギャップを覚えることになり、通信制のゼロ高等学校への転校を決意しました

Q3.活動する中で、印象的だった出会いは?

起業支援プラットフォームを運営する、一般社団法人ウィルドアの竹田和広さんから連絡をいただいたことです。。

竹田さんとの出会いは、今年の2月に行われたMakers University U18の二次面接でした。でも、当時の僕は熱を持てる活動が何もなく、惰性で面接を受けていて……。それを見抜かれてしまい、結果は不採択だったんです。

その1か月後に自分の思いを綴ったnoteを公開したら、その後、竹田さんから直接連絡をいただいたんです。。Makersには不採択であったものの、この投稿をきっかけにMakersの採択者と一緒に活動するご縁をいただきました。

また、高校生を中心に約40人から連絡を受け取りました。そのなかには、西高出身のOBもいて、厳しい受験勉強の末に名門大学に入るという、いわゆる王道ルートを経験してきたひとからも賛同のコメントをいただけたことは驚きました

Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?

高い志を持った高校生が寝食を忘れて活動に全力投球できるような未来です。

教育は社会の根幹を担っていると考えています。だからこそ、日本中の高校生に受験勉強以外の選択肢があることを知ってもらいたいんです

Q5.今後の展望は?

僕は人生を賭けて日本の教育改革に取り組むつもりでいます。その仕事を、心の底から笑顔でしたい。日本に眠る優秀な学生が視野を狭めることなく、強い好奇心を持って活動できる未来を作りたいです。

その手段のひとつして、スタンフォード大学への進学を目指すという挑戦もしています。成功者が支援者となり、次の世代の挑戦者を支援することでイノベーションが連鎖的に生まれる。高校1年生のときに感じた、あのシリコンバレーの循環型エコシステムを、今度は大学生活を通して肌で感じることで、日本の教育も丸ごと変革するようなひとになりたいと考えています

曽田 のプロフィール

年齢:17歳
出身地:東京都墨田区
所属:ゼロ高等学院、未踏ジュニア、iGEM Grand-Tokyo、東京大学GSC、Stanford e-Japan
趣味:読書
特技:挑戦
大切にしている言葉:70年後、死ぬ時に後悔しないか?

曽田 柑のSNS

Photo:Someya Kaori
Text:Taisei Sawamura

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