Teen's Snapshots

アフリカのステレオタイプをなくしたい。ルワンダで教育活動を行う高校生【稲本遥・18歳】

アフリカのステレオタイプをなくしたい。ルワンダで教育活動を行う高校生【稲本遥・18歳】

「気になる10代名鑑」の942人目は、稲本遥さん(18)。ルワンダの子どもたちの識字率向上を目指して、これまでに計2回現地に赴き、活動してきました。ルワンダを知ることでアフリカのステレオタイプがなくなったという稲本さんへ、活動を始めたきっかけや、その原動力について詳しく伺いました。

稲本遥を知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください

日本ルワンダ学生会議』という団体に所属し、日本人とルワンダ人の相互の理解を深めるための活動を行っています。特に、現地の子供たちの識字率向上に貢献したいと考えていて、高2・高3の計2回、それぞれ一週間ずつルワンダの農村部の学校に行きました。2回目がちょうど一昨日終わって帰国したところで、今回もアルファベットとひらがなの読み書きを教えてきました。

日本と違って、ルワンダでは全員が当たり前に学校に通えるわけではありません。それにもかかわらず、文字が読めないせいで満足に勉強できず学校を辞めてしまう子どももいます。このような、環境を理由に学ぶことを諦めないといけない子どもを減らしたいという気持ちで、活動に取り組んでいます」

Q2.活動を始めたきっかけは?

高校内の『国際交流ボランティア』というコミュニティに入り、そこでルワンダへの募金活動を行うことになったことがきっかけです。

この団体に入るにあたって、動機と言えるものは海外に興味があったことくらい。ルワンダという国名もあまり聞き馴染みが無かったんです。だからこそ、なぜ支援が必要なのかをしっかり知らないと募金活動は行えないと思い、まずルワンダの歴史や現状について勉強をしました。

アフリカの中でも近年発展が著しい国なのですが、農村部はまだ未開発な部分が多く、学校経営が難しいので教育も行き届いていない。そのような理由で、募金をしてほしいとのことでした。

それまではアフリカに対して発展途上だという漠然としたイメージを抱いていましたが、ルワンダについて詳しく学んだことで、実際に自分の目でこの国を見てみたいという気持ちになり、留学を決意しました

Q3,活動をする中で印象的だったことは?

「現地の学校では、幼稚園のような大きさの校舎で、高校生までが学んでいいます。学年と実年齢がバラバラで、なかには20歳くらいの高校生もいます。みんな明るくいい子たちばかりで、好きな音楽のことや日本について、他愛のない会話がたくさんできて楽しかったです。特に嬉しかったのは、2度目に訪れた際、以前私たちが作った読み書き用の表をまだ掲示してくれていたことですね。

でも、成功体験ばかりでもなくって。現地からの情報は最新のものでも半年から1年前のものしか得られないのですが、アルファベットを読めない生徒が多いという情報を頼りに準備したものの、実際は1年足らずで、読み書きできる子は予想以上に増えていました。

いまの時代はSNSもあるし、もっと現地の先生と密にコミュニケーションを取っていたら、最適な授業を届けられたはずだなと学びもありました

Q4.影響を受けた人物は?

「高校のボランティア団体の顧問の先生と、ルワンダで支援活動をしている日本人の皆さんです。

先生はいつも『目的は何?』と聞いてくるんですけれど、その言葉の裏にはゴールをはっきりさせて、行動の過程にきちんと意味をもたせるっていう意図があって。そのおかげで、アクションを起こすときに『ルワンダの子どもたちのために、それは本当に必要なことなのだろうか?』と考える癖がつきました。

また、ルワンダで出会った、JICAで現地採用されたひとや、国連で働いているひとは、共通してルワンダに対して熱い思いを持っていて。多忙な日々を何年も続けるなか、支援活動を”やってあげる”じゃなくて、隣人を助け合う感覚で行動している姿をとても尊敬します

Q5.将来の展望は?

「大学在学中にJICA海外協力隊に入り、ルワンダで教育活動を行いたいです。将来は、JICAか国連の職員として働きたいと考えています。

ルワンダのこの30年間での急速な発展は、支援も大きなウエイトを占めていますが、現地のひとのエネルギーと努力の賜物だと思います。この魅力的な国が完全に自立するための力添えをしていきたい。

そして、私が活動を通じてルワンダに対する認識を改めたように、アフリカ=貧困という、日本人が持つステレオタイプを打破したいです

稲本遥のプロフィール

年齢:18歳
出身地:東京都三鷹市
所属:立教大学文学部教育学科、日本ルワンダ学生会議
趣味:スポーツ(ラクロス)
特技:世界に通ずるコミュ力
大切にしている言葉:とりあえず行動

Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa

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