Steenz Breaking News

子どもの「読書体験格差」解消をめざして。まだ間に合う、12月のブックギフト月間!【Steenz Breaking News】

子どもの「読書体験格差」解消をめざして。まだ間に合う、12月のブックギフト月間!【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、子どもの読書体験の機会を増やす「ブックギフトプロジェクト」についてご紹介します。

読書離れが問題視される昨今でも、子どもの読書量は増加

多忙やSNS使用時間の増加などを理由に、読書離れが進んでいる、という話を耳にするようになりました。しかし、そのような話が広まる一方で、「子どもの読書量は増加傾向にある」という、興味深い調査結果も出ています。

全国学校図書館協議会が毎年おこなっている「学校読書調査(2024年)」で1か月(5月分)の平均読書冊数を見てみると、小学生は13.8冊、中学生は4.1冊、高校生は1.7冊。なかでも小学生の平均読書冊数は、過去最多でした。ちなみに、中学生も増減を繰り返しながらではありますが、少しずつ増えています。とはいえ、なかには経済的な問題や家庭環境などを理由に、読書体験の機会を得にくい子どもがいることも事実です。

しかし最近は、そんな子どもたちのために活動する企業や団体も増えてきました。

読み終えた本を送ると子どもたちの支援につながる「ブックギフトプロジェクト」

古本の買取や販売をおこなう株式会社バリューブックス(以下:バリューブックス)では、2009年から「ブックギフトプロジェクト」という活動に取り組んでいます。

ブックギフトプロジェクトとは、古紙回収にまわる予定であった本を活用し、必要としている子どもや場所に届ける活動です。これまでに、約61,747冊の本を届けており(計測を開始した2017年以降の冊数)、2024年は学校や保育園に5,183冊、NPOに3,028冊、そして能登半島地震の被災地へ709冊を届けました。この数字は、例年を上回る冊数だそうです。

また、実際に本が届いた家庭からは、「収入が少なく、本をなかなか買えないので嬉しい」や「本を買う余裕がないことに加えて、子どもが小さいため本をかじってしまう心配があり、図書館を利用するのも抵抗があった。だから、ありがたい」といった内容の声が届いていると言います。

12月は「ブックギフト月間」!

バリューブックスでは、子どもたちの読書体験の格差を埋めるべく、活動のさらなる促進にも力を入れています。そのひとつが、12月の「ブックギフト月間」です。この期間に本の買取申し込みをすると、査定分の金額を受け取れるだけでなく、金額の10%分をプロジェクトの活動費用として寄付できます。

寄付分の金額は、バリューブックスが負担する形で運用されているので、自身が受け取る額は減らずに、なおかつ寄付もできるのは嬉しいですね。ちなみに、長野県上田市にある倉庫には、毎日約2万冊の本が届くそうです。届く本の冊数から、利用者の多さやサービスへの信頼の厚さがうかがえます。気になる方は、バリューブックスのサイトをのぞいてみてください。18歳未満および高校生は買取の申し込みができませんが、保護者からの代理申し込みが可能とのことです。

多くの子どもたちが素敵な読書体験をできるように

読書によって知識を得られたり、文章力が向上したり、といった効果が期待できますが、それ以上に、素敵な本との出会いは心を豊かにしてくれます。子どもの頃に読んだお気に入りの本が、成長したいまでも記憶に残っている、という方も多いのではないでしょうか。そのような体験を、多くの子どもたちができるようになることを願いたいですね。年末も近いため、大掃除をする方も多いでしょう。もし手放す予定の本があるのであれば、ブックギフトも選択肢のひとつに加えてみてください。

Reference:
「学校読書調査」の結果|公益社団法人 全国学校図書協議会

Text:Yuki Tsuruda

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

View More