「気になる10代名鑑」の805人目は、笹岡岳史さん(17)。子ども食堂を立ち上げて、地域の子どもたちやその保護者の方々の支えになる活動をしている笹岡さんに、詳しい活動内容やこれからの目標について、聞いてみました。
笹岡岳史を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「2023年8月、学生の仲間たちと協力して、江東区に子ども食堂『りとるふぉれすと』を設立して、その運営をしています。月に1回、地域の子どもたちやその保護者を対象に開催して、栄養に配慮した食事の提供と、子どもたちや保護者の皆さんが交流できるような場をつくっています。
子どもに焦点を当てた活動に力を入れていきたくて、こども食堂は、その第一歩として始めたものです」
この投稿をInstagramで見る
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「もともと子ども食堂のボランティアをしていたのですが、あるとき、子ども食堂にきていたお母さんに、『子育てについてどうしたらいいかわからない中で、いろいろな方とお話できるこども食堂はすごく大きく、感謝しかないです』と言われました。
その言葉を聞いて、嬉しさと同時に、人が困っているいるかどうかは、表面だけを見ていたらわからないなと実感しました。そこから、困っている人もそうじゃない人も安心して来られる場所で、困っている人の助けになっていけるような環境を自分でもつくって、もっと近くで見ていきたいと思うようになって、こども食堂の立ち上げにつながりました」
Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「高校1年のとき、担任の先生に『このまま子ども食堂の活動していても、きっとうまくいかない。普通に勉強して大学に行きなさい』と言われたんです。そのことが逆に、『そこまで言われるならやってやろう』と自分の活動に火をつけました。
僕以外にも、大学に進まず、独自の道で挑戦したいといっていた友達も『大学に行ったほうがいい』と言われている人は多くて。柔軟性のない発想に、どこか違和感を覚えました。
その経験から、何かに挑戦したいときに、否定をするのではなくて、応援できるような人間になりたいと思うようにもなりました」
Q4. 新しく始めたことはありますか?
「子ども食堂とは別に、『ファックアップ・ナイト』という団体を始めようと思っています。『ファックアップ・ナイト』というのは、もともとアメリカやメキシコなどで、スタートアップで挑戦する若者たちが、夜にバーで飲みながら、失敗談を話し合っていたのが始まりのカルチャーなんです。日本ではあまり知られていないのですが、世界的に流行している動きです。
失敗をさらけ出して、それを共有して、そこから学びを得られるようなコミュニティがあったらいいなと考えていて。何かに挑戦したくても、なかなか踏み出せない人たちが、失敗を恐れずにどんどんチャレンジしていって、たとえ失敗したとしても、コミュニティの人たちとわかち合って、よりよいものにしていけるようになれるといいなと思います」
この投稿をInstagramで見る
Q5. 将来の夢は何ですか?
「日本だけでなくて、世界のどこに住んでいる子どもたちが、やりたいことを思う存分できて、それをみんなで応援できるような社会をつくれる人間になりたいです。
この理想を実現させるためには、いろいろなアプローチがあると思いますが、ソーシャルビジネスに興味があるので、自分でも挑戦や研究をしていきたいと思います」
笹岡岳史のプロフィール
年齢:17歳
出身地:千葉県木更津市
所属:千葉県立木更津高校、子ども食堂りとるふぉれすと
趣味:バレーボール
大切にしている言葉:Do what you feel in your heart to be right – for you’ll be criticized anyway. (あなたの心が正しいと思うことをしなさい。どっちにしたって批判されるのだから)エレノア・ルーズベルトの言葉
笹岡岳史のSNS
この投稿をInstagramで見る
Photo:Nanako Araie
Text:Haruhi Hirayama