「気になる10代名鑑」の763人目は、下口素輝さん(17)。高校1年生からケニアやタイでボランティア活動をおこない、自身でもボランティア団体の運営をめざしています。ボランティア活動での楽しさが動機になっているという下口さんに、活動をするうえで大切にしていることや今後の展望について詳しく聞いてみました。
下口素輝を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れていることは?
「社会問題を自分ごとに捉えてもらう機会をつくるために、誰でも参加しやすいボランティア派遣団体の運営をめざして、活動をしています。
世界にはいろいろな問題があふれているけれど、関心の度合いは人それぞれだし、きっかけがないせいで、関心をもたない人もたくさんいると思うんです。
でも、ボランティア活動をするだけで、視点が変わるんです。お金やスキル、知識がなくても気軽に参加できるボランティアを世の中に広げることで、社会問題をより身近に感じてもらい、ソーシャルアクションを主体的にできる人を増やしていくきっかけになればいいなと思って、活動しています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「ボランティアに友達を誘ったときに、『面白くなさそう』『なんか怖い』と断られてしまって。
自分自身は、環境保護ボランティアのために行ったケニアや、タイでのボランティア研修で、密猟や貧困の問題を目の当たりにして、刺激をたくさん受けて帰ってきたので、ボランティアは楽しいものだと思っていました。でも友達のその言葉を聞いて、ボランティアにハードルの高さを感じている人もいることに気がついたんです。
そこで、知識なしで体験できるボランティアの魅力を、もっと社会に広めたいと考えるようになりました」
Q3. 活動するうえで、大切にしていることは?
「当事者のニーズをしっかりと理解することです。ボランティアをする人の多くは当事者ではないので、自分の思い込みや自己判断で活動をしてしまうと、当事者の方が必要とするお手伝いができずに終わってしまったり、知らぬ間に傷つけてしまったりしてしまいます。
そうならないように、当事者の方にたくさん質問して、対話を重ねることを意識しています」
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Q4. 影響を受けた言葉は?
「『NPO法人クロスフィールズ』という企業の理念である”社会問題が解決され続ける社会”という言葉に影響を受けました。
高校1年生のときは、貧困問題に注目していましたが、ひとつの問題の解決策だけを考えることが腑に落ちないことがよくあって。そんなとき、この言葉に出会って、社会問題を解決する側ではなく、社会問題を解決する人を増やす人になる、という道を見つけることができました。
自分の本当にやりたいことを見つけるきっかけになったので、僕にとって大切な言葉です」
Q5. 今後の展望は?
「将来は、誰でも気軽に参加できるボランティア派遣団体を運営して、ボランティア活動の楽しさを世の中に広げていきたいです。社会問題を解決する一員として運営ができれば、既存の団体に入るという選択肢でも良いと思っています。
ひとつのことに拘らず、常に新しいことにチャレンジすることが好きなので、これからもボランティア活動を通じて、世界を回って、いろいろな背景の人に会い、多くの人を巻き込むボランティアのかたちを模索していきたいと思っています」
下口素輝のプロフィール
現在の年齢:17歳
出身地:埼玉県朝霞市
所属:聖学院高等学校global inovation class、学生団体育成草、アルプス子ども会
趣味:音楽鑑賞(Kpop・邦ロック)
特技:四足歩行
大切にしている言葉:「0より1」
下口素輝のSNS
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photo : Nanako Araie
text: Mizuki Maeda