タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「政治不信」について。いわゆる「裏金問題」をはじめとしたスキャンダルや、そもそもの構造などについて、明るい話題が少なく、ネガティブなイメージが強い日本の政治。いまを生きる10代は、政治に対してどのような印象をもっているのか、そもそも政治や選挙活動に興味や関心はあるのか、参加したいと思うのかなど、5人のティーンに率直な意見を聞いてみました。
1. 江澤哲哉さん「政治には興味があります。クリーンで、未来のためになる政治をしてほしいです」
「政治には興味があります。来年から選挙権を得ることができるので、真剣に参加していきたいです。
身近な人でも、政治についての情報をインスタで発信しています。環境問題に関わる人の多くがフィルターバブル状態になっていると感じていて、環境×政治という視点だけに、意見が偏ってしまっていると思っています。だからこそ、身近な情報だけに左右されないように気をつけています。
情報収集は、中田敦彦のYouTube大学をみたり、街頭演説している議員さんから話を聞いたり、活動する中でお会いした議員さんに話を聞いたりしています。気候変動対策について、それぞれの人の見や政策を聞いたりして、党の特徴と熱意をリサーチしています。お金のことにクリーンで、未来のためになることをして、意見をしっかりと聞いてくれる政治であってほしいです」
2. 髙橋由衣さん「若者の意見を取り入れてくれる方や政党を支持したいです」
「政治に関する、悪いイメージのニュースをよく目にしていることもあって、日本の政治全体に、あまりいいイメージがありません。
特に議員全体で見ると、年齢がとても高い印象で、若者の意見を上手に汲み取ってくれていないように感じています。わたし自身、選挙権がない年齢なので、地元でも、よく知らない議員さんが、ずっと議員を続けているイメージがあったり……。
選挙権をもてる年齢になったら、若者の意見をしっかりと取り入れてくれる方を支持したいです。もし、そういう方がいないと感じたときには、自分が立候補して選択肢を増やす未来も考えていきたいと思っています」
3. スティーン・カレンさん「革新的な変化をもたらす政策をしてほしい」
「政治にはすごく関心があります。まだ有権者ではないですが、政治に関するニュースは隈なくチェックしています。来年になったら、選挙権がもてる年齢になるので、選挙にしっかり行きたいと考えています。
その理由は、国政も含めて、いまの政治に対して不信感を抱いてしまっているからです。海外と比べていまの日本は、円安や物価高騰、急速な少子高齢化など、いろんな課題が多くあると思っていて。もっと革新的な変化をもたらす政策を実施して欲しいです」
4. 金谷来音さん「ひとりひとりが思い合い、社会全体で積極的に政治活動に取り組む必要があると思います」
「あまり現代の政治に信頼はないです。国の雰囲気自体が良くないと感じることもあって、政治は国同士の関係性にしか目を向けられていないと思ってしまうことがあります。国民の細かい問題に対して十分に応えられていないことや、批判の声が目立ってしまっている気がして……。政府も国民も、社会全体で積極的に興味関心を示す姿勢が必要だと感じます。
きれいごとなのかもしれないけど、政治家も国民も、ひとりひとりが人を思い合うのが大事だと思っています。そのためにも、選挙には目を向けていきたいです」
5. 瀬川悟さん「不信感がある一方で、政治が未来を変えるプロセスであることは理解しています」
「政治不信という言葉に象徴されるように、政治については不信感を抱くことが多いです。特に、政治家の不正や不透明さに対するニュースを見ると、政治への信頼が揺らぎます。政治や選挙に対して、自分が直接的に影響を与えることが難しいと感じてしまうためか、政治に対する関心が薄いです。その一方で、自分たちの未来を決める大切なプロセスであることは理解しています。
選挙権が与えられたときには、もっと積極的に選挙に参加していきたいです、特に、AIやテクノロジーが進化する中で、新しい視点からの改革が求められるとも感じています」
選挙権をもっていない10代ではありますが、日本の政治に関して、強い興味と関心があることがわかりました。18歳になったら、自然と選挙に行って、政治参加をしたいと考えている10代は多いようです。同時に、政治に対して不信感を抱いていることも事実であり、将来に変革を持たせられるようなクリーンさが強く求められていることがよくわかります。
Photo:Eri Miura、Nanako Araie
Text:Serina Hirano