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富士山にはこれまで7回登頂。大自然の中で子どもたちへの自然体験を提供する大学生【ヒカリ・19歳】

富士山にはこれまで7回登頂。大自然の中で子どもたちへの自然体験を提供する大学生【ヒカリ・19歳】

「気になる10代名鑑」の611人目は、ヒカリさん(19)。慶応義塾大学総合政策学部に通いながら、富士山周辺で活動する「野外学校FOS」で、子どもたちに自然体験を提供しています。最近は歌うことに挑戦しているというヒカリさんに、活動をはじめたきっかけや、これまでの印象的な出来事について、聞いてみました。

ヒカリを知るための5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「慶応義塾大学総合政策学部の1年生です。自然と人が調和する社会について勉強しています。

学業とは別に、休日や長期休みを使って、山中湖を拠点に活動する『野外学校FOS』という団体に参加して、子どもたちに自然体験を提供するスタッフとして活動しています。富士山にはこれまで7回登頂していて、月に1回くらいで通っています。何度行っても、毎回違う富士山に出会えるんです。

大切にしていることは、子どもたちの顔をよく見て、しっかりと話を聞くこと。そして、自分自身も楽しむことです」

Q2. 活動を始めたきっかけを教えてください。

「『野外学校FOS』は、両親が運営する教育団体なんです。小さいときから、富士山の麓で走り回ったり、ホームスクーリングで親戚のいる北海道に行ったりと、大自然に囲まれて過ごしてきました。だから、ずっとが自然な好きことが、活動をしている理由だと思います。

そんな自然の中で、肩車をしてもらったり、ひたすら鬼ごっこをしてもらったりした記憶があって。小さいときに自分に関わってくれた大人たちが、真正面から向き合って遊んでくれたように、わたしも優しくて追いかけたくなるような背中でいたいと思っています」

Q3. 活動をする中で、印象的な出来事は?

「昨年の5月、林間学校でスタッフとして富士山に登ったとき、中学2年生と一緒に自然の中を駆け回って遊んだのですが、そのうちのひとりが帰り際にボソッと『人間っていいですね』って言ってくれて。

自然の中では、つらそうな人がいると、自然と『大丈夫?』『荷物持とうか?』という声がけが生まれたりと、必然的に助け合う環境になります。それに、厳しい環境に馴染もうと、人間が自然の一部になる感覚、つまりは生きている実感みたいなものも生まれてきて……。その中学生の言葉を聞いて、こういった自然と触れ合える時間って、いまの社会に必要なことなんだろうなと改めて気付かされました

Q4. 最近始めたことを教えてください。

17歳のときから、歌うことを始めました。いまは、人前で披露する場所を増やしていく準備をしています。

あるとき、好きなコードに合わせて歌っていたら、既存の曲を歌うよりも、心地よく歌うことができて。始めたばかりのギターも楽しく続けられていて。いまでは歌が自己表現としてのツールになっています。

あと、大学で出会えた多彩な仲間たちと、映像作品をつくりました。自然の中で遊ぶことも、わたしにとっては創作活動とか、美的体験に近いものがあって。この世界の美しさを感じて、二項対立する自然と社会をあなたなりの感性で繋げてみてほしいというメッセージを込めています」

Q5. 今後の展望を教えてください。

わたしの歌を聞いて、優しいこころが循環していったらいいな……。そんな想いをもっていますが、具体的にはまだ迷い中です。

小さいときから、自然という悠久の流れの中に身を委ねて、奥深さを体感して育ってきましたが、もっとたくさんの人に、この素晴らしさを知ってもらいたいと思っていて。まずはまわりの友だちを週末に自然へ連れていくことから始めています。いまは動きながら、時期に自分に合うものを見つけていけたらと思っています」

ヒカリのプロフィール

現在の年齢:19歳
出身地:神奈川県三浦郡葉山町
所属:慶應義塾大学総合政策学部、野外学校FOS
趣味:ピュアなものと出会うこと
特技:即興で歌をつくること
大切にしている言葉:なにものにもならないで

Photo:Eri Miura
Text:Atsuko Arahata

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Atsuko Arahata

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