タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「テレビ視聴」について。年末年始にかけてたくさんの特番や、ドラマの再放送がされていました。最近では、オンタイムで視聴できなくても、見逃し配信で後から追いかけて観ているという人も多いのではないでしょうか。一方で、公式・非公式を問わず、番組の一部を切り抜いた動画をSNSで見かけることも増えています。そこで、”テレビ離れ”しているといわれる10代のテレビ視聴のリアルについて、4人のティーンに聞いてみました。
1. おさむさん「見逃し配信は週2〜3回ほど利用中。切り抜き動画からフル再生することも」
18歳。トヨタの創業者である豊田佐吉さんに影響を受け、さまざまなイベントやインターン、ビジネスコンテストといった課外活動に積極的に参加。
「見逃し配信は、週に2、3回くらいは観ていると思います。アニメやドラマが多くて、最近だと『SPY×FAMILY』と『下剋上球児』を観ていました。両親はもっとテレビを観ているし、見逃し配信も使っていると思います。でも、僕自身や同じくらいの世代の人間は、オンタイムでテレビを見るよりも、YouTube や見逃し配信、サブスクを使っているイメージがあります。
切り抜き動画は確かに便利で、ついつい見てしまいます。アルゴリズムとかで流れてきちゃうんですよね。切り抜きを観て面白そうだと思ったら、フル再生で見たくなって、見ることもあります」
2. SERUCHOCOさん「基本的にドラマは見逃し配信で観ます。公式のインスタは必見！」
18歳。教育系団体『Sentliber』の代表。カナダの高校に通った経験を活かした発信なども行なう。
「録画もしますし、TVerもよく使っています。オンタイムで観ると、CMを飛ばせなかったり、自分の好きなタイミングで観られないので、いつも録画かTVerで観ています。最近だと『いちばんすきな花』、『コタツがない家』、『下克上球児』、『マイ・セカンド・アオハル』を見ていました。ドラマが多いですね。
切り抜き動画もよく見ています。観たい番組や映画を探すのに便利なので。『いちばんすきな花』は公式のInstagramで共感したシーンが投稿されていて、そこから本編も気になって継続視聴しました」
3. 渡邉ひまりさん「切り抜き動画をよく観ます。それだけで満足しちゃうことも」
19歳。SDGsを軸に、食品ロスや環境問題などの側面からさまざまなアクションを起こしている。
「見逃し配信、けっこう利用していますね。観たいときに自分のタイミングでスマホから観られるので、便利です。切り抜き動画については、本編の宣伝として、とても上手な方法だなと思いますが、正直、切り抜き動画だけで満足できちゃうこともあって……。もちろん、それで興味をもって、本編を見たいなって思うものもあるけど、暇な時間が多いわけじゃないので、切り抜き動画で済ませちゃうこともあります」
4. 横濱奏恵さん「時間がなくてテレビは観ません。違法の切り抜き動画はよく見かけます」
16歳。学業の傍ら、貧困や政治、ダイバーシティなど、さまざまな分野の活動にチャレンジ。
「見逃し配信はあまり使っていないです。普段、学校と課外活動に追われていて、テレビを観る時間はないですね。切り抜き動画はSNSでよく見かけますが、公式ではない、違法にアップロードされているものが多い印象です。そういうのを見かけると、正直、リテラシーが低いなって思っちゃいます。いまどき、小学生でも無断転載ダメって習うのに。インスタなどで流れてくることはありますが、あまり良くないものだと思っています」
見逃し配信をよく使っているという声が上がる一方で、忙しすぎてテレビを見る時間がないという声も聞かれました。また、切り抜き動画については、やはり10代の視野には確実に入っている様子。公式アカウントの切り抜き動画の投稿から、本編の視聴につながったという実体験もある一方、非公式の切り抜き動画の拡散には、ポジティブではない印象を抱えている人もいました。テレビを取り巻く環境が、ひと昔前とまったく変わっていることが、10代の声からもよくわかります。
Photo：Eri Miura
Text：Ayuka Moriya
