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日本科学未来館の常設展示がリニューアル。「気候変動」と「老い」…これからの社会を考えるうえで重要なテーマを体感【Steenz Breaking News】

日本科学未来館の常設展示がリニューアル。「気候変動」と「老い」…これからの社会を考えるうえで重要なテーマを体感【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、東京・お台場にある日本科学未来館のリニューアルされた常設展示の中から「地球環境」と「老い」のコーナーをご紹介します。

環境問題を自分ごとにする「プラネタリー・クライシス -これからもこの地球でくらすために」

最新のテクノロジーについて、体験しながら学べる博物館として、これからの時代を生きる10代にとっても、興味深い展示がたびたび催されている日本科学未来館。この度、7年ぶりの大リニューアルがおこなわれ、2023年11月22日(水)から、常設展示が新しくなりました。

前回の「ロボット」のエリアに続いて、今回は「地球環境」「老い」をテーマにしたエリアをご紹介します。

日本科学未来館の常設展示がリニューアル!ロボットと暮らす未来を考える【Steenz Breaking News】
日本科学未来館の常設展示がリニューアル!ロボットと暮らす未来を考える【Steenz Breaking News】
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、東京・お台場にある日本科学未来館のリニューアルされた常設展示の中から「ロボット」に関する展示をご紹介 […]
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「プラネタリー・クライシス -これからもこの地球でくらすために」エリア

「プラネタリー・クライシス -これからもこの地球でくらすために」は、その名のとおり、「地球環境」をテーマにした常設展示。地球環境、主に気候変動とくらしを多角的に見つめ直せる展示を通して、クライシスの原因はわたしたちにあり、主体的に解決をさぐる主体もわたしたちであることを理解することを目的に、3つのエリアから構成されています。

「地球の旅に出る」の大型映像シアター

ゾーン1では、「地球の旅に出る」として、没入感のある大型映像シアターコーナーに入り、地球環境をさぐる旅に参加します。太平洋の島国「フィジー共和国」は、海面上昇などの気候変動の影響を受け、今まさに危機が迫っている場所。現地の方の証言を元にした再現映像が、振動や熱、風などとともに体感でき、自分ごととして迫ってきます。

ゾーン2「変わる地球の今に触れる」

ゾーン2の「変わる地球の今に触れる」では、気候変動の大きな原因である二酸化炭素排出量の違いを国ごとに見せる展示や、排出量を大幅に削減できた場合とできなかった場合の、海面上昇の違いを体験できる展示が登場します。

さらに、ゾーン3では「くらしと地球を見つめる」として、もう一歩深堀りし、わたしたちのくらしが、地球環境にどのような影響を与えているのかを考えることができる展示になっています。順番に見ていくことで、少しずつ自分なりの考えができていくかもしれません。

最後には、環境への影響を減らすための具体的なアクションの紹介や、気候変動を緩和するためのアイデアを投稿できるコーナーがあります。すでに活動を起こしている人や、他の来館者の意見を見て、自分だからできることを探してみましょう。

誰もが関わることになる「老い」に焦点を当てた「老いパーク」

ゾーン3「老いパーク」エリア

そして、今回のリニューアルの中でも、異質に感じるテーマ、「老い」。10代にとっては、老いを実感するのはずいぶん先のことですし、ピンとこないかもしれません。しかし、超高齢社会である日本では、数人にひとりが高齢者であり、「老い」に触れ合う機会は多いはず。そして、誰にでも「老い」は訪れます。

そんな身近にありながらも、当事者以外はなかなか実態を知ることが少ない「老い」について、体に何が起きているのか、そして、その変化を助ける技術も誕生していることなどを実感できる展示が「老いパーク」です。

ゾーン3「3つの○○なテレビゲーム」

目、耳、運動器、脳の老化現象を、ゲーム感覚で疑似的に実感できるコーナー。「年をとると、こんなふうになるのか!」と驚くこと間違いありません。しかし、ただ訪れる老いを体感するだけではありません。次のコーナーでは、最先端の老いをサポートする技術など、老いとの付き合い方の対処法も紹介されています。

展示エリアの最後には、「老い」と向き合う人たちの、人生の捉え方が紹介されています。展示を監修した、国立長寿医療研究センター理事長の荒井秀典さんが「老いることはすなわち、生きることそのもの」と語る真意を理解できるようになるでしょう。

気候変動も老いもネガティブなことばかりじゃない!

「気候変動」と「老い」。どちらも、つい後ろ向きな捉え方が多くなりがちですが、展示を通して、新たな豊かさの創出や、技術の開発が行われていることがわかり、新しい未来はここからつくられるのだと思えるはず。ぜひ訪れて、自分なりに受け止めてみてくださいね。

日本科学未来館の概要

住所:東京都江東区青海2-3-6
電話番号:03・3570・9151(代表)
アクセス:
新交通ゆりかもめ 「船の科学館駅」下車、徒歩約5分
新交通ゆりかもめ 「テレコムセンター駅」下車、徒歩約4分
東京臨海高速鉄道りんかい線 「東京テレポート駅」下車、徒歩約15分
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館時間の30分前まで)
公式ホームページ:http://www.miraikan.jst.go.jp/
休館日:火曜日、12月28日~1月1日
入館料(個人):大人630円、18歳以下210円

Text:Itsuki Tanaka

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Itsuki Tanaka

ライター

フリーランスのライター。食、農、環境領域 /博物館好き/コーヒー、アイス、チョコも好き。

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