「気になる10代名鑑」の363人目は、齋藤淳平さん(17)。ロボット開発を通して、チームで世界大会を目指したり、部活動を立ち上げたり、ものづくりの楽しさを広めたりと、幅広く活動しています。ほぼ独学でロボット開発を続け、いまでは人にそれを伝えることにも意識が向いているという齋藤さんに、活動を通して実現させたいビジョンなどについて詳しく聞いてみました。
齋藤淳平を知るための5つの質問
Q1. いま取り組んでいる活動について教えてください。
「ロボット開発を軸に、チームでロボット競技の世界大会を目指したり、ものづくりの楽しさを広める活動をしたりしています。
チームでの活動としては、『Cranes』というチームに入っていて、『ロボカップジュニア』という競技会のサッカーロボット部門の世界大会で優勝することを目標にしています。
ものづくりを広める活動としては、高校で部活を立ち上げて、まったく知識がないメンバーに、ロボット開発を教えています。他にも、小学生向けのロボット教室で教えたり、ロボット開発についてブログで発信したりしています」
モーターを作りました pic.twitter.com/maQE4FXfFM
— Jun (@jun_robot) December 2, 2022
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小さいころからロボットへの興味はあって。『スーパー戦隊シリーズ』の変形して合体するロボットに魅了されたり、レゴで変形ロボットをつくったりしていました。
本格的にロボット開発をするようになったのは中学校からです。通っていた中学校の科学部が、自由に好きなだけものづくりができる環境で。機会を与えてもらったことで、ロボット開発の虜になりました」
Q3. 活動をするにあたって、こだわりがあれば教えてください。
「できるだけ自分で制作することと、その制作過程を公開することです。これまで、ほぼ独学で学んできたのですが、インターネット上に公開されていている資料や書籍にずっと助けてもらっています。でも、そういうものには開発者が試行錯誤した過程や、感覚的な部分が書いていないことが多いんです。
時間が足りなかったり、自分だけで決められるものでもなかったりするので、すべての情報を公開することは難しいのですが、本来は大会に出す用のロボットですら、惜しみなく公開するほうが盛り上がると思うんです。たとえライバルチームに参考にされたとしても、いろんな人に見てもらったほうが、みんなの学びになるので」
明日も交流するのに、何でタリーズで交流会してるんだろう pic.twitter.com/R71kEJWWBw
— Jun (@jun_robot) March 11, 2023
Q4. 活動をする中で、悩みがあれば教えてください。
「どうやったらロボット開発の楽しさにハマってもえるか、その伝え方は難しいと感じています。
初心者向けキットのようなものをつくってみたのですが、どこまで親切にするべきか、どのくらい考える余地を残すべきか……人それぞれ正解は違うと思うので、その設計は大変ですね。
ロボット開発の楽しさを人に伝えることで、ものづくりをもっと身近にしたいんです。僕自身、中学校のときに、奇跡的にいい環境に出会えたことでものづくりの魅力にハマりましたが、誰にでも、ものづくりの面白さに触れられるような機会を増やしていきたいです」
Q5. 今後の展望は?
「ものづくりを教えることをビジネスにするのは抵抗があるので、開発する側に立ち続けて、つくりたいものをつくっていければと思っています。
初心者に気軽にものづくりを始められる商品を出している企業はたくさんありますが、どうしても利益を上げるため、顧客を囲い込む方向に走ってしまうのが現状で……。でも、高い商品を買わなくても自作できるし、そっちのほうが部品や機能に関することも多く学べる。それを自分自身の活躍を通して伝えていきたいです。
そして、今まではただ楽しいという感情でロボット開発をしていたのですが、今後は社会に役立つ方向で、自分の技術を使ってみたいと思っています。『チームラボ』のような演出ができるパフォーマンスロボットをつくって、そのパフォーマンスを通じて何かできたらいいなと構想しています」
齋藤淳平のプロフィール
年齢:17歳出身地:千葉県松戸市所属:慶應義塾志木高等学校・Cranes・SAZANKARobotics・孫正義育英財団6期生趣味:散歩・ロボット開発特技:ロボット開発大切にしている言葉:やればできる
齋藤淳平のSNS
僕が立ち上げた部活のチームです!!僕が撮影してるので写っていないのですが、ロボットだけ端っこに置かせてもらいました(( https://t.co/auOg3CWT7D
— Jun (@jun_robot) March 2, 2023
★ブログ
Photo:Eri MiuraText:Ayaka Shinada