「気になる10代名鑑」の254人目は、渡部愛子さん(19)。京都にある立命館大学の産業社会学部に在学していて、普段は関西を拠点に、学校教育をよりよくしていくための活動をしています。そんな渡部さんに、教育への熱い想いや、いま抱えている課題感などについて、詳しくうかがいました。
渡部愛子を知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「学校教育を変えたい!という思いのもと、イベントの参加や企画、発信活動などをしています。もともと教育課題に関心があって、大学では教職課程をとりながら、教育学や社会学について学んでいます。でも、教職課程をとっているからといって、先生になりたいというわけではなくて。
自分の学んできた環境と、大学で教育学を学ぶなかで、現在の学校教育が抱える多くの課題に気づかされたので、学校教育をより良く変えたいと考えるようになりました」
今日は自分の過去を振り返って、なぜ私がこんなに教育を変えたいと思っているのかを考えた✨
教育を変えるために頑張ることは、間違えたと思っていた過去の選択が自分にとって必要な経験だったと捉えられるようになることだったからだと分かった🌸#教育 #学校教育 #教育を変えたい— 豆腐 @25卒 (@25_otofu) October 23, 2022
Q2. 活動を始めた理由は?
「私自身が少し特殊な環境で学んでいた経験が影響していると思います。小学校から大学附属の学校で過ごしていたんですが、そこでは、生徒の主体性やリーダー性を養うことを教育理念に掲げていました。だから、基本的にはなんでも、生徒がやりたいことを挑戦させてくれる文化があったんです。
例えば、生徒自身がみんなの前に立って授業をしたり、生徒が言ったことで、授業の方針が大きく変わったり。まさに生徒主体の授業でした。行事に関しても、小学生のときから、企画から運営まで、すべて生徒が行うのが当たり前だったのです。
でも社会全体として見ると、そういう教育ができている学校って少ないと思っていて……。やりたいことがわからないという学生や子どもはたくさんいますし、勉強する目的が受験だけになってしまっているところも多くて。他にも、教員の働き方改革が進んでいないこと、学校教育が社会の変化に追いついていないこと、などが課題としてあります。
主体性を持って活動できる環境が整っていた小・中学校での経験があるからこそ、いまも社会の常識やまわりの人の意見にとらわれず、『学校教育を変える!』という目標を掲げて活動できていると思います」
Q3. どんなことを大切にして活動していますか?
「いろんな人と話すこと。今年の6月にTwitterを始めてから、50人以上と1on1などを通じて、お話しをしました。学校の先生をされている方や教育以外の社会課題と向き合っている方などとも。特に、自分とは異なる立場の人と話す機会を大事にしています。
ひとえに教育といっても、教育に関わるアクターはさまざまで。学校の中から教育の課題に関わっていくのか、学外、たとえば塾などの教育機関から関わっていくのか。また、大学生と小学生では、抱えている問題も異なります。
教育が抱える問題が多岐にわたっていて、アプローチ方法もさまざまあるからこそ、異なる立場や考え方を持っている人と接する機会を持つようにしています」
色んな学校で講演をされている翔貴さん@shokyroom と1on1させていただきました✨
自分のメッセージを多くの人に伝えられる人になるために本気で頑張ります!
#学校教育 #教育 pic.twitter.com/qSUTbJb9Fa
— 豆腐 @25卒 (@25_otofu) October 4, 2022
Q4. 最近新しく始めた挑戦はありますか?
「『学生団体てらふる』の副代表になりました。この団体は、人との縁やお寺を通して地域の魅力を発信し、より多くの人に興味を抱いてもらうためのイベントや広報活動などを行う学生団体です。高校時代から競技かるたをやっていて、寺社めぐりが趣味だったこともあって、この団体に入りました。
いま団体では、年齢や学年の垣根を超えて、いろんな人が集まったらいいなと思って、お寺と歴史と教育を掛け合わせたイベントを企画しているところです。最近はようやくオフラインイベントが大きな規模感でできるようになったので、全国各地から訪れる学生、また地域に住む人まで巻き込みながらイベントをつくりあげるべく、仲間と一緒に企画を進めています」
Q5. 今後の展望・将来の夢は?
「学校を社会に開かれた場所にするために、民間企業側から教育業界の課題解決に関わりたいと考えています。具体的には、学校で講演をしたり、外部講師として授業に関わらせていただいたり、教材を提供したりなど。そのためには教育業界のこともわかっていなければいけないし、ビジネス的な視点も養っておく必要があると思っています。
いまは大学で教育学を学びながら、人材事業・教育系の会社でインターンとして働いていて、この経験はきっと役に立つんじゃないかと思っています。
いずれは地域の会社や団体と学校を繋げることによって、学校を中心としたよりオープンな教育の輪をつくり、先生たちの負担を減らしたい。そして、子どもたちが社会のことを知り、自分の人生を考えるきっかけをつくっていきたいです」
渡部愛子のプロフィール
年齢:19歳
出身地:広島県
所属:立命館大学産業社会学部、学生団体てらふる副代表
趣味・特技:寺社めぐり・競技かるた
大切にしている言葉:人間万事塞翁が馬
渡部愛子のSNS
〖日本の学校教育を変えたい〗
まだ全然漠然としているけど、同じような考えを持っている方と繋がりたいです!
いろんな方の経験や理念を聞いてみたい✨— 豆腐 @25卒 (@25_otofu) July 6, 2022
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya