
「気になる10代名鑑」の193人目は、まちくたさん(17)。都内の高校に通う2年生ですが、仲間とともに『架空の学校の文化祭』をテーマにしたイベント『ダチュラフェスティバル』を企画し、この8月にいよいよ開催。そんなまちくたさんに、気になる活動の様子や、フェスティバルのことについて、聞いてみました。
まちくたを知る5つの質問

Q1. 活動について教えてください。
「見習いとして働いているバーで知り合ったふたりと、『架空の学校の文化祭』をテーマにしたフェス、『ダチュラフェスティバル』をゼロから立ち上げました。北千住にある、元銭湯を改装したアートスペース『BUoY』にて、8月19日から21日の3日間、開催します。
村上龍さんの小説『69』の中で、主人公が開催した何でもありのフェスから着想を得たイベントです。『ダチュラフェスティバル』のために作った冊子には、そんな村上龍さんの書面インタビューも掲載しています。
📕ザ・ダチュラ情報解禁📕
ダチュラフェスティバル開催の着想、思想のベースとなっている小説「69 sixty nine」作者 村上龍さんへの書面インタビュー掲載決定!!この小説が無ければ「ダチュラフェスティバル」は生まれませんでした。開催当日とクラウドファンディング(後日公開)で発売します。 pic.twitter.com/YcnjPPg4xW— ダチュラフェスティバル (@daturafes) July 25, 2022
16歳の映画監督が撮った作品の上映会、高校生バンドやジャズ研究会のライブ、“なんちゃって演劇”や、謎めいたワークショップ、そして個性豊かな出店物まで、とにかくカオスな、何でもアリのフェスティバルです。私含め、主催の3人は全員が高校生なので、なにぶん予算がなくて……絶賛クラウドファンディングも実施しています。あと、当日の会場設営を手伝ってくれるボランティアも募集中です」
Q2. イベント開催をするきっかけは?
「バーでたまたま出会った高校生ふたりと、『夜学集会』というユニットを組んで、そのうちのひとりが言い出したアイディアです。
ふたりとは、知り合って半年も経っていないし、通っている学校もバラバラで、性格も全然違うんです。でも3人とも、武富健治先生のマンガ『鈴木先生』のファンで。ちなみに『ダチュラフェスティバル』には、武富先生も参加してくださっています。
私自身、もともとお祭りごとには縁がなくて、グループで何かを作り上げることも苦手で……。学校での文化祭の準備には、うまく馴染めないようなタイプでした。でも、そんな私なりの文化祭の楽しみ方や、仲間との協力の仕方を見つけたいという気持ちはあって。だからこのイベントの構想を聞いたとき、反射的に『やりたい!』って思ったんです」
Q3. どんなイベントにしたいですか?
「どんな世代の人にも楽しんでもらえるように準備していますが、特に同世代に来てもらいたいですし、そこで交流が生まれるといいなと思います。
私たちの世代は、コロナで学校行事がなくなったり、新しく人と出会う機会が少なかったりするから。
高校生主催のイベントと聞くと、経験づくりのため、みたいなイメージを持つかもしれないけど、『ダチュラフェスティバル』はそんな感じではなくて。むしろ、いわゆる意識高い感じに馴染まないという人にこそ来てもらいたいです。時間があって、もしも失敗しても割となんとかなる今のうちに、ワケのわからないことやろうっていう勢いで始めたものなので」

Q4. 最近新しく始めたことはありますか?
「夜学集会の3人で、ポッドキャストを始めました。3人とも、ひとつの物事を深掘りして議論するのが好きなので、通常、学校では話されないような、明確な答えのないトークを配信しています。
夜学集会第七回「休み時間先生だけが喋ってるのを聴いていたい vs 教室の後ろで荒野行動していたい」
「特別な時じゃなくてもにこんなことが話せるっていう関係は特殊な気がするし、こういうのを求めているクラスに一人とか学校に一人の奴ら全員ダチュフェスに来てほしい」https://t.co/JIKRBRCwjj— ダチュラフェスティバル (@daturafes) July 29, 2022
コミュニケーションは言葉のキャッチボールといいますけど、私たちの場合、みんなで1か所に向けて、ボールを投げていく感じです。いろんな言葉をひとつの方向へ投げてみて、そこで生まれる結論とか新しい発見を面白がる。バーにいるときの会話と似ているように感じますし、私はそうやって人とコミュニケーションをとるのが好きです」

Q5. 趣味はありますか?
「音楽が好きです。中学時代は下北沢のライブハウスに通っていて、『まちくた』という名前も、当時よく聴いていたバンドのアルバム名からきています。音楽をきっかけに、ライブハウスやSNSでできた友達には、いろんな刺激を受けてきたし、今でも心の支えになっています。
日本語のリズム感や音の響きが好きで、邦楽を多く聴きます。歌詞をじっくり聴くことが多くて、『時速36km』というバンドの楽曲には、いろんなことを考えるきっかけをもらいました。私の10代のこれまでを象徴してるといってもいいほどです。
それと、影響を受けたアーティストのひとりが、椎名林檎さん。以前、テレビ番組で、自身の音楽を『女の子たちの人生のサントラ』と話されていて。それまで『女の子らしさ』を連想して彼女の曲を聴いたことはなかったし、男性っぽい音楽のほうが好きで、女性であることが嫌だとすら感じていたんです。だから、その言葉がとっても衝撃的で。それで性に対する考え方は変わったし、女性であることに自信を持てるようになりました。
他にも、YMO(Yellow Mgiac Orchestra)やTEI TOWAも好きで、ずっと聴いています。テクノとか電子音楽は、いろんな方向からいろんな音が鳴っているのが面白いし、歌詞が日本語でないものや、歌詞が付いていないものでも、リズム感や音の響きに魅力を感じるんです」

まちくたのプロフィール
年齢:17歳出身地:東京都所属:夜学集会、ダチュラフェスティバル主催/運営特技:黒板の文字を綺麗に消すこと
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— まちくた=ぱっぷらどんかるめ (@LOOSERYOUNG) August 3, 2022
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