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経営者とZ世代をつなぐ新番組『CLUB CEO』 ピップ株式会社社長・松浦由治が描く未来のビジョンとは?

経営者とZ世代をつなぐ新番組『CLUB CEO』 ピップ株式会社社長・松浦由治が描く未来のビジョンとは?

interfm(TOKYO:89.7MHz)で4月3日よりスタートしたラジオ番組「CLUB CEO」(毎週日曜日6:30〜7:00)に、10代向けメディア・コミュニティの「Steenz」が協力しています。

CLUB CEOとは?

この番組は、時代をリードする経営者をゲストに迎え、経営者の人柄や事業内容に迫りつつ、放送内で新しい価値観をもつZ世代とクロストークをおこない、これからの社会や経営について一緒に考え学んでいくラジオプログラムです。

この番組に登場するZ世代は、以前、「気になる10代名鑑」に登場してくれた10代の方々。Steenzでは、番組を聞き逃してしまった人たちへのテキストコンテンツと、Steenzだけでしか楽しめない独自のスピンオフコンテンツを展開していきます。

番組ナビゲーターは、ラジオ局、大手広告会社勤務を経て、日本最大級の動画広告プラットフォーム『CMerTV』の社長をつとめる、五十嵐彰さんです。

記念すべき初回ゲストはピップ株式会社社長の松浦由治さん

五十嵐:遂に始まりました、新番組『CLUB CEO』。この番組はひと言でいうと、経営者とZ世代をつなぐ未来創造番組です。

毎回ゲストに企業の社長さんと、Z世代のみなさんをお迎えして、世界では何が起きているのか、社会課題とどう向き合っていくのかを、一緒に学んで、考えていきます。

本日はスタジオに、ピップ株式会社代表取締役社長の松浦由治さんと、Z世代からおふたり、ゼロ高等学院2期生のみゆみゆさん慶應義塾大学環境情報学部の宮沢桜太朗さんにお越しいただきました。

企業を長く続けるいちばんのカギは『変化対応力』

五十嵐:まずはピップ株式会社についていろいろ学んでいきたいなと思います。1908年創業。今年で114年になるんですね。

松浦:そうですね。おかげさまで、114年になります。当時は医療衛生用品といって、お薬を入れる瓶とか、ピンセットとか、あるいは薬を包む薬包紙などを扱っている卸売業だったんですね。大阪で誕生しました。

五十嵐:2021年度は売り上げが2,000億を超えて、従業員数は去年の10月時点で625名。これはなかなか労働生産性がいいんじゃないかなと思いますけど。

松浦:おかげさまで、なんとか2,000億、超えてまいりました。いや、でも労働集約型なので、まだまだ効率がよいとは言えないかなと思うんです。卸売業が中心なので、営業とか、あるいは物流で物をやりとりする人とかもいて。

五十嵐:卸売業が圧倒的なんですね。

松浦:はい。もともと発祥が卸売業で、今でも卸の売り上げが95%以上です。メーカーの売り上げというのは5%もないぐらいですね。

五十嵐:「ピップエレキバン」「スリムウォーク」、そして「プロ・フィッツ」。これらは自社商品になるんですか? 

松浦:そうですね。私どもで考案して発売している商品になります。

五十嵐:ピップと言われれば、「ピップエレキバン」を思い浮かべる人も多いと思いますが、実際は卸売業の売り上げが95%以上なんですね。

松浦:そうですね。調査によりますと、「ピップって何の会社?」というと、やっぱり「ピップエレキバン」と答える方が8割以上いらっしゃるらしいんです。

昭和30年代の終わり、1962年に東京大学の林周二先生が書かれた『流通革命』という本がありまして、その中で、「問屋無用論」というような言葉が出てきたんです。恐らく先生としては、「単純に物を右から左に動かす問屋ではもうダメですよ」「そこに価値を付けていかないとダメですよ」という趣旨で書かれたとは思うんですが、たまたまその問屋無用論という言葉がマスコミで取り上げられて、ひとり歩きしていたようで。

当時の経営陣が、卸だけではしんどいなということで、昭和43年にメーカー部門を立ち上げました。見様見真似でいろいろと商品をつくる中で、4つめにつくった商品が「ピップエレキバン」だったんです。これがおかげさまで、発売から5年後ぐらいに花が開いて、一時は肩こり商品でナンバーワン、年商100億円になる商品になったんです。今でもご愛用いただいている方がいらっしゃるので、続けているというところで、今年で50年になります。

五十嵐:Z世代のおふたりが、深くうなずいていますけど、宮沢さん、今のお話を聞いてどう思いました?

宮沢:逆風を物ともせず、やり続けるというのは、どの時代にも必要なスキルなんだなと思って。本当に感心しました。

松浦:時代の流れとともに、会社をどういうふうに変えていくのかが大事だと思うんです。残すべきものと変えるべきものをうまく考えながら、織り交ぜてやっていくということが、いちばんなのかなとは思うんですね。

昔から企業30年説って言われるじゃないですか。やっぱり同じことをずっとやっていたら、30年もすると、どうしてもダメになってしまうと思うんですね。それを、おかげさまで114年続けられたということは、何回か脱皮したんだと思うんです。いろんなタ―ニングポイントがあって、そのときそのときで時代に合わせながら、ちょっとずつ変化をしている。それが企業を長く続ける鍵なのかなと思うし、企業も変化対応力が必要だと思います。

そのときの状況を見ながら、「この方向に力を入れよう」とか「こっちの方にちょっと振ってみよう」とか、そういうことをやりながら、生きながらえるというのかな。

多くの人から愛され続ける会社を目指して

ピップ株式会社代表取締役社長 松浦由治さん

五十嵐:変化対応力、そして脱皮を繰り返して114年。当然、ベンチャー企業とは目線が違うと思うんですけども、見ている目線というのは、次の50年、次の100年というような目線になるんですか?

松浦:さすがに50年後とか100年後は考えられないんですけど、次の世代にバトンタッチをしていくためにどうしたらいいかは、考えていますね。

五十嵐:このピップ株式会社を、大きくというよりも、安定飛行させていきたいということですね。

松浦:そうですね。私ども、「我が社は永遠に繁栄しなければならない」という言葉で始まる社是というのがありましてね。会社は従業員と家族の生活の源ですから、ずっと続けていくことが使命だなと思っています。

そういう意味では、先ほども言いましたように、時代に合わせてどういう形で会社を運営して、どうやってずっと続けていくかを考えていくのが第一かなと思います。今日明日の利益を追うというよりかは、10年後、20年後にもしっかり利益が取れるような会社として生き残ってくことが大事だと思いますね。

みゆみゆ:聞いていて、しんみり感動していました。

松浦:考え方も全然違うだろうし、育ってきた環境も違うのに、我々が考えていることに対して、若い世代の方々が感動してくれるというのは、つながるものがあるんだなというふうには思えて嬉しいです。

みゆみゆ:多分すごく新しいことをされてきたと思うので、世になじみがなくて苦労されたこともあったんだろうなと思いながら、そこから脱却して、脱皮してというところに、言葉の重みを感じました。

五十嵐:きっと何度も何度も乗り越えてきたんでしょうね。

宮沢:軸として持っている理念というはずっと一緒だけど、社会の風向きとかによって、少しずつ対応を変えていくというのが、ずっと第一線で活躍されている秘訣なのかなというふうに思いました。それこそ最近、「脱・成長論」とかもちょっと出てきていると思うんですけれど、それとは真逆じゃないですか。自社の商品が売れれば売れるほど、社会がよくなると信じているからこそ、言い切れるんだなと思うので、本当にいい製品を作られているんだなって。

みゆみゆ:使ってみたくなりますよね、改めて。

五十嵐:この場合の繁栄というのは、とにかく商売繁盛というような繁栄というよりも、ちゃんと着実に利益を出して、経営を続けていくというような意味合いじゃないですか。

松浦:そうですね。それと、その結果としてお客さまに喜んでいただきたいとか、お客さまの健康を支えていくんだ、というような使命感もあると思うんです。今はお客さまが日本人に限らず、アジアにまで顧客が広がっているんですが、そういう方々に健康で笑顔で過ごしていただけるように、我々がどれだけ貢献できるのかということを考えて、いろんなものに取り組んでいます。

だから今、宮沢さんにおっしゃっていただいたみたいに、我々が提供する商品というのは、本当にちゃんとしたものなんですよ。我々が自信を持ってお送りする商品で、健康な生活を送っていただきたい。そういう使命感を持って、社員ひとりひとりが取り組んでいるというふうに思っています。

五十嵐:それが表れているのが、企業理念の「THE WELLNESS COMPANY」「人々の身心の健康に貢献する企業の実現を目指します」……この企業理念がまさに商品、もしくは卸としての行動に表れているんですね。

松浦:そうですね。だからやっぱりそれが判断基準というか、物差しになっていると思います。

〜 4月10日放送の後編につづく 〜

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CLUB CEOアフタートーク

番組概要

番組名:CLUB CEO
放送局:interfm(TOKYO:89.7MHz)
放送日:毎週日曜日 AM6:30〜7:00
ナビゲーター:五十嵐彰(株式会社CMerTV代表取締役社長)
番組ホームページ:https://www.interfm.co.jp/clubceo

今回登場したZ世代

宮沢桜太朗さん

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Steenz編集部

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