「気になる10代名鑑」の407人目は、黒田さん(18)。レーベル運営や音楽情報の発信をおこなう学生団体「FTZ」のメンバーとして活動しながら、大好きな音楽をSNSや記事で紹介しています。4月に上京してから、本格的に活動を開始したという黒田さんに、リスナーや発信者として意識していることや、音楽のインプットの方法について聞いてみました。
黒田を知るための5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「音楽を掘って聴くというサイクルを毎日繰り返しながら、気になった曲やアルバムを、プレイリストや記事などを通して伝えています。
いまは『まだ見つけられていないアーティストを発見して、世に広める』というコンセプトのもと、マガジンとラジオなどで発信をしています。それと、今年の4月から上京をきっかけに、レーベルの運営をしたりする学生団体『FTZ』に所属しました。『FTZ』では今後、毎日気になった音楽をセレクトして紹介していく予定です。自分がその曲のどこが好きなのか、言葉としてアウトプットすることで、僕の夢のひとつでもあるラジオ番組の運営につながっていくといいなって思ってます。
また『RÄTSEL RECORDS』という、プレイリストを公開するアカウントも運営しています。これは、日常のシーンに合うような選曲をコンセプトにしています」
View this post on Instagram
Q2. 活動で大切にしていることはありますか?
「音楽を発信するときは、友だち感覚で伝えるということを意識しています。
音楽にまったく興味のなかった友達に、毎日のように音楽の面白さを熱弁していたら、その子が自分と同じくらいの音楽好きになったことがあって。いまでもふたりで音楽の話をよくしているんですけど、そこで初めて、音楽が好きなひとが身近にいるのは、めちゃくちゃ嬉しいことなんだなって実感したんです。だから、僕が書いた記事を通して、音楽好きの友だちを増やすことができたらといいなと思っています。
リスナーとしては、音楽を、アルバム単位で聴くということにこだわっています。最近は好きな曲だけをプレイリストに入れて聴いたり、シャッフル再生で聴く風潮があると思うんですけど、やっぱりアルバムとして出されている楽曲は、トータルとしてひとつの作品だと思っていて。それから、一度聴いてそれほどピンとこなくても、何度も繰り返し聴く、ということも大切にしています」
Q3. 活動を本格的に始めたのはいつ?
「音楽漬けの生活が始まったのは、中1のとき。AppleのCMで流れていたVULFPECKの『Back Pocket』という曲がきっかけです。この世には、こんなに面白い音楽もあるのか……とすごい驚いて。ミニマルファンクというジャンルなんですが、曲によってメンバー構成が変わるのも面白い。特に、準レギュラー的な立ち位置のギタリスト、コリー・ウォンのリズムギターがたまらなく好きなんです」
Q4. 普段、どこから情報を得ていますか?
「Twitterや配信サービスなど、国境やジャンル関係なく、いろんなところから情報を得ていますが、面白い出会いがあるのはやっぱりラジオですかね。もともと、小5ぐらいからラジオ番組の『SCHOOL OF LOCK!』を聴いていて。
VULFPECKに出会ってからは、もっといろんなジャンルの音楽に出会いたくて、滝川クリステルさんがナビゲーターを務めている『サウージ!サウダージ』など、J-WAVEの番組もよく聴くようになりました。
個人的なおすすめのラジオ局は『α-STATION FM京都』。くるりやYoggie New Wavesの角舘健悟さんなど、いろんなアーティストがDJを務める『FLAG RADIO』や、YOUR SONG IS GOODやceroなどのアーティストが所属するカクバリズムのラジオ番組『RADIKAKU』など、揉みに揉まれていろんなジャンルが誕生してきた、京都ならではの濃い音楽話が聴けて面白いんです」
Q5. 今後の展望を教えてください。
「受験勉強で時間がなくてできなかったラジオに挑戦してみたいです。特に、非英語圏以外の音楽を積極的に発信していくラジオを運営してみたいなって思っています。
以前は非英語圏の音楽はちょっと敬遠していたんですけど、Ivan Linsというブラジルのアーティストの『Somos Todos Iguais Nesta Noite』というアルバムがきっかけで、国境やジャンル関係なく聴くようになったんです。こんなに、緻密にリズムが組み込まれた音楽があるのかと仰天して……。そんなブラジルの音楽もそうですし、パーカッションの強いアフリカの音楽なども紹介していきたいですね」
黒田のプロフィール
年齢:18歳出身地:宮城県仙台市所属:埼玉大学、FTZ、RÄTSEL RECORDS趣味:音楽を聴く、写真を撮る、映画を観る、蕎麦を食べる、ラーメンを食べる特技:指パッチン、大きい声を出す大切にしている言葉:多様性、自己表現
黒田のSNS
View this post on Instagram
★lit.link
Photo:Eri MiuraText:Atsuko Arahata