Steenz Breaking News

色や形が少し違うだけで捨てられてしまう規格外野菜。そのアップサイクルに学生たちが挑んでいます【Steenz Breaking News】

色や形が少し違うだけで捨てられてしまう規格外野菜。そのアップサイクルに学生たちが挑んでいます【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、規格外の野菜をムダにしないための取り組みについてご紹介します。

スーパーに並ばない野菜たちの行方

お店で見かける野菜の多くは、色や形がきれいなものばかり。この光景を、少し不思議に感じたことはありませんか? 野菜も生き物であるため、同じ環境で育ったとしても、色や形に個性がでるはずです。

そう、売り場で均一の見た目の野菜がそろっているのは、「色や形がきれいじゃない」と判断された野菜が取り除かれているから。そして、そうではない野菜の多くが、出荷されずに廃棄されているのです。これは、形や大きさ、色、重さ、品質など、取り引きや流通を効率良く行えるようにと、「規格」が設定されているためです。

規格から外れた野菜は「規格外野菜」と呼ばれ、一部は農家さんが自分たちで消費したり、ジャムやソースなどの加工品に活用されたりしているのですが……。それでも、まだまだ捨てられてしまう野菜のほうが多いのです。

学生が挑む「規格外野菜」の意外な使い方

そこで、注目したいのが「規格外野菜のアップサイクル」の動き。今回は、学生が開発している、意外なアップサイクルアイテムを2つ紹介します。

京都を主な拠点として活動をしている学生団体「合同会社Lápiz Private」は、廃棄予定であった規格外野菜を、「おやさい絵の具」に加工し、販売しています。

 

 

季節によって販売される絵の具の色が変化するため、使いながら四季を感じられるところも魅力です。

また、九州の学生ユニット「ROKU」は、規格外のみかんから精油を抽出し、アロマキャンドルをつくりました。みかんを選んだ理由は、メンバーであるふみさんが長崎出身で、みかんが身近な果物であったことや、廃棄量が多い果物のひとつであるため。

 

 

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また、食品ロスの問題を難しく考えすぎずに、身近に感じてもらうために「大地の恵みをすべて使って、心贅沢な暮らしを送ろう」というコンセプトで販売しています。

見た目が個性的でも、おいしさそのまま

このように、規格外野菜を使用した、さまざまな製品が登場しています。そのほかにも最近では、規格外野菜を直接販売するお店やECサイトも増えてきました。

規格外野菜は、少し色にムラがあったり、形が個性的だったりするだけで、味や品質に影響はありません。見た目が多少悪くても、スープや煮込み料理に使用するという方法もあります。ひとりひとりが自分に合った方法で、規格外野菜の削減に取り組むことができれば、廃棄される野菜も減って、生産者の収入の向上にもつながるでしょう。

Text:Yuki Tsuruta

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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