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「○○っぽい」と言われない、唯一無二な作品をつくる!現役高校生のデジタルクリエイター【Tsumugi・17歳】

「○○っぽい」と言われない、唯一無二な作品をつくる!現役高校生のデジタルクリエイター【Tsumugi・17歳】

「気になる10代名鑑」の55人目は、Tsumugiさん(17)現役高校生でありながら、手がけた映像作品や3DCGアートが注目を集め、2022年1月に開催されたデジタルアート展『昭和百年展』に参加するなど、精力的に活動中。そんな気鋭のクリエイターに、創作を始めたきっかけや、影響を受けたカルチャーについて聞いてみました。

■Tsumugiを知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「現在17歳で、芸術系の高校に通いながら、3DCGアートや映像製作をしています。先日、東京アニメセンターで開催された『昭和百年展』という、イラストや映像、CGを扱ったデジタルアートのエキシビジョンに参加しました」

 

Q2. 創作活動をはじめたきっかけは何ですか?

小学校4年生のとき、プログラミング教室に通い始めたんです。ゲームが好きだったので、自分でもゲームをつくってみたいと思って。プログラミングを学んでいくうちに、コンピューターで映像がつくれるということを知って、中学1年生から映像をつくり始めました

3DCGの制作を始めたのは、2020年の4月ごろ。ちょうどその時期、コロナの影響で高校入学が延期になり、2か月間くらい、自宅学習になったんです。せっかくだから、何か新しいことができないかなと思って、Blenderという3DCG制作ソフトを始めました。最初は自主制作のみだったんですが、作品を見てくれた方々から声をかけてもらって、お仕事をいただけるようになりました」

Q3. 高校では何を学んでいますか?

「学校で勉強しているのは、映像とはまったく関係のない、日本画です。岩絵具という、日本の古典的な絵具を用いた日本画を専攻しています。専攻は入学のときに選択したのですが、3年間使って学ぶなら、まったくやったことのないことをやろうと思って、さまざまな分野がある中で、いちばん得体が知れない日本画を選びました

Q4. どんなものから、クリエイティブに影響を受けていますか?

「デジタルアートよりも、油彩画や日本画などを専攻する友人の絵画から影響を受けることが多いかもしれません。絵画は映像と違って、たった1枚の動かない枠の中で、美しさやかっこよさを表現しなければいけない。だからこそ、細かな表現や構図から、学ぶことが多いんです。自分もするうえで、どこを切り取って静止画にしても完成している……そんな作品になるような映像をつくりたいと思っています」

Q5. 楽しさを感じる瞬間はどんなときですか?

「カットを無数に連ねることで一本の映像は完成するんですが、そのうちのひとつ、たった10~20秒の1カットを完成させるのにも、何度も何度も作り直すんです。近々公開予定の作品だと、約4分間の映像なんですが、構想段階も含め、制作に約半年間かかっています。すごく長い時間がかかるんですけど、パズルのピースがはまって『これだ!』と満足いくものができあがる瞬間は、本当に楽しさを感じます」

Q6. 今後の展望はありますか?

最近、NFTアートの制作を始めて、1週間にひとつの作品をあげるという目標を立てました。毎週新作を制作するとなると、必然的に新しく何かを学んだり、何かに挑戦したりしなければいけないので、自分の成長のためになると考えています。

長期的な目標としては、完全オリジナルストーリーで、長編の映像をつくりたいと思っています」

 

 

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Q7. 趣味はありますか?

映画鑑賞です。息抜きにもなるのですが、映像作品を作るうえで学ぶことしかないので、よく観ます。僕の制作モチーフには、ファンタジーやサイバーパンク系が多いのですが、観る映画もモンスターやクリーチャーが描かれている作品や、SF系が多いです。影響を受けた映画は、本当にたくさんあります

Q8. 具体的には、どんな作品に影響を受けましたか?

ティム・バートン監督の作品に強く刺激を受けてきました。代表作である『チャーリーとチョコレート工場』や『アリス・イン・ワンダーランド』もそうですが、どれを見ても、彼の作品だと分かってしまうのは本当にすごいと思います。

映像クリエイターはたくさんいますし、膨大な数の作品が生み出されてきたので、どんなものをつくっても『誰々の作品に似ているね』と形容できてしまう。不思議な世界観だと『ティム・バートンっぽい』と言われるように。

だからこそ、『○○っぽい』と言われない、むしろ『Tsumugiっぽい』といわれるような、新たなジャンルを開拓できたらいいなと思いますね」

 

Q9. 宝物はありますか?

「今まで集めてきた画集です。創作のための教科書として、これまでたくさんの映画やゲームのコンセプトアートの画集を収集してきました。

最近手に入れたのは、映画『シン・ゴジラ』のコンセプトアートの画集です。CGに落とし込むための粘土の造形があるんですが、その造形の細部やこだわりを知ることができて、すごく面白かったし、勉強になりました」

Q10. 社会がこう変わればいい、と思うことは?

固定観念にとらわれず、みんなが自分だけの表現をして、活躍できる社会になればいいと思います。映像の世界に限らず、活躍しているクリエイターの作品を見ていると、きっとその人には天性の才能があって、どれだけやっても超えられそうにない……って思いがちだと思うんです。

だけど、その人たちの来歴や過去の作品を見ると、それまでに紆余曲折があったり、作品がまったく売れなかったり、という時期があることが多い。だから、自分自身に言い聞かせていることでもありますが、どんなにすごくても、自分には届かないものだと考えないことが大切だと感じます

■Tsumugiの今日のファッション

アウター/JOURNAL STANDARD トップス/niko and… パンツ/EDWIN スニーカー/new balance

「高校では髪色・髪型が自由なので、その時制作中の映像や気分に合わせて青や金に染めたり、長髪にしたりします

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Photo : Eri MIuraText : Daiki IdoEdit : Takeshi Koh

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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