世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、廃油を再利用して車を走らせる『リニューアブルディーゼル』についてのニュースをお届けします。
環境汚染の原因のひとつ、それは廃油の問題。食用油で見ても、日本では年間約230万トンの食用油が消費され、その後、約45万トンが廃食油になるといわれています。
そんな廃油を利用した代替燃料「リニューアブルディーゼル」は、世界でも注目を集めている新しい燃料。すでに、似たような取り組みとして、航空機の代替燃料「SAF」が登場していて、代替燃料が当たり前になる世界はもうすぐそこに来ているのかもしれません。
天ぷら油で走る日本初の「路線バス」
ここ日本でも、そういった試みが実用化されています。この7月から、大手バス会社「西武バス」の一部車両で、フィンランドのエネルギー会社「Neste」が開発した、リニューアブルディーゼルが導入されました。
運送車両としては、2021年6月にファミリマートの運送用トラックで試験的に導入されていましたが、路線バスでは日本初の試みとなります。
リニューアブルディーゼルはどのくらいエコなの?
この「リニューアブルディーゼル」、製造過程を含めたトータルでみれば、従来の石油の軽油に比べて、温室効果ガスの排出量を約 90%も削減できるそう。車両もそのまま、軽油の代わりにリニューアブルディーゼルを使うだけなので、導入も簡単!
とはいえ、燃料費は軽油の3倍以上かかるそうなので、コスト面でのハードルはまだ少し高そう。
日本でも進むの?廃食油の再利用
こうした動きを受けて、いま、原料となる廃食油を輸入しているといいますが、今後も安定供給できるのか……というのは課題となりそう。
昨今の情勢から、リニューアブルディーゼルの国内生産も考えられるといいますが、実際のところ、国内の廃食油は、活用先が決まっているケースがほとんどだといわれています。
ユーグレナ、都市ゴミ…廃油以外の代替燃料も
この代替燃料ですが、廃食油以外を原料とする動きもあります。
西武バスはこれまでにも、2020年9月に、ミドリムシを活用したユーグレナを燃料とする「ユーグレナバイオディーゼル燃料」を使用した路線バスを運行。
ほかにも世界では、都市ゴミや木質バイオマスから燃料をつくる技術開発も進んでいます。
地球環境、そして紛争など、さまざまな問題に深く影響を及ぼす、世界のエネルギー問題。技術革新によって、それらが解決されていくかは、いまを、そしてこれからの世界を生きる10代の未来を左右する大きな問題かも。これからも注目していきましょう。
参照:西武バスプレスリリース