タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、ティーンたちの声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「影響を受けた漫画」。日本文化を代表する「漫画」には、友情、恋愛、哲学……たくさんの人生のエッセンスが詰め込まれています。令和を生きるティーンは、どんな漫画に影響を受けたのでしょうか。8人のティーンが答えてくれました。
1. 宮島ヨハナさん「自分もマザーテレサのように、弱い立場にいる人のために支えたいと思った」
『マザーテレサ』
「この漫画を読む数日前、私は母の母国であるインドに行っていて、そこでスラム街の自分と同年代の子供たちが物乞いをしているのを目の当たりにして。何もできない無力感ともどかしさを感じていたので、この漫画を読んだとき、自分もマザーテレサのように、弱い立場にいる人のために支えたいと思うようになりました。
小学生だった私は、それ以来、自分のお小遣いをUNICEFに募金したり、貧困問題や社会問題に強い関心を抱くようになりました。今、入管に関する活動をしているのも、小学生のときに、この漫画を読んで感じた強い情熱と憧れがあったからこそだと思います」
2. ねんねんさん「登場人物のファッションに影響を受けた」
『NANA』
「矢沢あい先生の『NANA』が大好き。それまでまったく漫画を読まなかったのですが、矢沢あい先生の作品に出会ってから、私の生活に漫画という新しい世界が広がりました。ストーリーももちろん大好きですが、登場人物のファッションにもすごく影響を受けました。
特に、主人公のナナはヴィヴィアンを身につけているのですが、スタイルが良く、ほんとにかっこよく着こなしていて、もっと作品に引き込まれました。作品中に出てくるヴィヴィアンのライターを『誕生日に買って!』と母に頼んだこともありました。
また、『NANA』は音楽を描いた作品でもあるので、アーティストという夢を持つ私は、そこでもすごく影響を受けました。私の夢と人間を大きくしてくれた。私にとって『NANA』は世界であり、夢であり、今の私をつくってくれた存在だと思います」
3. 阿部舞哉さん「初めて自分のやりたいことを見つけた主人公の影響で、意識が変わった」
『ブルーピリオド』
「高校2年生の主人公は、人付き合いも勉強もなんでも器用にこなすことができる人物でした。しかし、ある日、ふと出会った1つの絵画の影響で、美術の楽しさに目覚め、初めて自分のやりたいことを見つけ、打ち込んでいきます。
その主人公の姿を見て、ただ勉強でいい成績をとって、大学に進むことを目指すだけの高校生活を送っていた自分に重なり、このままの生活を続けることに引っ掛かりを覚えるように。全力で打ち込めるほど『自分の好きなこと』を意識するようになりました。
そして今、人が宇宙で活動するために『月を開拓する』という目標に向かって進んでいます」
4. のりかさん「主人公みたいに、切り拓いていく人になりたいと思った」
『進撃の巨人』
「小学校のころから好きで、ずっと読んできました。主人公のエレンが好きで、変化が面白い。私も『エレンみたいに切り拓いていく人になりたい!』と、励まされます」
5. 満葉さん「私も真剣に精一杯に生きてみたいと思えた」
『約束のネバーランド』
「生きることに真剣になっている主人公と仲間たちを見て『友だちっていいな』『私も真剣に精一杯生きてみたい』と思いました。 何事にも明るい気持ちで挑むことができるようになったきっかけの漫画です」
6. DAACKYさん「簡単に言い表せないほど洗練された漫画」
『AKIRA』
「漫画はあまり詳しくないですが、『AKIRA』には影響を受けました。 東京を舞台にしているというのもあり、なんだか親近感もありますし、友情の良さを感じました。
簡単に言い表せないほど洗練された漫画です。 自分の中では、この漫画を通して創造力の窓口が広がったなぁと感じました」
7. 海音さん「バスケがもっと好きになりました。名言もいっぱい」
『スラムダンク』
「もともとバスケが好きだったのですが、スラムダンクを通して、バスケがもっと好きになった気がします。自分では経験したことがない部活動の青春が描かれてて、すごく好きです。名言もいっぱいあるし。 1回読み始めたら止まりません!」
8. 実裏リコさん「たとえ曲がった恋愛の形だとしても……」
『クズの本懐』
「たとえ曲がった恋愛の形でも、必ずどこかには真っ直ぐな感情が隠れている、と気づかされた漫画。お気に入りです」
古くから愛される名作から新しい作品まで、ティーンの個性が見えるラインナップがそろいました。漫画はいつでも読む人をワクワクさせてくれるし、ときに人生に影響を与えてくれるもの。あなたは、どんな漫画を思い浮かべましたか?
Photo:Eri MiuraText:Ayuka MoriyaEdit:Takeshi Koh