Teenage Realities

2021年に観た映画、最もよかった作品は?10代の実態を調査【10代リアルVOICE】

2021年に観た映画、最もよかった作品は?10代の実態を調査【10代リアルVOICE】

タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、ティーンたちの声を聞くシリーズ10代リアルVOICE。今回は「2021年に観て最もよかった映画」について。いまや映画館だけではなく、家のテレビやスマホでも、さまざまな映画を観られる時代。現代を生きる10代は、どんな作品を見て、どんな感想を抱いたのか、聞いてみました。

1. 小春さん「壮大なことは起こらず、日常を感じられる」

18歳。「書評アイドル」として執筆活動する傍ら、『ミスID2021』受賞、モデルや女優など、広く活躍。

『街の上で』

 

 

「下北沢を舞台にした作品。壮大なことは起こらず、日常を感じられるところがとても心地が良くて大好きです。

劇場で見たのですが、コントみたいな場面や言葉のかけあいなどもあって、隣のお客さんがクスッと笑っていて、幸せな上映時間でした。今でも、この作品をふと思い出すと、幸せな気持ちになれます」

喋るより文章のほうが想いが伝わる。「書評」で自己表現する高校生【小春・17歳】
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「気になる10代名鑑」9人目は、「書評アイドル」として執筆活動をしつつ、『ミスID』受賞歴を持ち、モデルや女優業など、幅広いジャンルで活躍するオールラウンダーな高校生、小春さん(17)。生粋の文学少女でありながらも、「趣 […]
https://steenz.jp/8640/

2. 工藤俊祐さん「公の場に一切でてこなかったファッションデザイナーの貴重なドキュメンタリー」

18歳。美大に通いながら、プロのグラフィックデザイナーとして活動中

『マルジェラが語る”マルタン・マルジェラ”』

 

 

マスコミなど、公の場に一切でてこなかったファッションデザイナー、マルタン・マルジェラ。マルジェラ本人が、自分自身が作り上げてきたファッションについて語る貴重なドキュメンタリー映画です。

映画を通して、ファッションやクリエイティブに対する彼の誠実な姿勢や哲学などを知ることができました。クリエイターとして生きていくうえで重要なことを改めて確認させてくれる、そんな素敵な映画でした」

タイポグラフィ界のホープ。10代グラフィックデザイナー【工藤俊祐・18歳】
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「気になる10代名鑑」5人目は、大学生グラフィックデザイナーの工藤俊祐さん(18)。高校の文化祭のポスターで「STUDIO DESIGN AWARD2020」を受賞し、現在は美大に通いながら、すでにプロのデザイナーとして […]
https://steenz.jp/8625/

3. ピエロ大好き人間さん「ディズニー傘下ではできなかったハードな描写が…」

17歳。「身近にあるモノをグロテスクにする」というテーマで作品制作に取り組む高校生

『ザ・スーサイド・スクワッド』

 

 

「ジェームズ・ガン監督の『ザ・スーサイド・スクワッド』が去年のベスト映画でした! 僕はもともとジェームズ・ガン作品が大好きで、本作は公開前から傑作になることが約束されていた作品だったんです。

ディズニー傘下であったからなのか、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、ジェームズ・ガン特有の過激な描写は少なめでした。ディズニー傘下ではできなかったハードな描写を本作で見ることができて……超興奮しました! ジェームズ・ガン監督には、これからも期待しています」

閲覧注意!?実用性のあるグロさを極める、新進気鋭のクリエイター【ピエロ大好き人間・17歳】
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https://steenz.jp/8700/

4. 足浮梨ナコさん「ゲイであることを隠して生活する主人公に共感」

16歳。渋谷や下北沢を拠点に活動するシンガーソングライター。昨秋、クィアであることを公表

『彼女が好きなものは』

 

 

「原作小説にある『彼女の好きなものはホモであって僕ではない』というセリフが大好きで、『実写でやるのか!』と即観に行きました。

ゲイであることを隠して生活する主人公の高校生・純くんに共感するところがたくさんあるし、純くんの同級生でBL好きの紗枝ちゃん役の山田杏奈ちゃんが終始可愛かった!」

クィアのポップアイコンになりたい!100%自己プロデュースの16歳シンガー【足浮梨ナコ・16歳】
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「気になる10代名鑑」の35人目は、渋谷や下北沢を拠点に活動する、シンガーソングライターの足浮あしう 梨りナコさん(16)。昨秋、自身の歌詞を綴るnoteで、クィアであることを公表してから、さらに活動が楽しくなったそう。 […]
https://steenz.jp/8745/

5. コモモさん「単に人種差別を描いた作品ではなく…」

17歳。「フェミニズム」を考える学生団体『imI -イムアイ-』の創設メンバー

『グリーンブック』

 

 

「『グリーンブック』を、友人と一緒にAmazon Prime videoのウォッチパーティーで初めて観ました。黒人ピアニストにつく白人の運転手、という構造が単に人種差別を描いた作品なのかと思っていたのですが、いろんな文脈で二人のコントラストがあり、最後に愛を持って分かり合う瞬間は、“カテゴリーにとらわれず、人を人として尊重する”という私自身のあり方、学生団体『imI』で発信しているメッセージの本質を描いているように思いました」

どんな自分も、愛してあげたい。ギャルに憧れるフェミニスト【コモモ・17歳】
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https://steenz.jp/8655/

6. カジタヒカルさん「結局人間はみんな孤独。完全に分かり合うことなど不可能。ただ…」

19歳。美大でデザインやものづくりを学ぶ傍ら、「写る人」として撮影活動も行う

『生きてるだけで愛』

 

 

「少し落ち込んでいたときに観た作品ということもあり、記憶に残っています。結局、人間はみんな孤独。完全に分かり合うことなど不可能。ただ、一瞬でも分かった気になれる瞬間を求めるし、多分それは存在する。

……私なりに、この映画の結論をまとめるならばこんな感じです。 この結論にすごく共感を覚えました。 どこか生きづらそうだったり、寂しそうだったりする人に『おすすめの映画は何?』と聞かれたら、この作品を教えると思います。 フィルムで撮影された映画ということもあって、映像も美しくて。観ている人までしんどくなるような共感を呼ぶ、趣理さんの演技がとても好きです」

「写る人」として、表現のカタチを探す【カジタヒカル・19歳】
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https://steenz.jp/8622/

7. 清水虹希さん「何を大切にしたいのか、見つめ直す機会になる映画」

19歳。生ゴミの可能性を探る「渋谷肥料」プロジェクトで活躍する大学生

『ミナリ』

 

 

韓国系移民の家族が、アメリカの田舎でファームを始める話です。久しぶりに父と母と一緒に映画館で観たので、思い出に残っています。

ふたつの大切にしたいもの……この映画の中では夢と家族でしたが、どうしても決断して、優先順位をつけなきゃいけないときってありますよね。私自身が何を大切にしたいのか、見つめ直す機会になった作品です」

きっかけはケーキ。渋谷からフードロス問題に取り組む大学生【虹希・19歳】
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https://steenz.jp/8610/

8. 中澤希公さん「刑務所の中の世界観もとても良かった」

19歳。大学生・DJ・巫女。目を背けがちな「死」をテーマに活動中。

『7番房の奇跡』

 

 

「子役の演技がうまくて、最後のお父さんとの別れのシーンで号泣してしまいました。家族の温かみも感じられたし、刑務所の中の世界観も、とても良かったです」

大学生・DJ・巫女。目を背けがちな「死」をテーマに活動する理由【中澤希公・19歳】
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「気になる10代名鑑」6人目は、中澤希公きくさん(19)。自身のキャッチコピーを「あの世とこの世の境界線に立つ女子大生」と命名し、『死』をテーマにした活動を続けています。そんな彼女のアクションの理由とは? 活動を始めたき […]
https://steenz.jp/8628/

人の関心事が多様化している時代であり、膨大な数の作品にネットでアクセスできる時代。それぞれの10代のパーソナルな視点から、さまざまなジャンルの映画が挙げられました。「観てみたい」と感じる作品は、ありましたか?

Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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