Teen's Snapshots

タイポグラフィ界のホープ。10代グラフィックデザイナー【工藤俊祐・18歳】

タイポグラフィ界のホープ。10代グラフィックデザイナー【工藤俊祐・18歳】

気になる10代名鑑」5人目は、大学生グラフィックデザイナーの工藤俊祐さん(18)。高校の文化祭のポスターで「STUDIO DESIGN AWARD2020」を受賞し、現在は美大に通いながら、すでにプロのデザイナーとしても活動中。そんな彼の、デザインとの出会いや付き合い方を伺いました。

■工藤俊祐を知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「東京生まれ、18歳。現在は武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科で、デザインを体系的に学んでいます。小さいころからデザインが好きでしたが、いちばん興味があるのはタイポグラフィという、字体やそれらの配列で生み出すデザイン領域です。

いつもタイポグラフィのことばかり考えているので…街を歩いていると店の看板やポスターが気になっちゃって大変です(笑)。でも、普段行かないような田舎の街を歩いて、手書き文字の古い看板とか、予想外のデザインと出会うのは好きで、フィルムカメラで写真を撮ったりしています」

Q2. デザインやタイポグラフィに興味を持ったきっかけは?

「小学4年生のときにパソコンでオンラインゲームをしていて、自分もデジタルデバイスで何か面白いものづくりができないかと思ったのが、デザインに興味を持ったきっかけです。それから有名なロゴのパロディをつくるのが趣味になったりして。

それから、スマホを初めて手に入れたとき、画像加工アプリに出会って『写真に文字を乗せるのって、なんかいいな』と感じて。これってジャンルとして成立するのかなって調べたとき『タイポグラフィ』というものにたどり着いたんです。

中2の冬、学芸大学駅にあるタイポグラフィ専門の古本店『BOOK&SONS』で見た、マックス・ビル展のポスターに感激して、もう自分はデザインだなって確信しました」

Q3. 高校時代は、どんな生活を送っていましたか?

自分の好きなことをのびのびやってました。自分がデザインをやってることを茶化す人がまったくいなくて、応援してくれる人ばかりで。学校のデザインは僕が独占してました(笑)。文化祭のパンフレットから卒業記念品まで、全部僕がデザインさせてもらっていました。自分の強みを生かさせてくれる環境がずっとあったことには感謝です」

Q4. 美大進学もスムーズでしたか?

美大に進む選択に対しては、親からも先生からも何も言われませんでした。ただ僕はデッサンがとても苦手で…。一時は、美大を諦めて総合大学のデザイン系の学部に行こうかなと考えたこともあったのですが、そこには自分が学びたいことはなかったので、腹をくくりました。

デッサンを頑張った先に、本当に学びたいことが待っているんだ、と考えて、なんとか頑張れました。多分、これまでの人生でいちばん努力したのは受験期です(笑)」

Q5. 普段はどんな友達と過ごすことが多いですか?

デザインやタイポグラフィに精通する人はもちろん、建築とかエンジニアリングとか、各々の領域で創作活動をしている人、それからファッションが好きな人も多いです。仲良くしてるのは年上の人が多いから、10代の友達と一緒にいる時間はそれほど多くないかもしれません」

Q6. 写真を撮るようになったきっかけは?

「祖父の遺品整理でフィルムカメラが出てきて、動くかなと思ってとりあえず使ってみたら、すっかりハマって。何でも『とりあえず』手を出してみることは僕のポリシーで、このおかげで自分の世界が広がっていっていると感じます」

Q7. 宝物はありますか?

「小学生のときに祖父に作ってもらった、名前入りのLEGOのキーホルダーです。ずっと大切に持っていて、自分の原点のようなものですね。昔からLEGOは好きでよく遊んでたんですけど、ものづくりに興味を持ったきっかけにもなってます」

Q8. これからどんな社会を見てみたいですか?

誰もがその個性を抑圧されない世の中に一層なっていけばいいなと感じています。自分はそれほど、同調圧力みたいなものを感じたことはないけれど、やっぱり技術や美術にすごく入り込んでいる人って、茶化されがちだと思うんです。

でも自分がここまで好きなことをやってこれたのも、周りの人の目を気にせず、興味あることを自由に手を伸ばせる雰囲気があったから。そういう環境で個性を伸ばし続けることは、やっぱり素敵なことだなって思うし、もっとそういう雰囲気が広がるといいなって思います」

Q9. 今後の展望は?

「まずは自分の興味あることにより没頭することですが、早くいろんなエキスパートの人たちと対等に渡り合えるような強みのあるデザイナーになりたいです。

『作って終わり』ではなく、僕にデザインを依頼してくれた人の未来をあたためて、花を開かせるようなデザインをしていきたいと考えています」

Q10. 同じ時代を生きる10代へのメッセージ

「一見無駄と思えることも、いざ経験してみると思わぬところでつながってくることが、この先いっぱいあるのではないでしょうか。

さまざまな経験が繋がって生まれる新たなアイデアで、一緒に面白いものを作っていけたらなと思っています」

■工藤俊祐の今日のファッション

コート/Juha ニット/Brooks Brothers (古着) ボトムス/古着 シューズ/SONSHINBAL

「きれいめなコーディネートが多いので、意外に思われることも多いのですが、古着をよく着ています。トレンドに逆張りする人間なので、自分しか持ってないものが好きで。一点モノやいま買えないモノが多い古着は、性に合ってると思います。今日は冬らしく寒色でまとめました」

■工藤俊祐のSNS

★Instagram

★公式HP

 

Shunsuke KUDOGraphic designer based in Tokyoshunsukekudo.com

 

Photo:Eri MiuraText:Tomoka UendoEdit:Takeshi Koh

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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