Teen's Snapshots

どんな自分も、愛してあげたい。ギャルに憧れるフェミニスト【コモモ・17歳】

どんな自分も、愛してあげたい。ギャルに憧れるフェミニスト【コモモ・17歳】

「気になる10代名鑑」の12人目は、「フェミニズム」を考える学生団体『imI -イムアイ-』の創設メンバーとして活動しているコモモさん(17)。幼いころは国連職員を夢見ていた彼女、今の憧れはギャルだという。「今はまだギャル見習いです」と話すコモモさんに、フェミニズムに目覚めたきっかけや、これからの活動のことを聞いてみました。

■コモモを知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「埼玉県出身の17歳。海外の大学への進学を目指して、都内にある国際系の高校に通っています。学業以外では、オンラインイベントを通じて知り合った仲間と、2020年に『imi-イムアイ-』という学生団体を立ち上げ、フェミニズムを軸に活動しています」

Q2. フェミニズムに興味をもったきっかけは?

「もともと、国際問題や社会問題に興味があったんです。将来は国連職員になりたくて、JICAの説明会を聞きに行くような小学生でした。

特に、女性の格差問題に強く関心があって、『because i am girl』っていう本を読んだときに、女性の格差っていうのは、途上国だけの話じゃないかもって感じ始めたんです。だって日本でも、『女性だから』っていう理由で、電車の中で怖い思いとか不快な思いをすることがあるから。このモヤモヤをなんて表すんだろう、と思っていたときに、ママがフェミニズムについて書かれた記事を送ってくれて、そこで初めて『フェミニズム』という言葉に出会いました」

Q3. 具体的にどんな活動をしているんですか?

「『imi-イムアイ-』では、不定期でフェミニズムにまつわるイベントを開催しています。最前線で活動されているアクティビストの方をゲストに招いてお話をしてもらったり。大人とか男性が参加してくれたこともありました。イベントごとに、TシャツやZINEといったプロダクトをつくることがあって、私はそのクリエイティブをつくることが多いかも。

メンバーは年齢も属性もバラバラ。あえて役職は決めないようにしているんです。お互い学業とかで忙しいことも多いから、うまく分担しながら進めています」

Q4. 普段はどんな友達と過ごすことが多いですか?

私のことを否定しないで好きだと思ってくれる人と、過ごしていたい。音楽の趣味とか、好みのテイストが合う友達といっしょにいることが多いです」

Q5. 最近、新しく始めた挑戦はある?

「ヘアダイ(※髪を染めること)、ネイル、アート鑑賞、インターンなど、いろいろなことにチャレンジしています。

この前、友達と『アートDAY』っていう日をつくって、いろんな美術展や個展に行きました。最近は『アナザー・エナジー展』に行ってきて、現代アートから、とても刺激を受けました。アートって難しくて、まだよくわかんないことも多いから、これからいろいろ知っていきたいなって思っています」

Q6. 幸せや生きがいを感じる瞬間はどんなときですか?

「私のやっていることを好きと言ってもらえるときとか、『私に出会えてよかった』と言ってもらえるときですね。

中学生のころ、体験プログラムがあってシリコンバレーへの訪問プログラムに参加したことがあるんです。そこで出会った子が、摂食障害に悩んでいて、辛かったときの話を私に打ち明けてくれて。最後には『もっとコモモちゃんに早く出会えてたら』って言ってくれたんです。私の存在が誰かの支えになれるって、すごく嬉しいなぁって思えた瞬間でした」

Q7. 大切にしているものや宝物はありますか?

スマホです。スマートフォンそのものというよりも、中に詰まっている写真だったり、繋がっている関係性だったり。

特にInstagramは、ファッション、音楽、お店…いろんなジャンルの好きな人、ものをフォローしているので、自分の脳内が詰まっているなぁと思います。大体、肌身離さず持っています」

Q8. これから、どんな社会になってほしいと思いますか?

誰ひとりとして、排除されない社会。周りの言葉に傷つけられたり、自然とできあがっていく『女の子だから』『男の子だから』といった、ステレオタイプだったりに殺されてほしくない。ルールや法律に塞がれて、『自分は〇〇だから〇〇はできない』『〇〇は諦めないといけない』って思うことなく、自分らしくあり続けられる社会になってほしいなぁと思います」

Q9. 今後の展望は?

大金稼ぐ、真面目なギャルになりたい。ギャルって、髪色やファッションが派手でも、実はよく社会を見ていて、真面目というか、しっかりしているというか。見た目も中身も真面目だったら、なんか、つまんない気がするんです。私はまだまだギャル見習いだと思っていて、水原希子ちゃんみたいなスタンスをもったギャルを目指したい。

お金を稼ぎたいのは、やっぱり自分が何かを始めたいと思ったきに、ちゃんと投資できるようにしたいから。いつかは、ボランティアとかNPOの運営に寄附ができるくらいになりたいなぁって思っています」

Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。

「人と違う自分も、みんなと同じ自分も、大好きなものを愛してる自分も、特に何も好きじゃない自分も、できる自分もできない自分も、全部が正解で、全部がかわいい。

絶対に誰かがあなたを大好きって心から思ってるし、見当たらなくてもまだ出会ってないだけかもしれない。だから、せめて自分だけは、自分自身のこと好きでいられるようにできたらいいな、と私は思います。

高いところから自分を見て、病むときは優しくしてあげて、ひとつできたときは褒めちぎってあげたら、きっとちょっと自分が愛おしくなるはず」

■コモモの今日のファッション

ニット・パンツ/jouetie ブーツ/ママのおさがり

「染めたばっかりのピンクの髪とネイルが映えるように、色はシンプルめにしつつ、袖のシルエットで独特な感じを出しました。好きなブランドはjouetie。周りと被らない色や形がドストライク!」

■コモモのSNS

★Instagram 

Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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