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ホテルを使わずにアフリカで9ヶ月、どう過ごす?Hao in UGANDA #6【Steenz Abroad】

ホテルを使わずにアフリカで9ヶ月、どう過ごす?Hao in UGANDA #6【Steenz Abroad】

今回の”Hao in UGANDA”は、ウガンダ移住前の4年前、9ヵ月間アフリカを縦断したわたしが、ホテルを使わずにどうやって旅をしたのか紹介します。

そもそもなぜわざわざホテルを使わずに旅をしようと思ったかというと、この旅の目的が移住先を決めることだったから。移住したあとの暮らしをしっかりイメージしたかったので、現地の人と同じ暮らしをしてみようと決めていたんです。、旅をしながら出会った現地の人に数珠つなぎのように人を紹介してもらってホームステイを続けた結果、50以上のおうちに泊めていただきました。

あまりに魅力的だったアフリカの日常に出会う

西アフリカ西部の国シエラレオネで旅しているとき、同じく旅行中のガンビア人と意気投合しました。シエラレオネの次に渡航する国は決めていなかったのですが、彼は「2週間後にガンビアに帰省するから来なよ」と言うので、急遽ガンビア行きが決まり、12人家族の家で泊めさせてもらうことになりました。電気は1日に1時間くらいしか使えない村だったので、家に到着するころにはまっくら。そんな暗闇の中、スマートフォンの光をたよりに彼のお母さんの作ってくれた夜ごはんをいただきました。

旅の疲れもありその日はぐっすり寝ましたが、朝、起床すると庭のマンゴーの木の下で家族の日課である家族会議が開かれていました。ホストブラザーてづくりの甘い紅茶を飲みながら、木の下で家族でのんびり過ごす1日のはじまりはあまりにも心地よく、この家族と打ち解けたいという気持ちが強くなっていきました。

それから毎日、近所の子どもと遊んだり、お母さんの料理を手伝ったり、ヤギと散歩したり、ここで過ごした日々は、私のアフリカ移住の夢が「夢から現実になるんだ」と実感した大きなきっかけとなりました。

エジプトを訪れた際は、以前、旅行先のドバイで出会ったエジプト人に泊めてくれる人を紹介してもらいました。ラマダンの時期の渡航だったため、日が沈んでから真夜中に友達や家族と集まって豪華な食事をいただきながら和気あいあいとする日々は新鮮でした。

そのエジプトで、縁あって、俳優の家に泊まったときは、本人のドキュメンタリー番組の撮影でテレビ局が訪問しにきたこともありました。ラマダンが終わってからは、エジプトでできた友達に北部の海の街を大人数のグループで旅行するからと誘ってもらい、そのうちのひとりが所有する別荘に泊めてもらいました。

ウガンダを訪れた際は、エジプトで出会ったイエメン人がウガンダ人を紹介してくれました。滞在中、13日連続で水道と電気(もともとガスはない)が止まってしまったときは、15分歩いた先にある雨水タンクから水を補給するため、15Lのジェリカンを両手に持って1日になんども往復しました。わたしはその友人に泊めてもらったお礼がしたかったので、要望を聞いてみると、彼が遊びやデートに行くときに、彼が経営する洋服屋で店番をしていてほしいとの返事がありました。それからは数日間、商品の説明も値段すらもわからない状態で、ウガンダ人に洋服を売り込みました。

また、旅中に出会ったルワンダ人が所有する島でキャンプをして、テントで寝たこともありました。インフラは何も整っていない島でしたが、鳥の鳴き声で目覚め、キャンプファイヤーの火でうとうとしながら1日を締めくくる生活は、「これ以上求めるものなんてない」と感じました。

ケニアでは、ツアー中のアーティストの友人ができると、彼らの滞在先のAirbnbやホテルに泊めてもらうこともありました。起床すると同時にDJの生セットが聴こえてきたのは感動的で、4年経ったいま、彼らは私が主催するイベントでパフォーマンスしてくれています。

家探しが目的の旅立ったけれど……

そのほかにも、NGOや孤児院に泊めてもらうこともありました。そこで子どもと同じ食事をいただいて同じ場所で寝るという経験は、彼らにとっても外国人である私に対する恐怖心を減らし、少しでも身近に感じてもらうきっかけになると思いました。

家探しが目的だったこの旅ですが、学びの多い体験になりました。同じアフリカでも、食べ物や家、洋服といった目に見えるものだけでなく、ベッドメイキングや歯磨きの仕方、シャワーの浴び方などひとつとっても文化の違いが見られるし、、同じ国の中でも「都市と村」「家族とひとり暮らし」「お金持ちとその家のお手伝いさん」といった間でもおおきな違いがありました。

わたしが移住したウガンダは、ホームステイの期間がもっとも長く、家族構成も職種も収入も異なる人々に泊めてもらった上で、一生関わっていきたいと思える人々に出会った国です。現地の人と同じ屋根の下で同じ生活をさせてもらうという体験によって、外国人観光客という立場から、生活者になることでの国を見る視点が一気に増えました。

次回は「アフリカに来るなら今すぐ来たほうが良い?急速な発展が進むからこそ今のアフリカを見てほしいワケ。」をお届けします。

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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