
若手俳優の発掘・育成プロジェクト『私の卒業』。誰もが経験する「卒業」をテーマに、仲間との別れ、未来への希望を胸に抱くドラマを、オリジナルの映画として制作してきました。
その第6期となる『80年後のあなたへ』が公開。今回も、1300名以上の応募者の中から選ばれたキャストに、『Steenz』が単独インタビューを実施。第4弾は、平田風果さんをフィーチャーします。
今作『80年後のあなたへ』で、自分の歌と音楽を届けたいという夢を持つ生徒会役員、小野塚智美役を演じた平田風果さん。幼少期から芸能活動をはじめ、テレビドラマや映画に出演してきた平田さんに、撮影での印象的なエピソードや、目指す俳優像について詳しく伺いました。
青春も、平和も。観る人がいろんなことを考えるきっかけになってほしい
―脚本をはじめて読んだとき、この映画が持つメッセージは何だと思いましたか?
「いまの時代、戦争が結構前のことのように感じられると思うんですけど、80年前っていうと、わたしのひいおばあちゃんとかの世代になるので、そこまで遠い出来事でもないなって思って。でも今後、戦争を経験されてきた世代は、亡くなられるひとも増えていくじゃないですか。
だからこそ、わたしたちが戦争を経験せず、平和に過ごせているのはすごいことなんだと若い世代に伝えたいのかなってはじめに感じました。その印象は、撮影が進むなかでも変わることがなかったです。
平和がひとつの大きなテーマになっているけど、高校生の青春も、この作品の大切な要素です。特に、わたしの同年代や、それより下の世代のひとに、甘酸っぱいキラキラした学生生活を見ていただきながら、戦争と平和について考えるきっかけになってほしいです」
―名古屋でロケをした感想を聞かせてください!
「名古屋は、東京よりも暖かいだろうって思っていたんですけれど、想像より寒かったです(笑)
撮影がないタイミングやお休みの日に、近くの大きなイオンに行って、そこに入っているゲームセンターでプリクラを撮ったりしました。朝、何もないときは、みんなで近くの喫茶店に行って朝ごはんを食べたりもして。そのときにオーナーのおばあちゃんが、フルーツを無料でサービスしてくれました。思い出がたくさんできましたね。
作中に登場する矢場とんのとんかつを食べに行ったりもしました。何回も訪れて、いろんなメニューを試して楽しんで。特にヒレカツは、食べやすくて美味しくて、大好きになりました!」
―役柄とご自身の共通点や、演じていて印象的だったシーンは?
「智美ちゃんは優柔不断だったり、ちょっと抜けているところのあるキャラクターで。わたしも優柔不断なので、そのあたりは自分と重ね合わせながら演じました。
印象的だったのは、謙太郎役の中川翼くんと、あゆみ役の村上なずなちゃんとの3人で撮ったシーン。ふたりともメインキャストなので、責任重大だと思ってすごく緊張したけれど、智美ちゃんはその場面ではじめて自分の意思表示をするんです。彼女が自分自身の殻を破る大切なシーンだったので、そこはわたしも自信を持って、新しい一面を出せたんじゃないかなと思っています」
メンバーは、互いを高め合える最高の仲間
―ワークショップが始まったときの気持ちを教えてください。
「はじめに、演技力などを基準にAチームとBチームに分けられるのですが、そのチーム分けで自分がどっちに入るんだろうってすごくドキドキしてて。プロデューサーの高石さんに、Aチームと言われたときは信じられない気持ちでした。もちろん嬉しさもあったけれど、Bチームから途中で上がってくるひとたちの勢いがすごいということも、以前の『私の卒業』でのドキュメンタリーを見て知っていたので、緊張感も生まれました」
―ワークショップや撮影を通して、キャストの仲間と1つのクラスみたいな仲になるとお聞きしたのですが、その反面、メインキャストを勝ち取るために競い合う関係性でもあったと思います。そのあたりは、どういうふうに感じてましたか?
「ライバルというよりも仲間っていう意識の方が強かったです。キャストのみんなのことは、高め合える仲間だと思っています。
競い合ってここまで来たメンバーだからこそ、撮影中にいろいろ助け合ったりとか、アイデアを出し合ったりできて。普段なら言わないことも、良い作品を作るために伝えていく必要があったので、普通に出会うだけでは築けないような、より深い友達関係ができあがったと思います。
刺激を受けたメンバーは、外山すみれ役を演じた沢田京海ちゃんです。自分の新しいアイデアを演技に落とし込むことができるひとで、そういう捉え方もあるんだなってはっとするような、自分にはない考えを持っていて。すごく刺激されました。」
―プロジェクトを通じて、ご自身が変わったなと思うところはありますか?
「わたしはすごく緊張しやすいタイプなんです。オーディションでは、頭が真っ白になっちゃうこともありました。でも、このワークショップを受けてからはセリフがとんじゃうことも少なくなって。以前よりプレッシャーに強くなったんじゃないかなと思います」
どんな役にもぴったりとはまる役者になりたい
―ここからは、平田さん自身のことについて質問させてください。この世界に入ったきっかけは?
「わたしはもともと人見知りが激しくって。お母さんの知人に芸能関係の人がいて、それを伝えたら、克服のためにもオーディション受けてみたら?と言われたんです。小学1年生の時に合格して、芸能界に入りました。
はじめは自分の意思でやりたいとは思ってなかったけれど、中学1年生のときに『美味しい給食』という作品に出演したときに、同世代の子たちに刺激を受けました。現場もすごく楽しくって、わたしももっと頑張りたいって思って。お仕事を本気でやってみようと決意するきっかけになりました」
―お芝居の楽しさはどこにあると思いますか?
「ひとつは、役を通じて自分が今後経験しないであろう職業や自分とはちがう性格の子を演じることができるところ。もうひとつは、放送されたときに自分の演技を見て、まわりの方々に『良かったよ』って言ってもらえる瞬間です。本当に嬉しくて、また頑張ろうっていう気持ちになれるし、お芝居をやっててよかったと思えます!」
―芸能活動で、大変だと感じることはありますか?
「ありますね。高校時代は芸能クラスに所属していて、周りの子も芸能をやっていたので、みんなそれぞれの道で活躍していて。わたしも追いつかなきゃ、っていうプレッシャーがありました。
でもその気持ちに押しつぶされるんじゃなくて、人より努力しようって考えるようにしていました。頑張って取り組んで、それが成果に出なかったらやっぱり自分の努力不足だと思うので。とりあえずやれるだけやり尽くして、一回眠って頭をリセットして、そのスッキリした気分のまま挑んでいく。そういうふうにしてモチベーションを保っています」
―今後の目標を聞かせてください!
「直近の目標は、大学生活が最近始まったので、勉強とお仕事をしっかりと両立することです。
今後の目標は朝ドラに出ることです!ワークショップ中、なんだか朝ドラみたいだねって言われたことがあって。朝ドラに出演したいって改めて思いました。目指す俳優像は、どんな役もぴったりはまるような、いわゆるカメレオン俳優です。ワークショップ中も『カメちゃん』って呼んでくださいって言っていたんですけど(笑) この役が平田風果でよかった、適役だって思ってもらえるような女優さんになりたいです」
―ありがとうございました!
私の卒業-第6期-『80年後のあなたへ』概要
■公開日
2025年5月16日(金)全国ロードショー
■あらすじ
平和の日が制定できたが、果たしてこれで終わりで良いのだろうか? と考えを巡らせる生徒会長の女の子。
その彼女に想いを抱き、代々続く有松絞りの実家の跡を継ぐ決意をした男の子。
戦争時は疎開先として、戦争の被害にあっていない街、犬山市。
その犬山市に住み、訳あって心を閉ざしている女の子と、矢場とんが大好きな陽気な元野球部員との恋物語。お婆ちゃんからもらった大切なメガネをかけた女の子が、イメチェンをはかる成長物語。
夢を語れずにラジオ局でアルバイトしている大学生の女の子とディレクターの恋。
そんな7人の人物を軸に、戦後80年という節目に、この先の未来に残したいものは何か、という問いに向き合っていき、それぞれが一歩前に踏み出していく青春群像劇。
■予告編
■作品情報
私の卒業 -第6期- 『80年後のあなたへ 』
【私の卒業プロジェクト第6期 出演者】
渡邉このみ 中川翼 向井怜衣 岩崎碧 滝口芽里衣 皆瀬翔 村上なずな 寺島季咲 沢田京海 平田風果 千葉青八 鈴木夢 國分瑠真 瀧澤僚太 櫻井亜蓮 内山優花 野崎珠愛 Hitomi 山本藍 平川丈 川口飛雄我 斎藤さらら 松岡拳紀介
脚本・プロデュース:髙石明彦 音楽:平野真奈
監督:北川瞳 プロデューサー:宮﨑和明
主題歌:乃紫 「透明の楽譜」 (MR8/MIJ Quality Records)
製作:深川辰巳 浦出高史 飯田義典 服部徹
撮影:小野貴宏 映像:佐藤隆彦 照明:後藤史兆 録音:金子徹 美術:小林大輔 編集:伊豆光沙 選曲:泉清二
スタイリスト:上田摩耶 ヘアメイク:駒水友紀 磯﨑智香 音響効果:荒川翔太郎 制作担当:松橋典生
協賛:矢場とん コロナワールド 菅公学生服
企画・制作・配給:THE ICON ◎私の卒業第6期製作委員会2025
公式ホームページ https://watasotsu.com/
公式X https://x.com/sotsupro
公式Instagram https://www.instagram.com/sotsupro/
公式TikTok https://www.tiktok.com/@watasotsu
平田風果のプロフィール
名前:ひらたふうか
年齢:18歳
誕生日:2007年1月6日
出身地:東京都
特技:トランペット
Photo:Kaori Someya
Text:Yuzuki Nishikawa