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神奈川出身の高校生が一体なぜ?和紙をテーマに愛媛のとある町を盛り上げ中【髙木涼花・17歳】

神奈川出身の高校生が一体なぜ?和紙をテーマに愛媛のとある町を盛り上げ中【髙木涼花・17歳】

「気になる10代名鑑」の961人目は、髙木涼花さん(17)。和紙に魅了されて、出身地の神奈川県から遠く離れた愛媛県内子町の和紙の良さを広めるために活動しています。和紙のイベント運営を手がけた経験もある髙木さんに、活動を始めたきっかけや原動力について詳しく聞いてみました。

髙木涼花を知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。

愛媛県内子町を和紙で活性化させることを目標に活動しています。内子町の和紙の価値を知ってもらうため、現地の職人さんに直接お話を聞いたり、和紙と書道の魅力を伝えたりする活動を企画・運営しています。

昨年12月には、神奈川県の小学生向けに、内子町産の和紙ランプづくりイベントを開催しました。企画から全てをひとりでおこなったのでとても大変でしたが、約40人の子が集まってくれて。普段書道をしない子どもたちが、楽しそうに和紙に触れていてすごく嬉しかったです。忘れられない、充実した1日になりました」

Q2.活動を始めたきっかけは?

親から勧められて、3歳から書道を習いはじめました。はじめは乗り気ではなかったんですけど、やっているうちに精神統一の手段になって、気づけば生活の一部になっていましたね。

すると、書道をするうちに、和紙の重要さがだんだんとわかってきたんです。紙によって文字の質感が変わるなって。

和紙には日本の細やかな技術が生きていて、書いているとそれぞれの和紙で感触が違うなって気づきました。いろいろと調べていくうちに、愛媛県内子町で作られる和紙の品質が高いこと、それにもかかわらず後継者がひとりしかいないことを知ったんです。

こうして、高校1年生の7月、親に頼んで内子町を訪問することにしました。実際に和紙を製造している天神産紙工場を見学したことで、いっそう愛着が湧いてきて。、この文化を絶やさないために自分にできることはないかと考えはじめたことが、いまの活動の原点になっています」

Q3.活動している中で、印象的だった出来事は?

八丈島での、2泊3日の地域活性プログラムです。地域創生という共通点から、勉強を兼ねて参加しました。八丈島の特性を活かした案を考えるということだったので、都会で疲れたひとたちを呼び込むための旅行のプランを立てようってことになって。

その中で八丈島の魅力を考えたときに、風の音や波の音がよく聞こえるところとか、潮の匂いがするとか、小さなことだけど、都会にはない強みがいっぱい出てきたんです。

観光スポットがあるとか、豪華な特産品があるとか、そんな大々的なものでなくても、ありのままの地域の特色をアピールすることが大事だと気づけて。これは、自分の活動にも落とし込めるんじゃないかと思いました」

Q4.活動するうえで、大切にしていることは?

「自分で一方的に話すと、うまく話せてるかなとか、いろいろ考えてしまうタイプなんです。なので、人の話を深く聞くことが私のスタンスです。相手の想いに寄り添うことでも、新たな視点や学びが得られるし、信頼関係を築くうえでも大切な力になっていると感じています。

この力は活動でも活きていますね。内子町の職人さんにとっては、遠くからやって来た見ず知らずの女子高生だったわたしですが、いまでは電話でやり取りをしたり、お手紙をいただいたりしていて、応援してもらっています!」

Q5.将来の展望は?

将来は、地域の個性を活かした都市開発に携わりたいです。全国どこでも見られるような再開発ではなく、そこに住む人びとの記憶や文化を活かす地域づくりをしたい。伝統や文化が『古いもの』としてではなく、『誇り』として次世代に継がれていく社会をつくりたいです。そのためにもいまは、和紙をきっかけに内子町に眠る価値を再発見してもらう活動を続けていきます。

あと、海外にも内子町の和紙をアピールできるような手段を確立させたいです。ヨーロッパには芸術系に関心がある国がたくさんあるので、和紙をアートとして用いた展覧会ができたらいいなと思っていて。あとは、内子町の和紙はネット販売をしていないので、もっと手に届きやすくなれば広まるんじゃないかと考えています。ハードルはまだ高いですが、頑張りたいと思います!」

髙木涼花のプロフィール

年齢:17歳
出身地:神奈川県横浜市保土ヶ谷区
所属:神奈川県立光陵高校、二つ台みーとみーと
趣味:書道
特技:書道
大切にしている言葉:あなたがこの世で見たいと願う変化に、あなた自身がなりなさい(マハトマ・ガンディー)

Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa

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