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健康のための「お弁当アプリ」を開発。若者の食生活をテクノロジーから支えたい高校生【吉田祐梨・15歳】

健康のための「お弁当アプリ」を開発。若者の食生活をテクノロジーから支えたい高校生【吉田祐梨・15歳】

「気になる10代名鑑」の950人目は、吉田祐梨よしだゆり(15)。若者の食生活をテクノロジーの力で支えたいと、中学生の頃からアプリ開発に取り組んでいます。これまで数々のアプリ開発コンテストに参加してきた吉田さんに、活動のきっかけや今後の展望について話を聞きました。

吉田祐梨を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れていることは?

『ITの力で若者に豊かな食生活を届ける』という軸のもと、アプリ開発やビジネスプランの提案に取り組んでいます。中学2年生の時から1年間、簡単に彩り豊かなお弁当を作る、『BentoColor-テンプレート』というアプリを開発したことがあります。さらに、『AbsoluteU18』という起業家育成プログラムでは、健康的な食事でポイントが貯まる新アプリ『PlateColor』を提案しました。

いまは、大学生と協力して給食の廃棄率を減らすアプリを開発している最中です。また、来年度からアメリカへ留学するのですが、そこでは、日米の若者の食生活における時短傾向を研究する予定です」

 

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Q2. 活動を始めたきっかけは?

「きっかけはふたつあります。ひとつは、生活保護課で働く母から、『時間がない』『面倒くさい』などの食生活の乱れが精神疾患を発症して、生活が破綻してしまうケースを聞いたことです。食事が単なる栄養補給ではなく、心の健康にも大きく関わると知って、食事が大事を強く実感しました。

もう1つは、身近な友だちの変化を目の当たりにしたことです。以前は毎日お弁当を持参していた友だちが、忙しさを理由に昼食を菓子パンだけで済ませるようになっていって……。その様子を見たとき、母の話と重なり、その子の健康がすごく心配になったんです。

おいしくて健康的な食事を、手軽で負担なく楽しめるようにしたい……そして、それをテクノロジーの力で解決できないかと考えるようになりました

Q3.活動にあたってのファーストアクションは?

「最初に起こしたアクションは、中学1年生のときにアプリ開発のコンテストに参加したことです。そこから、食に対しても何かアプローチできないかと、中学2年生の時、『アプリ甲子園』のアイデア部門に応募しました。

そのお題が、江崎グリコ株式会社の『テクノロジーを活用して、楽しみながらすこやかな食生活を送るためのアイデア』というものだったんです。お弁当アプリ『BentoColor』のアイデアを発表したのも、このコンテストでした。このアプリは、テンプレートに沿っておかずを選ぶことで彩りのよいお弁当を作れるだけでなく、さらにお弁当の写真から彩りを採点してくれるというもので、結果『グリコ賞』を受賞しました!

その後、未踏ジュニアという中高生のプロダクト開発を支援するプログラムにも採択され、メンターのひとからプログラミングを学びながら、BentoColorを実際に開発・完成させました。完成したアプリを翌年の『アプリ甲子園』の、今度は開発部門に応募したんですが、またまた『グリコ賞』をいただいて、さらに準優勝という結果を残すことができました。BentoColorのおかげで、活動の幅がどんどん広がっていきました!」

 

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Q4. 活動をを通して、実現したいビジョンは?

すべての若者が経済的な制約なく、美味しく健康的な食生活を送れる社会を実現することです。

いまは多くの若者が、健康的な食事は高いという理由からファストフードやインスタント食品に頼らざるを得ない状況があります。テクノロジーを活用してこの固定概念を覆して、手頃な価格で栄養バランスの良い食事を実現したいと考えています。

また、こうした取り組みを通じて『若者の心身の健康を支える新しい食文化を創造すること』も目指しています。今後は、留学先でアメリカと日本の若者の食生活を比較研究し、その知見をアプリ開発に活かしていきたいです」

Q5. 将来の展望は?

「いまはアプリ開発に力を入れているけれど、正直アプリだけでは問題の根本解決には至らないと考えています。なので、将来的には食品開発に取り組んで、この課題に直接アプローチできる企業を立ち上げることが夢です。

過去にはみんなに受け入れられるものを作ろうとするあまり、批判的な意見までもを取り入れて、自分のやりたいことを見失ってしまったことがありました。でも、プログラムのメンターのひとに『納得しない意見を無理して受け入れるより、自分に共感してくれるひとを探すほうが大事』と言われたことがあって。その言葉はいまでも自分の軸になっていて、これからもそれを大切にしながら活動していきたいです」

吉田祐梨のプロフィール

年齢:15歳
出身地:東京都
所属:東京都立南多摩中等教育学校、未踏ジュニア、次世代リーダー育成道場
趣味:プログラミング
特技:アイデアを出すこと・ピアノ
大切にしている言葉:やらない後悔よりやって大成功

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Photo:Nanako Araie
Text:Honori Kukimoto

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Atsuko Arahata

エディター

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