
「気になる10代名鑑」の944人目は、三神百花さん(17)。マラウイ共和国の子どもたちの給食支援をする団体に所属し、コーヒーの販売や貧困の現状を発信しています。カトリックの教えで学んだ「もうひとりの友」のためにできることを探し、行動する三神さんの原動力に迫ります。
三神百花を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「『NPO法人せいぼ』というマラウイ共和国の子どもたちの給食支援を行う団体に入って、マラウイ産コーヒーの販売や、ご飯が食べられない子どもたちがいるというマラウイの現状を広める活動をしています。
学校内ではずっと好きだったダンスを続け、ダンス部の部長もしています!」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小学生のころに『貧困に苦しむ海外の子ども達も、見えないけれど自分たちの友だちのひとりなんだよ』というカトリックの教えを先生から聞いたんです。それを聞いて”もうひとりの友”のために自分にできることはなんだろうと考えるようになりました。
そこから、ユニセフ募金や発展途上国などへの物資支援などをおこなうようになっていったのですが、高校生になっても“もうひとりの友”のために自分にできることを探したいと思って。課外授業でNPOせいぼの授業を履修して、マラウイの子供達のために活動しようと決めました」
Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「学校の親睦会でマラウイのコーヒーを販売した経験です。わたしは行動の第一歩は”知る”ことだと思っているので、この機会にマラウイについて、生徒や保護者など多くのひとに知ってもらいたいと思ったんです。
『1杯300円のこのコーヒーを買ってくれると、マラウイの子供が12人も給食を食べれるんだよ』と伝えると『そんな国があるって知らなかった!』『もっとこの活動が広がってほしい』と感想をもらえて。直接お話しして自分の手でコーヒーを売ったからこその達成感がありました。
それに、この親睦会ではNPOせいぼの活動で過去最高の売り上げを達成できたんです!それだけ多くのひとに活動を知ってもらえたのだと思うととても嬉しかったです」
Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?
「他人の立場になって考えることをすごく大切にしているんです。これも、カトリックの教えで学んだことなのかなって。
NPOせいぼに入って活動をしていること自体もマラウイの国の子供達の役に立てたらと強く思っているからです。でも、それだけじゃなくて、コーヒー販売を通して日本のひとにマラウイの現状を伝えるときも、状況をイメージしやすいように相手に合わせて伝え方を変えるようにしています。
例えば小学生が相手だったら『マラウイって国、知ってる?』という質問から始め『いつもみんなが食べている給食を食べられない子がいるんだよ』と自分の生活と関連付けてイメージできるように話をしていますね。
さらに、ダンス部の発表会でも同じことが言えると思っていて。ダンスが好きな自分だけを考えたら、踊っているだけでも楽しいんです。でも、見てくれるひとを巻き込むことも必要じゃないですか。だから、発表の間は生の声でアナウンスを入れたり、クイズを出したりといった工夫も意識しています」
Q5. 将来の展望は?
「誰かの役に立つ大人になることがいま一番の目標です。
置かれた環境で目の前にいるひとのために自分にできることを考えて、誰かのために常に動ける存在でありたいです。
そのためにも、まずはNPOせいぼの活動を精力的に続けていきたいと思っています。受験があるので一度活動のペースは落ちてしまうけど、大学生になっても積極的に関わり続けたいです」
三神百花のプロフィール
年齢:17歳
出身地:東京都中野区
所属:光塩女子学院高等科、NPOせいぼ
趣味・特技:ダンス
大切にしている言葉:挑戦と成長
Photo:Nanako Araie
Text:Rinna Koike