
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは、「カメラアプリ」。フィルターで盛る派? それともノーマルカメラでありのまま派? 10代は、自分の『好き』をどんなふうに写真で表現しているのでしょうか。お気に入りのアプリやそのこだわりについて、4人のティーンに聞いてみました。
1. 歩さん「Lightroomで編集すると、“自分の写真”って実感がある」

伝統工芸と現代アートの融合をテーマに創作活動をおこなっている18歳。
「わたしは、『Lightroom』を使っています。Adobeが提供している写真編集アプリなんですが、明るさや色味の調整、トーンカーブの調整などが直感的にできて、スマホでも本格的なレタッチができるんです。
写真を撮ったあと、自分なりに“この色がいいかな”って考えながら編集する時間が好きなんです。同じAdobeのアプリでも、操作が複雑な『Photoshop』よりも手軽で使いやすいし、自分でひとつひとつ調整するから、フィルターでサッと済ませるより“これは私の写真だ”って実感が湧くんです」
2. ゆなさん「自然に盛れるフィルターが好き。光がふんわり入る感じが理想です」

ウェルビーイング教育をテーマに、個人や企業向けに学びの機会を提供する活動をしている18歳。
「撮影は基本的にiPhoneのカメラで撮っています!
編集は『VSCO』や『SNOW』を使っていて、自然に盛れるフィルターが好きです。特に、光がふんわり入る感じのフィルターを使うことが多いですね。
最近はAI補正もすごくて、ワンタッチで肌がきれいに見えるのがありがたい。もっとシンプルで、ナチュラルに盛れる機能が増えてくれたら嬉しいなって思います」
3. 紙谷凛さん「美しいと思って撮られたものより、日常の瞬間のほうが美しい」

中学生のころから映像制作を始め、現在はプロジェクションマッピングを手掛けるほか、ドローンのオペレーションについても学んでいる17歳。
「ノーマルカメラしか使わないんです。フィルターやアプリが悪いとは全く思っていませんが、あえて理由を挙げるなら、『美しいと思って撮られたものに、もう美しさはない』と思っていて。
たとえば、『日常のとある瞬間ひとつひとつを切り取ってそれが美しくなる』その気づきがある世界が、もっと広がっていったらいいなと思っています」
4. けんけんさん「ノーマルで撮って、あとで編集しています」

多摩美術大学でプロダクトデザインを学びながら、工場地帯のような人間の持つパワーを感じる風景を、“光”に対するこだわりを軸に表現している19歳。
「基本はノーマルで撮影して、あとからiPhoneの写真アプリで編集しています。
フィルターをかけるというよりは、明るさや彩度を自分で調整する感じです。インスタのストーリーにあるフィルターは、たまに遊び感覚で使うこともあります」
アプリを使いこなすひともいますが、意外にもノーマルのカメラアプリを使うひとが多いようです。自分らしさや、その瞬間の美しさを表現するためのこだわりや哲学が垣間見えました。これからも10代の関心ごとや、彼らのリアルな視点と声をお伝えしていきます!
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano