
「気になる10代名鑑」の941人目は、藤田武蔵さん(19)。大学に通いながら、体育会ラグビー部で日々鍛錬を積む一方、友人と始めた営業代行や「センキョ割」の運営に携わっています。中学の時の病気の経験がきっかけで社会課題へ興味を持ち始めたという藤田さんに、活動での悩みや今後の展望について根掘り葉掘り聞いてみました。
藤田武蔵を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることは何ですか?
「大学のラグビー部に所属しながら、営業活動と『センキョ割』の活動に励んでいます。
普段は部活で忙しいのですが、隙間時間を活用して、SNSマーケティングや不動産の営業をしています。相手に分かりやすく情報を伝えることを大切に、自分自身も知識を深めている毎日です。
『センキョ割』は、選挙に行ったひとが飲食店やレジャー施設で割引を受けられるという仕組みです。多くのひとに日本の未来について考えるきっかけを提供したいという想いで活動しています」
Q2. 活動を始めるようになったきっかけは?
「もともと、『世界の絶対的貧困をなくしたい』という夢がありました。
中学生のころに感染症にかかって、5日間ほど食事ができなかったことがあったんです。そこから、世界中には飢餓で命を落とす人が多くいるという現実を意識するようになりました。さらに、高校生のときインドのスラム街を訪れたことも衝撃的でした。自分の腕を傷つけてまで物乞いをするひとの姿を目の当たりにし、貧困についてまた考えるようになりました。
でも、何もできない自分にできることは、まずは自分の能力を高めることだと気づいて。このインドの経験が、まずはさまざまなことに挑戦し、経験を積んでいこうと決意したきっかけとなりました。いまはまだできることは限られていますが、それでも自分にできることを精一杯やりたいという思いで活動を続けています」
Q3. 影響を与えた人物は?
「影響を与えた人物は、浅川智仁さんと佐藤章太郎さんです。
浅川智仁さんは、The Japan Timesの『アジアを代表する次世代の経営者100人』に選出された営業コンサルタントの方です。営業について一から学ばせていただきました。地元のカフェで偶然お見かけしたときに、直感で『オーラがすごい方だ』と感じ、思い切って声をかけたのがご縁の始まりです。毎日刺激をもらっていて、自分も頑張らなければと背中を押されています。
佐藤章太郎さんは、センキョ割の取り組みを始めた方で、高校時代の塾の先生でもありました。僕が営業活動に力を入れていることを知り、声をかけていただいたことで、現在センキョ割における営業活動をともにしています。日本の未来を本気で考え、行動し続けるその姿勢は、自分自身も大切にしたい価値観であり、これからも受け継いでいきたいと思っています」
Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「『世界の絶対的貧困をなくしたい』という目標が大きいために、自分が今何をしたいのか分からなくなることがあります。結果が目に見えにくく、『自分はどれくらい貢献できたのか』と考えてしまうこともあります。
でも、自分が死ぬときに後悔のない人生を送りたいという想いは強くあって。だからこそ、小さなことでも『やろう』と思ったことには全力で取り組み、一歩ずつでも進んでいきたいと考えています」
Q5. 将来の展望は?
「世界で一番かっこいい男になりたいです。ただ、それは見た目の話ではなく、自分にしかできないことを成し遂げるという意味での『かっこよさ』です。
今は、貧困を救いたい、日本をよくしたいなど多くの想いを持っていますが、それに向けた具体的な道筋がまだ見えていません。けれど、だからこそ挑戦できることも多いと考えていて。これからさまざまな経験を積む中で、自分のビジョンをより明確にしていきたいです。いまは、そのために目の前のことに全力で取り組んでいきます!」
藤田武蔵のプロフィール
年齢:19歳
出身地:鹿児島県鹿屋市
所属:青山学院大学体育会ラグビー部
趣味・特技:会話・ラグビー
大切にしている言葉: 「志、士魂商才」
Photo:Eri Miura
Text:Honori Kukimoto