
「気になる10代名鑑」の945人目は、水野美咲さん(18)。「まずはやってみる」という精神から、静岡で観光をテーマに活動しています。高校時代のインドネシアでの留学経験がきっかけだったと話す美咲さんに、そのエピソードや静岡で実際に取り組んでいるお茶の企画について根掘り葉掘り聞いてみました。
水野美咲を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「静岡のすべての人が幸せに暮らせるまちづくりをテーマに活動する『学生団体Fuji’s teens』に所属しています。この団体は、2024年10月に静岡の学生たちが“地元を盛り上げたい”という想いから立ち上げました。
現在は、静岡の名産品であるお茶と、世界各国のお茶をブレンドして楽しむ“お茶のブレンド体験イベント”の企画・運営を担当しています。そのほか、トビタテ!留学JAPANの地域拠点事業にも関わっており、書類や面接審査のサポートも行っています。
静岡をもっと面白く、魅力的な場所にしていくには、どんなことができるだろう?と、日々模索しながら活動しています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「きっかけは、昨年参加した短期留学です。観光をテーマに、インドネシア・バリ島へ3日間短期留学を経験しました。現地では、教育や貧困といった社会課題に取り組む人々と出会い、多様な価値観に触れることができました。
帰国後、静岡にも同じように熱い想いを持った仲間がいることを知って、いまの団体に参加することに。メンバーの行動力に日々刺激を受けています。たとえば、お土産づくりイベントのアイデアが出た翌日には、すでに企画書を作っているメンバーがいたんです。
そんな仲間といっしょに本気で取り組むからこそ、自分も本気になれる。わたしたちの活動が、中高生などの下の世代にとって、“挑戦してみたい”と思えるきっかけになればうれしいとも思っています」
Q3. 活動するうえで、大切にしていることは?
「『まずは、やってみる』という姿勢を大切にしています。高校に入ったばかりのころ、どこか日々が物足りなくて、『このままじゃつまらないな』と感じていたんです。そんな時に思い切って、オーストラリアへの3週間の語学留学と、インドネシアへの3日間のインターン付き短期留学に挑戦しました。
インドネシアでは、ホテルのインターンシップに参加したんです。ホテルでのインターンシップでは、言葉が通じないなかでも、スタッフのみなさんの“おもてなし”の心を笑顔や所作を通じて伝わってきて。『思いやりは言葉を超えて届く』ということを実感しました。
インドネシアに行かなければ、こうした発見もなかったはず。この経験から『挑戦の先には、想像もしなかった出会いや学びがある』と信じて、日々行動するようになりました」
Q4. 活動をする中でつらかったことは?
「お茶のブレンド体験のイベントの企画は苦労しました。
何度も企画を練り直す中で、大人から『お茶のブレンドなんて本当にできるの』と言われることもあれば、『いまは現実的な視点じゃなくて、もっと理想を語っていいんじゃない』といった厳しい意見をもらうこともあって……。戸惑いや不安を感じる場面も多かったですが、より自分たちにしかできない企画をつくりたいという想いが強くなりました。
そこで思いついたのが、『世界の茶葉を集めてブレンドする』というアイデアでした。何度も話し合いを重ね、アイデアをかたちにしていくのは簡単ではありませんでしたが、少しずつ実現に近づいている感覚があります。最終的には、静岡の特色を活かしながら、多くの人が楽しめるイベントに仕上げたいと考えています」
Q5. 将来の展望は?
「私にはふたつの夢があります。
ひとつは、外資系の客室乗務員(CA)になること。旅行が大好きで、飛行機に乗るたびにCAさんの丁寧な接客や安心感に憧れてきました。特に台湾や香港の文化やホスピタリティに魅力を感じていて、アジアの魅力を伝えられるCAになりたいと思っています。
もうひとつは、インクルーシブツーリズムを国内に広めることです。障がいのある方や高齢者、小さな子ども連れの家族、外国人観光客など、誰もが安心して旅を楽しめる環境をつくりたいと考えています。観光のバリアを取り除き、すべての人に『非日常』を届けられるような社会を目指していきたいです。まずは大学で観光を学び、これらの夢に一歩ずつ近づいていこうと思います」
水野美咲のプロフィール
年齢:18歳
出身地:静岡県藤枝市
所属:立教大学観光学部(観光学科)、学生団体Fuji’s teens、GSA Hamamatsu Japan
趣味:趣味:ひとり旅、旅行
特技:リフティング
大切にしている言葉:「自分の道を進む人は、誰でも英雄です。」「失敗しなかった1日は何もしなかった1日だ。」
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano