
「気になる10代名鑑」の956人目は、ちぃさん(19)。オリジナルの『ちぃバッジ』をツールとして日常にワクワクをプラスする活動をしています。能登半島でのインターンが印象に残っているというちぃさんに、活動をはじめたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
ちぃを知る5つの質問
Q1. いまいちばん力を注いでいる活動は?
「家族や友人のような“いつもの関係”とは少しちがうけれど、ふとしたきっかけで出会い、ゆるやかにつながる人たち。僕はそんな関係を“ななめの関係”と呼び、そのつながりを通じて、日常に少しのワクワクを届ける活動をしています。具体的には、オリジナルの『ちぃバッジ』をつくって、出会った人にお渡ししています。
バッジを配るのは、『やりたいことができたときにまた繋がれたらいいな』という思いから。学生という身分だからこそ起こせるアクションもあると思っています。実際に、ちぃバッジを渡した人との繋がりでバンドを組んで、コミュニティカフェで演奏をおこなったこともあります。。
他にも、昨年の夏に地域ベンチャー留学で能登半島に滞在しました。全国から来た多様なバックグラウンドを持つひとたちと復興のために考えて動くことで、僕自身の考えや今後について整理できたような気がします」
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Q2. そのテーマで活動を始めた理由は?
「高校を卒業するタイミングでバッジを作ったときは、漠然と僕のことを覚えていてほしいという思いがあったからです。
でも、大学生になって世間の狭さを実感してから、自分のバッジを持っている同士が、バッジをきっかけにつながることができたら素敵なんじゃないかと思うようになって。
ちょうど、大学1年生の夏休みに能登半島で住み込みのインターンに参加したことも大きかったです。いろいろな背景を持ったひとが集まるコミュニティだったんですけど、そこでふと自分が抱えていた大きな悩みを話すことができたんです。気づいたら号泣していて、本当に救われました。
付き合いの長い友だちでも、家族でもない、ななめの関係だからこそ話せたことだと思っていて。他のひとにも、同じように“ちぃの友人同士”というななめの関係に救われる経験をしてほしいと思って。そうした関係性の繋がりにバッジ配りが力になれるんじゃないかと思うようになりました」
Q3. 活動を通して印象的だった出会いはありますか?
「能登半島のインターンで出会ったひとたちです。
能登半島のインターンに参加したのは、メディアでは伝わらない『復興』に熱い思いを持つ大人がいることを知って、話してみたいと思ったから。実際現地に行ってみると、ベクトルは違くてもみんな楽しみながら復興に力を入れていました。
まちづくりの会社を営むひと、子どもの遊び場を提供するひと、自分の好きなことを仕事にしているひと……。このひとたちのおかげで、学ぶことも多かったし、自分の活動を見つめなおすこともできました。いまでも、何かに悩んだときや判断に迷ったときにはみなさんの話を思い出して行動しています」
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Q4. 悩みはありますか?
「ひとりで行っている活動なのもあり、悩んだときに誰にも相談できないことが悩みです。
僕は考え込んで眠れなくなっちゃうタイプだし、自分から行動していきたいので、代表というよりも、もっと自由に動ける立場の方が向いているのかもしれない……と思ったりもします。活動を通しての仲間はいるのですが、自分の弱い部分を補ってくれるような『相方』と呼べる相手がいたらいいなと思うことがあります。
落ち込んだり悩んだりしたときは、曲に救われることが多いです。最近はレトロリロンさんの『深夜6時』という曲が好きでよく聴いています。失恋の曲なんですけど、僕は違う捉え方をしていて、考えさせられる曲です」
Q5. 今後の展望は?
「ひとの人生にワクワクの選択肢を与えられるようになりたいです。
活動のベースには、自分が救われた『ななめの関係』がありますが、ななめの関係ににこだわらず、他のひとにもなんらかの形で救われて欲しいと思っているんです。
そのためにもちぃバッジをツールとして捉え、さまざまな場面・分野で活用することで、たくさんの人のきっかけや居場所をつくりだせたら嬉しいし、そんな人たちの笑顔が自分の次のアクションにも繋がると思っていて。
まずはちぃバッジを活用した大型イベントを行うことがいまの一番の夢です」
ちぃのプロフィール
年齢:19歳
出身地:宮城県仙台市
所属:東北芸術工科大学 デザイン工学部 企画構想学科、学生団体山形カリーズ、有志団体たらふくトラベル、NPO法人ETIC.m地域ベンチャー留学研修部、一般社団法人 のと復耕ラボ インターン生、学生団体WILL 共同設立者
趣味:音楽、旅行
大切にしている言葉:ワクワク
ちぃのSNS
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Photo:Naoko Araie
Text:Chikiri Kudo