
気になる10代名鑑」の892人目は、美音さん(18)。デジタル技術を使って、音楽やリズムが持つイメージを視覚的に表現することに力を入れています。MV制作やグループ展などもおこない、「音楽とデザインの融合」で感情や記憶に残る体験の場を創りたいと語る美音さんに、影響を受けた人や今後の展望について、詳しく聞いてみました。
美音を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「音やリズムがもつイメージを、視覚的な形で表現することに力を入れています。高校では、美術史やプロダクトデザインといった美術全般を幅広く、基礎から学んでいて、映像制作に必要なプログラミングなどの技術習得には独学で取り組んでいます。
最近では、音楽教室の先生への出産祝いとして、オリジナルの子守唄をもとにMVを制作してプレゼントしました。また、雨の音を感じられるデザインの洋服を作るなど、いまは特定の対象にこだわらず、音がもつ雰囲気や世界観に合わせた表現方法を模索しています」
Q2. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「目に見えるデザインと、目には見えない音楽のふたつを掛け合わせることで、感情や記憶に残る唯一無二の体験を作り出すことがテーマです。
モノがあふれる現代の社会では、お金だけが商品の価値を決めてしまい、本当に大切なものが見えなくなりがちだと思うんです。だからこそ、デザインと音楽を通じて、五感に響くような経験の場を作っていきたいと思っています。
幼少期からいろんな楽器に触れる機会があって、自分にとって音楽は身近な存在で。高校でデザインを学んだことをきっかけに、音楽の世界観をデザインと結びつければ、より深く人々の心に届けられるんじゃないかと思ったんです」
Q3. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「音楽と映像、デザインを掛け合わせた体験の場を作るには、高校で学んでいる知識を超えたスキルが必要で。映像制作に必要なデジタル技術は独学で勉強していますが、まだ思うように表現できなくて、もどかしさを感じることがあります。また、デザイン方法や使用する媒体の選択肢が多すぎて、どれが最適か悩むことも。
でも、これから大学で情報やデジタル技術についても学ぶ予定なので、新しい世界が広がることにとてもワクワクしています」
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Q4. 影響を受けた人物は?
「ライゾマティクスというクリエイティブ集団の創設者である、アーティストの真鍋大度さんです。
ライブのデジタル演出などを手がけている方で、音楽をテクノロジーの力でより魅力的にみせる技術が本当にすごくて。デザインセンスに加えて、ご自身が得意な数学も武器として使っているそうです。常に新しい技術を使いこなして、想像を超えた体験を生み出し続けているところを尊敬していますし、影響を受けています。将来、一緒にアイディア出しからライブ演出まで関われるようになりたいです」
Q5. 将来の展望は?
「具体的な職業はまだ決めていませんが、クラブやコンサートで音楽やその場の雰囲気に合わせた映像演出をおこなうVJの仕事に興味があります。デジタル技術を活用して、音楽とデザインの力でひとりひとりの記憶に残るような、パーソナルな体験の場を創り出したいです。
そのためにも、いまは自分がビビッと感じたものを取り入れて学んでいき、表現の幅を広げていこうと思います」
美音のプロフィール
現在の年齢:18歳
出身地:東京都
趣味:猫 ガチャガチャ、ドラマ・アニメ鑑賞、ギター
特技:まちがいさがし
大切にしている言葉:偶然は必然
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Photo:Nanako Araie
Text:Mizuki Maeda