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このあたりに電話ボックスがあったような気が…気がつくと無くなっているモノを探して【キヨトカナのLOST IN PASSAGES】

このあたりに電話ボックスがあったような気が…気がつくと無くなっているモノを探して【キヨトカナのLOST IN PASSAGES】

当たり前にあった景色が無くなる

大学の授業終わり、いつもの道を歩いていると、商店街に当たり前に佇んでいたあのお店が無くなっていることに気付いた。

わたしも何度か入ったことがあって、10年通ってる常連さんとの空気感とか、オレンジ色の暖かい部屋の明かりとか、けっこう好きな景色だった。あの店の雰囲気好きだったな、最後に行っておけばよかったな、とか。無くなってから惜しんでも遅いのに。

フィルター越しの現実。バズるトレンド。そして誰かが過ごしている別の世界線。そんな、自分とは遠くにあるモノが近くにあふれてるせいで、近所にあったお店が無くなってしまったのことにも気がつかない。そのくらい、わたしたちの日常は忙しい。

そんなことを考えているうちに、いまもどこかで、いま大切にしなきゃいけないことが消えていっちゃう気がしちゃう。

電話ボックスは自分だけの空間

小学生のときに忘れ物をして、母に電話するのに使っていた電話ボックスもそう。気がつけばあまり見なくなっちゃった。電話ボックスの中で楽しそうに話してる人とか見かけると、なんだか微笑ましく、そしてどこかうらやましく思ってたな。

兄弟が多いわたしは、家でひとりになれるタイミングがなくて、他の人に話し声を聞かれるのが嫌で、いまでも電話はあまり好きじゃない。(特に好きな人と話す声なんて、恥ずかしくて絶対に家族に聞かれたくないね(_) )

その点、電話ボックスは自分だけの空間。だから、受話器のネジネジコードを弄りながら、時間を忘れていろんな話をできるのが魅力的なんだろうなって思っていた。

手間は少しのスパイス?

いまは電話番号なんて覚えなくても、LINEですぐに連絡できる便利な世の中だけど、ボタンをたくさん押す手間があった公衆電話は、かけるのに少し勇気が必要だった。

わたしが聴いている昭和の曲には、電話ボックスから好きな人に電話をかける場面がよく出てくる。主人公は「他の家族が出たらどうしよう」とか「彼はいま、家にいるかな?」って不安を抱えつつ、ドキドキしながら受話器を取るんだよね。

いまみたいにスマホで簡単に連絡が取れない時代だからこその、もどかしい感じが甘酸っぱくて。 ちょっとうらやましくも思えるの。

どんどん無駄を省いて、そんな手間が過去のものになりつつあるいまだからこそ、手間にも価値あると思う。その手間は、わたしたちのいろんな感情を引き出してくれるし、もっと価値をつけてくれるような気がする。

当たり前になってしまう日常

おじいちゃんがひとりで切り盛りしていた喫茶店。看板が古臭くて入りづらかった洋服屋さん。お気に入りの映画のDVDの返却コーナーを何度も見に行ったレンタルビデオ屋さん。

ほっといたら、気づかないうちに消えてしまうようなあの場所、あのこと。日常を昔からつくってくれている場所も、いま楽しんでおかないと、数年後には近所にあった電話ボックスみたいに、無くなっちゃっているかもしれない。

そんな場所を見つけられるのって、いまを生きているわたしたちしかいないのかも。なんてことを最近思う。

だからこそ、この【LOST IN PASSAGES】で、その瞬間をしっかり記録して、共有していきたい。ついつい見過ごしてしまいがちな景色や体験、時間の魅力を、少しでも残せたら嬉しいなぁ。

自己紹介が遅くなったけど、犬と銭湯、ドライブ好きの大学生、キヨトカナです。今回、ご縁があって、Steenzと一緒にこの「LOST IN PASSAGES」を見つけることになりました。

普通のどこにでもいるような大学生のわたしが、日常の中に当たり前にある場所や時間を見つけて、発信していきたいと思います。

Instagram:@lost_in_passages
TikTok:@lost_in_passages

キヨトカナのプロフィール

東京のはずれにある大学に、実家の車で通う大学3年生。
キャンプと銭湯、愛犬のLINEスタンプづくりが趣味。音楽を聴きながら散歩するのが最高の癒しで、髪色は月に2回はチェンジする:vサイン::肌色-2:

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https://steenz.jp/20002/

Photo:Nanako Araie
Hair&Make-up:Kotomi Goshima
Direction:Yukiho Wakao
Text:Kana Kiyoto

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