世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、Z世代の仕事観や人生設計についてのアンケート調査の結果をご紹介します。
自分らしく働くってどういうこと? Z世代の仕事観
コロナ禍を経て、在宅勤務が認知されるようになったり、副業を認める企業が増えたりと、いろいろな働き方が生まれ、自分の価値観にもとづくライフスタイルが重視されることが増えてきました。10代では、まだそこまでのはっきりした価値観はもっていないかもしれませんが、働いた経験が少しずつ蓄積していっている20代は、どう考えているのでしょうか。
教育・人材・介護などの事業を行うヒューマンホールディングス株式会社が、企業や団体に勤める20~28歳の男女1,000名を対象におこなった「仕事観と自分らしさに関する調査」を見ていきましょう。
まずは「自分らしく働くとは、どのように働くことですか」という質問から。これに対して、「ワークライフバランスを保ちながら働く」と答えた人が17.6%、次いで「仕事とプライベートをきっちり分ける」と答えた人が13.9%という結果になりました。
一方で「多少プライベートを犠牲にしても目標・目的のために働く」は2.3%、「本業以外の活動をしながら働く(パラレルキャリア)」は2.0%と、かなり低い結果に。
さまざまな働き方をする人が増えたとは言われていますが、資格取得を掲げて勉強をたくさんしたり、違う業界でも働いたりというよりは、プライベートの時間を重視して無理なく働きたいという20代が多いようです。
次に「職場に導入してほしい、または、すでに導入済みで今後も維持してほしい働き方に関する制度を聞いたところ、ダントツで多かったのは「週休3日」(40.9%)でした。確かに休日が1日増えれば、疲れ具合や、日常の満足感が大きい気はしますよね。
続いて「副業・兼業の許可」が26.7%、「フレックスタイム」が26.4%とほぼ同数になっています。自分の時間を多くもちたい、さらに空いた時間には副業や兼業をやってみたい、というニーズの高まりを感じます。
また、「仕事において、どのようなことにストレスを感じますか」という質問では、多くの人が「給与」と答え、2位の「社風・職場の雰囲気」よりも、15%も高い結果に。多少、問題があったとしても、ある程度給与が高ければ、我慢できるということなのかもしれません。
「将来の目標年収」についての質問では、男女ともに「400万円~500万円」が最多ゾーンとなっています(男性:14.6%/女性:18.8%)。この数字は、国税庁が発表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」の中で明らかになった、国民の平均年収458万円前後という数字と一致してきています。全年齢での平均値なので、20代ではまだこのゾーンに達している人は少ないと思われますが、「まあ、このくらいあれば……」と思えるラインなのかもしれません。
一方で、男性では1000万~1200万円をめざしたいという人が10.2%いるのに対し、女性では4.2%と、乖離があります。賃金において男女差が存在する現状をシビアに見ているのかもしれません。
まだ働く実感は薄いけれど…
「Z世代の仕事観」といっても、ひとくくりにできるものではなく、それぞれの価値観はバラバラですし、これから長く仕事を続けていくことで変わっていく、流動性をもったものだともいえます。10代にとっては、少しだけ上の世代にこうしたアンケート結果を見て、「自分だったらどうかな?」と考えてみることで、働くことへの解像度を上げる助けになりそうです。
「仕事観と自分らしさに関する調査」調査概要
調査対象:全国の会社員(正社員)・公務員・団体職員として勤務する20歳~28歳男女
回答数:1,000人
調査時期:2024年4月25日~4月26日
調査方法:インターネット調査
※調査結果の構成比は小数点以下を四捨五入して算出しているため、合計値は必ずしも100%とはなりません。
Text:Itsuki Tanaka