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学生と企業がタッグを組んで社会課題に取り組む!SDGsな産学連携の取り組みを紹介【Steenz Breaking News】

学生と企業がタッグを組んで社会課題に取り組む!SDGsな産学連携の取り組みを紹介【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、さまざまな課題解決に取り組む「産学連携」についてご紹介します。

産学連携とは?

「産学連携」とは、大学をはじめとした教育・研究機関がもつ研究成果や専門的な知見を、企業やNPOなどと組むことによって、製品や技術開発に活用することです。

従来、ビジネスユースを想定した研究開発は、企業が単独でおこなうケースが主流でした。しかし近年、複雑化する社会課題やグローバル競争の激化に対応するため、企業と大学が連携して研究開発をおこなう「産学連携」が重要視されてきているのです。教育・研究機関と企業、それぞれの強みを活かすことで、新たなアイデアや技術を生み出し、社会課題の解決に貢献することが期待されています。

企業としては、自社にはない大学などの学問的な資源を有効活用できます。そして、学校や学生としては、市場や企業側のニーズを押さえた研究開発をすることができ、地域社会との関わりを深めることができるでしょう。

近年、SDGsへの関心の高まりなどもあって、さまざまな社会課題の解決を試みる産学連携の取り組みが増えています。そこで今回は、経済産業省や文部科学省もますます注力するとしている、SDGsな産学連携の実例をいくつか見ていきましょう。

京都芸術大学×木村石鹸SOMALI

京都芸術大学の学生と、安心・安全な家庭用純石鹸ブランド「SOMALI」の取り組み。「学校で洗濯について習うことがなかった」という学生の声を起点に、「ぬいぐるみのおふろセット」が開発されました。子どもたちに向けた洗濯教育をおこなう内容の絵本や、石けんと植物由来成分のみでつくられたぬいぐるみ用の石けん、絵本に登場するお手紙を書くシーンを再現できるレターセットが含まれています。

文化服装学院×高島屋

文化服装学院と老舗百貨店である高島屋のコラボレーションにより販売された「再生カシミヤ混ニット」。

高島屋より毎年発売されているカシミヤニットシリーズでは、2021年より自主回収したカシミヤアイテムを一部使用した「再生カシミヤ混ニット」シリーズを展開しています。昨年実施された文化服装学院とのコラボでは、文化服装学院の学生がコンセプト立案から販売促進方法までを担当。デザインはメンズ2型、レディス2型、ユニセックス1型の計5型を考案・販売しました。「はじめてのカシミヤ」をテーマに、自分たちが本当に着たいと思えるデザインと価格帯を追求。若々しい感性を反映したデザインや、ジェンダーレスで楽しめるカシミヤ商品を完成させました。

金城学院大学×豊島『Hogara(ホガラ)』

金城学院大学生活環境学部の学生と、ライフスタイル提案商社である豊島により開発されたショーツ「Femly.ペチパンツ」。

このプロジェクトでは、フェムテックに関する講義や、女性特有の悩み、吸水ショーツなどに関する意識調査を学生に実施。その結果、サニタリー期間中の漏れによる服の汚れを気にする人やオーバーパンツを着用している人が多くいることが明らかになり、それが商品開発につながりました。防水布付きで、サニタリーショーツとして履くこともできますし、オーバーパンツとしてサニタリーショーツの上から着用することもできます。

昭和女子大学×グラフィック・パッケージング・インターナショナル

和女子大学環境デザイン学部の学生と、⽶国⼤⼿製紙メーカーであるグラフィック・パッケージング・インターナショナルによるプロジェクト。強い耐水性と強度を持った特殊な紙素材である、AquaKote(アクアコート)という製品の活用方法を学生たちが話し合い、商品提案をするというものです。

左:「ぷらんと」右:「pita pata」

小さなプランターを入れて持ち運びができ、持ち帰った後にも容器として使える作品「ぷらんと」と、質感と風合いを生かすために、複数に重ねた紙で凹凸を表現した作品「pita pata」。ふたつの商品提案が、学生たちのグループワークにより行われました。

国際ファッション専門職大学×富田興業×AKASE

国際ファッション専門職大学と皮革卸問屋である富田興業株式会社、AKASE株式会社が手がけるインテリアブランド『マスターウォール』の3社間協定による産学連携プロジェクトでは、キズや虫食いなどの理由から市場に流通されずに残ってしまう“D級レザー”を、ランプシェードにアップサイクルする取り組みをおこないました。

皮革産業と家具業界の共通課題である端材などの資源ロス問題に一石を投じるべく行われた本プロジェクト。ステークホルダーの協業によって、ペンダントライトの木製部分にウォールナットの端材を使用した商品を開発しました。

青山学院大学×フェアトレード・ラベル・ジャパン

青山学院大学総合文化政策学部の「フェアトレード・ラボ」の学生と、NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン、サステナブルな飲食・小売事業を展開するInnovation Designが共同で実施した取り組み。渋谷スクランブルスクエアにてPOP-UPショップを開き、学生自らがセレクトしたフェアトレード商品の販売を行いました。

これらのフェアトレード商品は、学生によって作成された紹介コメントともに販売されました。他にも「学生500人の声」を集めた付箋アートの展示がされるなど、学生と連携したさまざまな企画が行われたそうです。

これからの学生×企業の取り組みに注目

このように、産学連携は、研究分野だけでなく、マーケティング分野でも注目が集まり、さまざまな取り組みが生まれ続けています。参加した学生も、実際に商品になる過程を見られるので、非常に大きな経験になるでしょう。地域の活性化や企業の競争力向上の面からも、今後よりスポットライトが当たりそうな予感です。

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Kagari

ライター/エシカル・コンシェルジュ

フリーのライター/エシカル・コンシェルジュ。学生時代、100本以上のドキュメンタリー映画を通して、世界各国の社会問題を知る。事務職を経て独立後、ソーシャルグッドに関連する記事を執筆。都会暮らしからはじめるエシカルな暮らしを実践中。 Twitter:@ka_ga_r_i Instagram:@kagari_ethicallifejapan

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